湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

祖母の人柄・・・母の二十三回忌2

2010-09-16 18:57:14 | Weblog
叔母との話の中で
私が、母から叱られたことがほとんどないと言うと
叔母も、私も母親(私の母方の祖母)から叱られたことがない
と、言っていました

私の母が子供を叱らないのは、祖母伝来のものだったのです

じっさいには、しかられたことはあったのかもしれません
しかし、私の記憶に残る母からは
大声を出して叱られたような記憶は一切ありません

私は今でも
世のお母さん達が、大声を出して子供を叱るのを見ると、心が痛みます
なぜ、子供をあんなふうに叱るのだろうと
たまらない気分になるのです

たしかに、私は母からも祖母からも、叱られた記憶がありません
しかし、母も祖母も、ただの優しい感じの人ではありませんでした
どこか厳しく、ある種の凛々しさがありました
そばに行って、べったり甘えたという記憶もありません

普段は厳しい顔をしていることも多かったのではないでしょうか
しかし、私を見て微笑む時など
本当に、吸い込まれてしまいそうな、優しさを感じました

終戦後の食糧難の時代
地主だった母の実家は、食料を求める人で行列ができたそうです

まだ子供だった叔母は

「今日は何人並んでるかな?」

というような、好奇心しかなかったそうです

ある日、その中に、お腹の大きな女の人がいました
祖母は、その人を見ると、家の中にしまってあった卵を持ってきて

「このところニワトリが、あまり産まないので、これしかないけどね」

と、言って
家で食べるための卵を彼女に与え
もちろん、お金は取らず

「今のあなたは大事な時だから、これを食べるのですよ」

と言い添えたそうです

叔母は、娘ながら
自分の母親は立派な人だと思ったそうです
コメント
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