「ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド」という映画を観た。関係者の証言をもとにボブの生涯を描いたドキュメンタリーである。
ボブ・マーリーの名を知ったのは、十八で中国へ留学したとき。その音楽は、ギターの師であるGちゃんの部屋から(昼夜問わず)いつでも流れていた。「変わった音楽だなぁ~」と思っていたが、毎日聴かされていると、さすがに慣れてしまうものだ。
Gちゃんがギターで弾き語る「Redemption Song」や「NO WOMAM, NO CRY」は素晴らしかった。私は(ボブの歌よりも先に)Gちゃんの歌で聴いたので、今でも彼の歌の方がオリジナルのような気がするし、また好きなのである。Gちゃんはどんな歌でも「レゲエ風」に演奏するのが得意で、「翼をください」や「泳げたいやきくん」などは絶品だった。
ところで、ボブの声はどこから出ているのか疑問だった。「喉」から発しているようには聴こえないのだ。映画を観て、ボブは「ジャー(神)」に向かって唄っているのではないかと思った。人は神と対峙したとき、口先だけで話すわけにはいかない。ボブは喉だけでなくカラダの全てを以て、観客だけでなく、全ての存在を含む神に向かって唄っているのだ。
それ以来、朝からボブ・マーリーを聴いている。仕事から帰宅してもボブ・マーリー。ああ、Gちゃんの「ボブ・マーリー中毒」が27年経って発症?したようだ。