ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

一献一品出合い酒@松山

2014年05月23日 | ◆一献一品出合い酒
道後温泉本館に隣接する「道後麦酒館」にて、水軍太鼓原酒×せんざんぎ(親鶏)。伝統建築の荘厳な湯屋を眺め飲み進めるなら、瀬戸内海の地酒と今治のローカルグルメを合わせた、このコンビが似合う。

にきたつに蔵を構える水口酒造の地ビールで、昼間の札所巡りで不足した水分補給は完了。桝受けのグラス酒に合わせるは、今治の大衆飲んべに愛された土着B級グルメだ。ごつい唐揚げは皮と衣が強めに揚がりバリバリ、親鶏の詰んだ肉がギシギシと、顎にかなり応える硬派さ。多島海の狭間をすべり抜ける潮のような、スルリ華麗な飲み口の酒が、アテの強靭さを壮麗に受け流す。屈強な海城ゆかりの地の肴に、島間を駆ける海賊の名を冠す銘酒。海を巡って攻守相まみえる一期一会。

温泉街に降り続く雨のせいか、軽く濡れた浴衣の客が、次々に扉をくぐり来る。ほろ酔い程度に杯をとどめたら、今度はこちらが傘なし小走りで軽く駆け、アーケードのみやげ屋街で湯浴みができるまでの酔い覚まし散歩かな。一献一品の小さな酒宴、ひと風呂前に天下泰平なり。