蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

スマホを落としただけなのに

2020年02月22日 | 本の感想
スマホを落としただけなのに(志駕晃 宝島社文庫)

稲葉麻美は美人の派遣社員。大手メーカーに勤務する富田から求婚されているが、このまま家庭にはいってしまっていいのか悩んでいる。富田がタクシーにスマホを置き忘れ、それを拾ったのはハッカー並の手際を誇る殺人鬼だった・・・という話。

スマホのセキュリティを軽視していると、とんでもないことになりますよ、ということを訴える情報小説なんだろうなあ、と思って読んでいた。それくらい登場人物のキャラが薄目で、特に主人公の麻美の成り行き任せっぽい軽薄さが目についた。
しかし、終盤でその麻美の性格描写が重要な伏線だったことが明らかにされて、ちゃんとミステリにもなってるなあ、と感心した。
敵役の殺人鬼がもう少し魅力があればもっと面白かったと思う。


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