Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

それは皮膚ではなく…(コンシボリガイ&ニシキツバメガイ)

2017-06-16 19:56:31 | ウミウシ

ヒンヤリとした雨が降ったり止んだり…な本日のやんばるです。

雨はシトシト系でしたけど、少し肌寒さを感じる一日でした。

少し前に今年の梅雨は雨が少ないのでは…と書いたりしたのですが…。

それは全くの間違いだったようで。

今年は沖縄全域で、平年比の100%を超える量の雨が降っているそうで、場所によっては(やんばるですが)200%を超える雨量なのだとか。

そう聞くと、もうすぐにでも梅雨が明けて欲しく思えてきたり…。

風は北東~東。おおむね雨。

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前回、織物の技法の一つである『絣』について書きました。

織物に文様を表す技法は他にも、経糸または緯糸の浮き沈みによって図柄を表す『錦』や、織り上がった布の一部を縛るなどの方法で圧力をかけて染料がしみこまないようにすることで模様を作り出す『絞り』などがありますね。

この二つを取り上げたのは、『錦』や『絞り』が『絣』とともに生物の名前によく現れるから。

衣服の模様を生み出すこれらの技法が、生物の体表面、人間でいうなら皮膚にあたる部分に用いられているのは、その文様を〈纏っている〉と捉えられてきたからでしょうか。

成長と共に模様が変化したり、限られた期間や気持ちの状態、あるいは活性の強弱でその体表の色彩・模様が変化する様は、衣装を着替えているように感じられたりします。

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というわけで…

〈ミスガイ科コンシボリガイ属コンシボリガイ Micromelo undatum 17年5月12日 沖縄島安和〉

軟体部に密に入る白色斑が、『絞り』なのでしょうね。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

画像は黄色縁取りタイプの個体。

本種は青色縁取りタイプもありますが、僕はこちらの方にばかり出会います…。

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〈カノコキセワタガイ科ニシキツバメガイ属ニシキツバメガイ Chelidonura hirundinina 17年4月20日 沖縄島安和〉

『錦』はその値が金に等しいゆえに、「金」と「帛(絹織物のこと)」という字が並べられたのだとか。

また光を受けると千変万化に表情を変える美しさから、〈光の織物〉とも賞賛されるのだそう。

本種も様々な織物を纏います。

〈同種別個体 17年5月12日 沖縄島安和〉

かなりシックな衣装だったり…

〈同種別個体 17年6月1日 沖縄島安和〉

中間的なものだったり…。

 

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