23年間くらい使い続けている手作りの鍋?
実はこの鍋?の名称を知らない。当時「北京体育学院(現大学)」に留学していた時に、仲の良かったブルガリア人に貰ったものだ。彼が一時帰国した時に持ってきてくれたのだ。酒を温めて飲むためのものらしい。たしかその時に、これまた家で作ったという果実酒をもらったのだが、それがアルコールがキツいのにも拘らず、何とも言えない美味しさがあった。
帰国後、酒を温めることなく、珈琲を入れたり、牛乳を温めるのに使っている。彼にとっては不本意かも知れないが、温めるに値する酒に出会うまでは待つしかないのだ。
彼(中国名を「盖?基[gai er ji]」)とは、よく一緒に歌を唄った。それは即興の歌で、寮の廊下などで、いきなりセッションが始まる。声量のある彼の声はオペラ風になり、それに私が絡むという感じであった。抑揚のある響きは、衰えることなく続いた。その歌は、どうやって終わったのだろうか?いや、終わってはいない・・・我々は少しも疲れてはいないのだから・・・
彼は歌っているだろう。私も歌っている。何処かで「ドブロウットラ(乾杯)!」したら、また「題名の無い歌」が始まるだろう。