今秋、高尾の紅葉は元気がない。例年なら所狭しと木々が盛り上がり、鮮やかさを見せつけるのだが・・・
良く観ると木々たちは、いま出来る姿を現わそうとしている。その素直さを想えば、ココロが動かないわけがない。日が暮れる直前、薄い闇が彼らを覆い、黒と黄色が混じり合う・・・富岡鉄斎の画を想起する。夜は闇の中で、ゆっくり眠ることだろう。
今秋、高尾の紅葉は元気がない。例年なら所狭しと木々が盛り上がり、鮮やかさを見せつけるのだが・・・
良く観ると木々たちは、いま出来る姿を現わそうとしている。その素直さを想えば、ココロが動かないわけがない。日が暮れる直前、薄い闇が彼らを覆い、黒と黄色が混じり合う・・・富岡鉄斎の画を想起する。夜は闇の中で、ゆっくり眠ることだろう。
勾配の急な山道を登っていた時である。ふと脇の木の根元に眼が行った。根と土の間に小さなスペースがあり、その暗い穴の中に何かが居る。丸い二つの眼がじっとこちらを観ている。すぐにはそれが何なのか分からなかった。しゃがみこんで良く観ると、蛙だった。
写真を撮ろうとして携帯電話のカメラを向けると、蛙はそのまま奥へと引っ込んでしまった。蛙が後ずさりするのを初めて観た。
それ以来、その蛙に逢っていない。その木もどこに在ったか、定かでない。枯葉が積もれば穴は隠れてしまうだろう。
私が蛙を観る前から、蛙は私を観ていたのかも知れない。私がその山道で足を滑らせたり、蜘蛛の巣に引っかかったり、鼻歌を歌うのをじっと観ていたのではないか。あの二つの丸い眼で・・・