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若い元気なお相撲さん

2013-01-27 22:10:11 | Weblog
●若い元気なお相撲さん 松井由利夫作詞、飯田景應作・編曲、昭和35年
一、寝ぼけまなこで 飛び起きりゃ
今日もごっつい 荒げいこ

ひとつ兄弟子 たのみます
ドント一発 ぶっつかれば
ごろり土俵に 四つんばい

それでも俺らは ドスコイドスコイ
若い元気な お相撲さん


二、肉はぶつ切り やぐら投げ
ねぎと菜っぱは 上手投げ

ほんにごっつあん チャンコ鍋
くわい頭の 食べざかり
いくら食べても まだたりぬ

それでも俺らは ドスコイドスコイ
若い元気な お相撲さん


三、強くなるとも 男だよ
夢は横綱 土俵入り

使い走りに 肩叩き
飯の仕度に 風呂の番
ほんに疲れる 目がまわる

それでも俺らは ドスコイドスコイ
若い元気な お相撲さん





先日、あるアイデアに基づく同人マンガ作品の執筆依頼のため、大相撲初場所9日目のマス席観戦にマンガ家さんを招待。東京場所では初お目見えとなる横綱・日馬富士の不知火型土俵入り




幕下に落ちたら引退と公言している人気力士・高見盛。この仕草も見納めか




この日の結びは、横綱・白鵬に大関復帰を目指す把瑠都が挑んだが、白鵬が電車道で寄り切った


八百長問題や野球賭博、さらには時津風部屋での暴行死事件と不祥事続きで離れていた客足が戻りつつあるとされる大相撲。
私が生で見るのは、その不祥事を機に無料公開された一昨年の技量審査場所が初めてだったのだが、今回はマンガ家さんを接待するということで3人用のマス席を奮発。
ご存知と思うがマス席は2人~4人分のチケットがまとめて売られる形で、バラ売りはされない。一人で来ようとしても、前の方の席は敷居が高いのだ。
私も子どもの頃は熱心にテレビ観戦したものだが、大人の身で平日の昼間に連れだって相撲を見に来られるのはどんな人びとなのだろうか。
見回すところ富裕層の家族連れ、常連らしき中小企業の経営者風、水商売の支配人とその連れの派手な女、新興ブラック企業や金融業の幹部たちといったところか。
その時々、景気のいい連中が擬似タニマチ気分を味わいにやって来る両国国技館─

不祥事が続出し、澱にまみれた相撲界が改革の必要に迫られた時、理事長を引き受けねばならなかった放駒親方(元・魁傑)は政界でいえば民主党のようなものか。
当面の危機は去り、守旧派の自民党=北の湖親方が戻ってきたという。
北の湖理事長の言動には、外部の声に耳を貸すつもりはさらさらなく、直接的な利害関係のあるインサイダーから順番に既得権を配分していこうとでもいうような、純日本人・村社会的な頑なさがうかがえる。
新弟子希望者が激減するなど(若貴ブームの1992年に223人だった新弟子検査合格者が2012年には55人)相撲界の危機は完全に去ったわけではないのだが─




危機が去っていないにもかかわらず、痛みを直視することを避ける、かりそめの保守回帰の風潮。
そうした中では相撲界などはマシな方で、原発事故避難地域の除染事業も元請け下請け孫請け多層構造でピンハネや手抜きが横行するように、より中央に近い旧来からの利権が強化され、より末端にある立場が弱い者に痛みが押し付けられ切り捨てられる傾向が強まる。

わが国は先進国では突出して借金まみれなことは今さら言うまでもないが、ではすぐにでも国債破綻ということにならないのは、そのほとんどが国内でファイナンスされてるゆえ。巨額の債務は、日本国内の別の帳簿では債権なのだ。
その最終的な債権者の一つとして、メガバンクやその他の公的金融機関の預金者がある。
ことに行政当局の干渉をあまり受けず、組合員のみ預金・出資や借り入れができるという相互扶助の原則で預金量を増やしてきたのが信用金庫や各種信用組合なのだとか。

↑画像はその信金信組の預金残高増加率トップ25(単位:100万円)。「石川県医師」や「朝日新聞」(共に信用組合)。デフレで景気が悪い、お金が世の中を回ってないとされるが、こんなところに溜まってたのか。




「福祉社会のオルタナティブ」として各所で言及されるベーシック・インカム(BI、基礎的な生活費給付)なるものは、どのような願望の帰結として生まれたのか。
例えば「希望は戦争」論で知られる赤木智弘の場合は「今持っている人は基本的に悪い。先に権利を持ってるとは、所有のためにお金を払ったということだから、裏を返せば(住宅ローンが残ってるのに津波で家を流された)被災者に家を与えるのはよいがホームレスに家を与えるのはけしからん、生活保護受給者が保険料払ってないのに医療費タダなのはけしからん、みたいな話になる。そうではなく人権・社会保障は天賦のものとして、生きてること自体はゼロベースになるように(家賃や生活費を)国に保障させるのが理想」だと。

冒頭に掲げた古い歌謡曲の歌詞の中では、若いお相撲さんは稽古や下働きで目が回る忙しさだというが、その代わり彼は家賃や食費・光熱費は相撲部屋で持ってもらえる。そうした中から、番付を上り、お客やタニマチ企業からお金をいただける付加価値を生む力士が現れ、相撲界が存続してゆくために。

主人公はまだ弱くてお客を呼べるような存在ではないとしても、練習相手やさまざまな雑用、あるいは将来の相撲界への保障として必要とされる。そんな相撲界の伝統に、ほんのわずかでも貢献できないかと、私も初めてお金を払って観戦したわけだ。
きれいごとを言うつもりはない。私は「今持っている」側で、赤木智弘からは敵視される存在だ。
大相撲観戦でマンガ家さんを接待する私、あるいは同業者の信用組合に預金を増やしてるような「持ってる」人たちが、お相撲さんではない平均的な若い日本人が生きてること自体はゼロベースになるよう、BIの財源として国に私財を供出しましょう、そう掲げる政党に投票しましょう─などと言い出すと思います??

そんなわけないでしょう。赤木の論にも一理あるが、全体としてはふざけたこと言ってる感じだ。
現実とかけ離れた理想を強弁することは、逆に「甘言を弄して囲い込んで食いものにする」型ビジネス=ネトゲ、AKB、あるいは大学などある種の就職産業やブラック企業に塩を送るようなものではあるまいか。

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