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昭和博覧会⑨ メトロニュース

2024-08-18 17:54:21 | Bibliomania
メトロニュースは東京地下鉄(東京メトロ)の前身・帝都高速度交通営団が昭和35(1960)年4月から不定期に発行し、駅に置かれる配布物。2022(令和4)年に紙版を終了、現在はnote上で更新されている様子。

創刊号には既に開業している銀座線・丸ノ内線を含め5本の地下鉄が建設されるという計画のあらましと路線図、運賃表とその改正についての記事が掲載され、二つ折りに綴じていないペラ紙を挟んだB5判6ページの体裁。



あなたの財産は、有利に運用されておりますか? 利用方法によってあなたの財産はますますふえていきます。ご存知かもしれませんが、財産をふやす確実有利な方法をお知らせしましょう。(中略)元利金の支払いが確実で、しかも、年七分九厘四毛の高利回りであること。その上、いつでも換金が自由な無記名証券で、いま話題となっている金利引下げに影響ないからです。(中略)皆さんは、地下鉄建設に参加しながら、財産をふやしていけるわけです。 ──no.4に掲載された「東京交通債券の話」。この後も頻繁に掲載。


メトロニュース初期には地下鉄路線網の計画図は毎号掲載されており、昭和38(1963)年7月のno.11に初めて第8号線、後の有楽町線が登場。当初は練馬区中村橋駅付近=江古田=目白=飯田橋=神保町=墨田区錦糸町駅付近のルートで計画されていた。昭和43(1968)年12月のno.39掲載の計画図から市ヶ谷=永田町=銀座付近へ抜ける現在のルートに変更され、昭和49(1974)年10月末に池袋=銀座一丁目間が開業。



昭和40(1965)年11月のno.23表紙に使われた丸ノ内線電車がトレーラーで運ばれる様子。



①no.44(昭和44年11月)千代田線と命名された9号線の新御茶ノ水駅完成予想図②no.45(昭和44年12月)凍結工法の掘削工事③新御茶ノ水駅の仕上げ工事④延長41メートル、当時東洋一長いとされた新御茶ノ水駅のエスカレーター。

地表下34メートルと当時日本一地下深い駅であった新御茶ノ水をはじめ、昭和44(1969)年12月に開通した千代田線の北千住=大手町間は起伏の多い地形で地盤も軟弱、狭い道路の下に建設するなど施工環境が悪かったためシールド工法や凍結工法などの新技術が用いられた。



飛び飛びで入手したのではっきりと分らないが昭和50年代に入りno.70~80あたりで沿線風景に若い女性が写り込んだ表紙が多くなり、やがては風景より女性がメインに。内容も鉄道ファンにアピールするような硬派色は薄れていく。
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