「ただ立つ」練習をすることは、根気が必要である。人は絶えず刺激を求めてしまうものであり、地味で面白みの無い「ただ立つ」ことには耐えられないのである。
しかし「ただ立つ」といっても、それは何もしていないのではなく、実は色々なことをしている。たとえば、私たちはすぐにからだの何処かに力を入れてしまう。緊張すれば水落(鳩尾)が硬くなり、足首にも余分な力が入る。そういう余分な緊張や力を取る(抜く)ことを、常にしているのである。自分のからだの中に意識を向けて、バランスを崩さないように常にココロを配るのである。
だから「ただ立つ」ことは、閑でツマラナイことではなく、本当はすることが沢山あり、刺激的なものである。