一献一品出合い酒@小竹向原

駅から徒歩3分ほどにある創作鳥焼「五鐵」にて、一ノ蔵無鑑査本醸造超辛口×自家製メンチカツ。池波正太郎の作品にちなんだ焼鳥屋で期待膨らむサイドオーダーには、切れ味鋭い日本酒に家庭的惣菜を合わせた、このコンビが似合う。

焼鳥が美味い店は、酒の品揃えも例外なく素晴らしい。それに合わせる常連さんのオススメは、意表をついた一品だ。まんまるゴロリの程よいサイズに、だぼだぼソースがコーティング。へなりと染みた衣が甘ピリ、ミンチの肉汁がジュンと追撃する。これを叩き斬る超辛口の鋭利さは、まさに鬼平の剣のごとし。まったりな料理とビシッと締まる酒が、衝突し共鳴し相立つかの一期一会。

気を良くしての追加の品々も、銘酒を呼び込む実力品揃い。ポテサラ、煮込み、刺盛りと、箸を進め未知なる酒を傾けた後、一周して締めに食べたくなるのはやはり、屋号ゆかりの軍鶏鍋だろうか。一献一品の小さな酒宴、改め天下泰平なり。