世に「抱きしめて」「抱いて」という歌詞はいくらでもあるが、情感の深さで五輪真弓に並ぶものはない。
だから抱きしめて 何も言わずに
別れを告げる その前に
五輪が「抱きしめて」と歌う声の中にはあらゆる感情が含まれている。女は既に男が変わってしまったことを知り、諦めつつも、わずかな可能性をその胸に託す。今まで一度も裏切ったことのない胸ならば、不安を払拭して、いつものように恍惚感をもたらしてくれるはずだ。声が微かに震えているのは、自分に対する愛情が残っているのかを確認しなければならないところまで、愛の形が歪んでしまったことに笑わざるを得ないからだ。
言葉で別れを告げずに、からだで別れを告げてほしい。言葉よりもからだを信じているからだ。一番好きだったその胸に言われたい。涙を止められるものがあるとすれば、言葉ではなく、ただこの胸だけだ。女は男の顔や言葉を忘れても、この胸の存在を決して忘れはしない。
だから抱きしめて 何も言わずに
別れを告げる その前に
五輪が「抱きしめて」と歌う声の中にはあらゆる感情が含まれている。女は既に男が変わってしまったことを知り、諦めつつも、わずかな可能性をその胸に託す。今まで一度も裏切ったことのない胸ならば、不安を払拭して、いつものように恍惚感をもたらしてくれるはずだ。声が微かに震えているのは、自分に対する愛情が残っているのかを確認しなければならないところまで、愛の形が歪んでしまったことに笑わざるを得ないからだ。
言葉で別れを告げずに、からだで別れを告げてほしい。言葉よりもからだを信じているからだ。一番好きだったその胸に言われたい。涙を止められるものがあるとすれば、言葉ではなく、ただこの胸だけだ。女は男の顔や言葉を忘れても、この胸の存在を決して忘れはしない。