一献一品出合い酒@多治見

多治見駅前のレトロ居酒屋「本町ロマンス食堂」にて、三千盛名醸×味噌鶏ちゃん焼き。思いつきで下車した見知らぬ街で飲むなら、岐阜の内陸のローカルな肴に初耳な地酒の、このコンビが似合う。

ワイワイと熱気溢れる店内に入り、空いていたカウンターにポツリと割り込んで、心地よい他所者感のひとり酒の始まりだ。愛らしい「ちゃん」付けの料理は、目の前で鶏肉がジュッと賑やかに炒められ、甘い香りがフワリ。タレをからめ野菜とザクザクいただけば、味噌文化圏ならではの奥行きあるまろやかさが広がる。スイッと喉を通りやすい酒との相性もよく、熱々のアテに香りがさらに膨らむこと。初めて泊まる美濃路にて、素敵な飛び込み遭遇の一期一会。

宴盛り上がる周囲の話題に、作陶やデザインが飛び交うのがさすが、陶芸処。どうぞ、と酌された隣の兄さん姉さんとの、旅人レベルの知識にての器談義も、未知なる器の里らしさを演出してくれる。一献一品の小さな酒宴、ぶらり天下泰平なり。