台風の影響で教室が休みになったので、裏山を歩くことにした。秋の虫が午前中に鳴いているのは、昨晩鳴きそこなったからなのか。夜中からコツコツと何かが壁や窓に当たる音が聴こえていたが、その正体が判った。「どんぐり」だった。風雨と共に降っていた。
黄緑色のどんぐりは、落下するのが予定よりも早まったのかも知れない。
小さな枯れ枝も集まればアートになる。その下は、たった一日で造られた「階段」。誰を通すために・・・いづれも作者は「台風」。
一晩中台風に揺らされ、木々たちは疲れきっていた。普段は誰よりも静かにしている「この枯れ木」が今、水を得て、一番生き生きとしている。
今日、ここへ来なければ、「この枯木」について持っている先入観を変えることは出来なかった。
梅雨になると、体調を崩す人が多いらしい。
しかしこの時期、山道を歩いたり、釣りをしていると、生物たちの活気づいた姿をよく眼にする。植物の種が発芽し、キノコが出てくる。アシナガバチが軒下に巣を作り、スズメバチは山中を飛び回る。ミミズが大きくなり、それを食べようとしてイノシシが土を掘り起こす。カラスが巣を守るために、大声を出して人を威嚇する。川ではヤマメが餌を活発に食べるようになる。・・・
春が生命を起こす時ならば、梅雨は生命力を漲(みなぎ)らせる時である。
人はどうだろう。そういう生命のサイクルに入っているのだろうか。不快だと感じるのは、室内にいるからではなかろうか。外に出て汗でもかけば、気持ちよく過ごせるはずだ。
※「蜂の子」を釣りの餌に使ってみたいと思っていたが、しっかりと守られていて、取るのは難しそうだ・・・
(写真に蝶は映っていません)
黄色い蝶が窓の右から左へ
暫くして左から右へ
梅雨のちょっとした雨の間に
この二日間のことは誰も知らない
観ているモノよりも観られているモノの方が幸せかも知れない
それを意識していなければ
先月、野性の猿が家の裏に現れた。
私と眼が合うと、尻で私を威嚇した。
その後、全く何もなかったように、天を見上げボンヤリする。
数日後、再び現れたヤツを、小窓から撮影した。 木の実?などをポリポリ食べながら、壁を縦横に渡っていった。