ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

一献一品出合い酒@甲府

2014年05月15日 | ◆一献一品出合い酒
甲府駅北口すぐにある「小作」にて、巨峰サワー×豚肉ほうとう。中央本線の各駅停車の旅で途中下車しての晩飯なら、駅からすぐなのが嬉しい郷土料理店にての、このコンビが似合う。

囲炉裏風の席の端にあぐらをかいて、鍋ごとのほうとうをそのままいくのが、山国の飯のワイルドさ。ホクホクのジャガイモにねっとりの里芋、土の香りプンプンのニンジンと、畑の力が露わな根菜たちがグイグイ押してくる。合わせる酒はフルーツの国ならではの、旬の果実がふんだんな贅沢なサワー。活きのいいブドウのほの甘さとフレッシュさが、トラッドな鍋料理に合うのは意外だ。トロ甘のカボチャが溶けゆくのを追っては、ブドウのグラスでシュワッとすっきり。山のごとくのどっしりな幸に、風の如くの酒が爽快に駆け抜ける一期一会。

終盤は具材と味噌が混沌となる汁を、おたまですくって飲み干せば、額も体もじっとり汗ばむ熱い夕食。帰りの列車の時間が迫り、あわててかっ込みググッと飲み干すのも、駅前飯屋にての汽車旅の醍醐味か。一献一品の小さな酒宴、いそいそ天下泰平なり。