暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

敵意

2013-07-07 | -2013
はらわたがぐつぐつと煮える
鍋の中で泡を吹く
ひとさじの砂糖を入れたところで
灰汁はみるみる溢れていく

おまえのはらわたはどんな味だ
美味しくない、美味しくなどは
ただ煮て食べればどうにでもなる
骨は砕いて土に撒いた
髪も服も全部燃やした
おまえのはらわたは変に苦い

混じりのない瞳はじきに
どろどろくすんで液化した
蝿よ、鼠よ、油虫よ
死にたいがために貪るのか

褪せた食卓、どろりと濁った煮汁の煮こごり
なんともなんとも異臭を放つ
感謝するのはおまえのほうだ
美味しくない、美味しくなど
土と肉に埋もれてしまえる
異臭も灰汁もやがては糞へ
楽に生きれば楽に死ねる

残さず食べよと言うそばで
隅に重なる灰汁とはらわた
無駄ではない、無駄になど
おまえが蠅を、鼠を、油虫を
叩いて潰さぬかぎりには
燃やして灰へと変えぬかぎりは
ぐらぐら煮え立つ煮汁の中で
おまえが蕩けることもない

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