蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ブルックリン・フォリーズ

2021年01月10日 | 本の感想
ブルックリン・フォリーズ(ポール・オースター 新潮文庫)

主人公ネイサンは長年勤めた保険会社を退職し、妻とは離婚して、ガンの進行を怖れている。老い先短い人生をブルックリンで過ごすことにしてアパートを借りる。ハリーという同性愛者が経営する近所の古本屋に、甥のトムが働いていることを知る。トムは学者になることができず、タクシーの運転手を経て書店員になったのだが・・・という話。

これといった事件が起こるわけではないのだけど、素早いストーリー展開で平凡な男の平凡な話がとても面白く読める。解説によるとポール・オースターの作品の中では、本書は「ユル」くて、喜劇的要素が強いものらしい。なので読みやすいのだろうか。
ジェットコースターのような書店主:ハリーの人生と、(主人公とトムが自動車旅行する途中で立ち寄る宿屋の主人で卓球とポーカーの達人で、一日中芝刈りをしている)スタンリーのキャラがよかった。

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