蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

シャルロットの憂鬱

2019年07月15日 | 本の感想
シャルロットの憂鬱(近藤史恵 光文社)

真澄と浩輔は子供ができず、犬を飼うことにする。警察犬の訓練を受けたジャーマンシェパードをもらってシャルロットと名付ける。シャルロットと真澄の周囲におこるちょっとした事件の謎を解くミステリ短編集。

著者の他の短編シリーズに似てミステリ部分はライトな感じで、犬と飼い主の関係について述べた部分が多くを占める。そしてそういう部分は(他のシリーズ同様)取材が行き届いているのか、著者自身が経験豊富なのか、リアリティが高い。本作では、犬は散歩に連れて行っている人によって他人(もしくは他犬)に対する態度を変える、という指摘には「気づいていなかったけど、確かにそうかも」と思わされた。

そんな中で、やや現実離れしているなあ、と思えたのは浩輔の態度。あまりにも理想的な夫すぎること。こんな出来すぎな男いないよ。
もしかして最後に、この話はすべて真澄の妄想でした・・・というオチがあるのでは、と思うくらいに。

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