蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

愛について語るときに我々の語ること

2018年04月28日 | 本の感想
愛について語るときに我々の語ること(レイモンド・カーヴァー 中央公論社)

本書の翻訳者である村上春樹さんが、好きな作家としてよくエッセイなどで紹介しているカーヴァーの短編集。

ミニマリズムと呼ばれる、描写を極力そぎ落として読者の想像をかきたてる手法を得意としているらしく、一読しただけでは作品が意味するところがよくわからないものもある。
そういう側面を考慮してか巻末に村上さんの解題がついていて、これがまたなんとも(本体とは違って)わかりやすく親切な内容で、本体を読んだ後に解題を参照して、「ああそういう作品だったんだ」と感じることもしばしば。

あまり仲がよくない父親にひさしぶりに会う話の「菓子袋」、たまたま殺人現場にいあわせてしまったことで人生がくるってしまう「足もとに流れる深い川」、ブラック・バスの養殖?に取りつかれた男のちん話の「私の父が死んだ三番めの原因」がよかった。

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