蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

タイタン

2021年05月18日 | 本の感想
タイタン (野崎まど 講談社)

2250年、世界のあらゆる事象は、巨大AIタイタンにより支援・管理され、国家はなくなり、人類は「仕事」を行う必要はなくなった。心理学を趣味として研究する内匠成果は、タイタンをコントロールする組織から「仕事」を依頼される。北海道にあるタイタンの一部(地域ごとに担当がわかれていて全世界で12パーツのタイタンがある)であるコイオスが機能不全に陥っており、心理学を応用してコイオスのカウンセリング?を行うことになる。

実体化?したAI(高さ1,000メートルの人型構造物?)が別のAIパーツに人生相談をするために北海道からシリコンバレーまで海岸沿いに歩行して行くという大ボラぶりがSFっぽくてよかった。

「仕事」という概念が消滅した世界において「仕事」の意義を問うというテーマ自体は、SFといっても「SPECULATIVE FICTION」(思弁小説?)に近いような気もした。

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