Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

織り上げられた気持ちの図柄(カスリヘビギンポ)

2017-06-12 18:47:51 | ヘビギンポ科

クッキリとした梅雨が戻ってきた本日のやんばるです。

ときどきの強雨に雷鳴も聞こえたり…。

ただ風は弱く、海はまずまずの凪でした。

この先一週間くらいは、こんな空模様が続きそうです。

まあ、梅雨の末期という感じもしますが…。

風は南西。雨ときどき激しい雷雨。

■■

〈ヘビギンポ科カスリヘビギンポ属カスリヘビギンポ Ucla xenogrammus 17年5月1日 沖縄島安和〉

カスリ(絣)は織物の技法の一つ。

前もって染め分けた糸を使用して織り上げ、文様を表すもの。

日本および琉球の織物を指す用語。

基本的には、細かな線を散りばめた幾何学模様のようですね。

当地では、本種はとても観察しやすいので、様々なフォームに出会えます。

例えば…↓

〈同種別個体 17年5月8日 安和〉

これは幼魚個体。

全体的な印象は成魚と大きく変わらないミニチュア型幼魚ですが、頭頂部に綺麗な模様を纏っています。

幼魚期に目立つ模様です。

あるいは…↓

〈同種別個体 17年4月20日 沖縄島安和〉

体色に雌雄差の少ない本種ですが、繁殖期にのみ、婚姻色による性的二形が表出します。

本種の学名種小名は『見知らぬ図柄の』の意。

もちろんこの婚姻色を表している訳ではないですが、見慣れた本種が限定的に纏うこの図柄に、毎年ハッとさせられたり…。

異性を強く求める彼の気持ちが織り上げた図柄ですから。

毎年出会うたびに思うのですが、やっぱり赤みや黒みが濃い方が、雄としての強さや完成度の高さを表しているのでしょうか。

〈同種別個体 17年5月1日 沖縄島安和〉

例えばこの個体は、赤みや黒みの濃さが比較的弱めですけど、こういう個体はあまりモテなかったりするのでしょうか。

それとも、選ぶ雌のそれぞれに、違った好みがあったりするのでしょうか…。

 

コメント
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