横浜駅から相模鉄道の急行で10分ほど、二俣川駅近くで所用を済ませたとたんにどしゃぶりの雨が降り始めた。天気予報ではこれから夕方にかけて台風が通過するとのことで、この後に東京へ仕事に向かうのが少々億劫になってしまう。雨宿りもかねて、早めの夕食をいただきながら天気の様子を見ることにして、とりあえず駅周辺で店捜しである。かつてこの沿線に住んでいたことがあるが、しばらくこない間に駅は改築され、駅ビル「グリーングリーン」の中にも見慣れない店がずいぶん増えたようだ。
中途半端な時間でやっている店が少ない中、1階に、「茅ヶ崎仕立屋食堂」と書かれた暖簾が下がる店を見つけた。店名からして、湘南でとれた魚を食べさせてくれるのだろうか、と期待しながら暖簾をくぐり店内へ入ると、女の子が席へと案内してくれる。横浜Fマリノスのユニホームを着ているのが、浜小屋風のウッディーな内装と少々不釣合いだ。メニューを開くと魚料理の店だけあり、刺身を始め一品料理が豊富で、これらを数品頼んで中ジョッキ…といきたいところだがまだ東京で仕事が残っているため自粛。食事メニューから「漁師さんかきあげ定食」を頼むことにする。
レジのそばに置かれていたちらしによると、この店は本社が二俣川の近くにあり、横浜市を中心に川崎、八王子、お台場などに10数店舗を展開している。ここ二俣川店は「フィッシャーマンズダイニング」とあるように、相模湾から毎日とりよせた鮮魚をベースに、店独自の創作料理が豊富にそろっているよう。メニューによるとたたみいわしや釜揚げシラスなどのほか、素材の味を生かした「漁師料理」もいくつか見られる。
運ばれてきたかき揚げは、メニューに「ボリューム満点」と添え書きがしてあるように、中ぐらいの皿いっぱいの大きさでなかなかの迫力である。仕事柄、全国いろいろな漁港を巡り、様々な魚料理を頂いたが、漁師料理の特徴といえばとにかく豪快な料理法。そして食べる方もガンガンいくのが漁師料理の流儀、とばかり大きなかき揚げを真っ二つに割り、その一片にバリッとかじりつく。中にはイカのゲソ、正体不明の貝や小魚の身など、こまごましたタネがいろいろと入っていて、ひと口ごとになかなか楽しい。
半分ほどかじったところで、中からどこかで食べた覚えがある魚が出てきた。何と、サバである。焼きサバでそのまま食べてもいいほど味が濃厚だが、かき揚げのタネに使ってしまうとは恐れ入った。漁でたくさんとれた獲物や雑魚を使うのもまた、漁師料理のスタイルだったなあ、と思い出す。
もう一片はご飯にのせて、天つゆと熱々のお茶をかけて「天茶」にして締めくくりに頂くことにする。窓の外はいよいよ荒れ模様で、豪雨に加えて風も強まってきた様子だ。今日は仕事はあきらめて、まだ半分ほど残るかき揚げとの格闘を続けるべく、遅まきながらここらで中ジョッキの登場といくか。(2005年7月25日食記)
中途半端な時間でやっている店が少ない中、1階に、「茅ヶ崎仕立屋食堂」と書かれた暖簾が下がる店を見つけた。店名からして、湘南でとれた魚を食べさせてくれるのだろうか、と期待しながら暖簾をくぐり店内へ入ると、女の子が席へと案内してくれる。横浜Fマリノスのユニホームを着ているのが、浜小屋風のウッディーな内装と少々不釣合いだ。メニューを開くと魚料理の店だけあり、刺身を始め一品料理が豊富で、これらを数品頼んで中ジョッキ…といきたいところだがまだ東京で仕事が残っているため自粛。食事メニューから「漁師さんかきあげ定食」を頼むことにする。
レジのそばに置かれていたちらしによると、この店は本社が二俣川の近くにあり、横浜市を中心に川崎、八王子、お台場などに10数店舗を展開している。ここ二俣川店は「フィッシャーマンズダイニング」とあるように、相模湾から毎日とりよせた鮮魚をベースに、店独自の創作料理が豊富にそろっているよう。メニューによるとたたみいわしや釜揚げシラスなどのほか、素材の味を生かした「漁師料理」もいくつか見られる。
運ばれてきたかき揚げは、メニューに「ボリューム満点」と添え書きがしてあるように、中ぐらいの皿いっぱいの大きさでなかなかの迫力である。仕事柄、全国いろいろな漁港を巡り、様々な魚料理を頂いたが、漁師料理の特徴といえばとにかく豪快な料理法。そして食べる方もガンガンいくのが漁師料理の流儀、とばかり大きなかき揚げを真っ二つに割り、その一片にバリッとかじりつく。中にはイカのゲソ、正体不明の貝や小魚の身など、こまごましたタネがいろいろと入っていて、ひと口ごとになかなか楽しい。
半分ほどかじったところで、中からどこかで食べた覚えがある魚が出てきた。何と、サバである。焼きサバでそのまま食べてもいいほど味が濃厚だが、かき揚げのタネに使ってしまうとは恐れ入った。漁でたくさんとれた獲物や雑魚を使うのもまた、漁師料理のスタイルだったなあ、と思い出す。
もう一片はご飯にのせて、天つゆと熱々のお茶をかけて「天茶」にして締めくくりに頂くことにする。窓の外はいよいよ荒れ模様で、豪雨に加えて風も強まってきた様子だ。今日は仕事はあきらめて、まだ半分ほど残るかき揚げとの格闘を続けるべく、遅まきながらここらで中ジョッキの登場といくか。(2005年7月25日食記)