薄情(絲山秋子 河出文庫)
宇田川市静生は、神主をしている叔父の後継ぎ。
しじゅう神社の仕事があるわけではないので、夏は軽井沢でキャベツの収穫のバイトをしている。
近所の芸術家の工房でそこを訪れる人たちとの交流を楽しんでいたが、高校の後輩の女の子が離婚して地元へ帰って来てから彼女のことが気になりだし・・・という話。
なぜだか理由はよくわからないのだけど、私は神主というか神社の管理人みたいなのにあこがれがあって、世捨て人みたいな雰囲気をまとって、神社の中を箒で落ち葉をはいて一日が過ぎる・・・そんな人生がいいなあ、と思っている。
もちろん、それでは食っていけないのだが、親から相続した株式の配当があって経済的には余裕があり、気まぐれに近所の子供に勉強を教えていたら妙にできるようになり、評判がたって塾みたいになって・・・なんて妄想は続く。
著者は、とにかく群馬・高崎あたりの地域を愛しているようで、本書からもそれは感じられる。
本書の紹介文には「「地方」が持つ徹底した厳しさ」が描いてあるみたいなことが書いてあったが、あまりそういう面は感じられず、昔のようなしがらみにがんじがらめということもなく、人間関係はむしろ淡泊で、都会のギスギス感はなくて、暮らしやすいところ・・・なんて印象だった。
宇田川市静生は、神主をしている叔父の後継ぎ。
しじゅう神社の仕事があるわけではないので、夏は軽井沢でキャベツの収穫のバイトをしている。
近所の芸術家の工房でそこを訪れる人たちとの交流を楽しんでいたが、高校の後輩の女の子が離婚して地元へ帰って来てから彼女のことが気になりだし・・・という話。
なぜだか理由はよくわからないのだけど、私は神主というか神社の管理人みたいなのにあこがれがあって、世捨て人みたいな雰囲気をまとって、神社の中を箒で落ち葉をはいて一日が過ぎる・・・そんな人生がいいなあ、と思っている。
もちろん、それでは食っていけないのだが、親から相続した株式の配当があって経済的には余裕があり、気まぐれに近所の子供に勉強を教えていたら妙にできるようになり、評判がたって塾みたいになって・・・なんて妄想は続く。
著者は、とにかく群馬・高崎あたりの地域を愛しているようで、本書からもそれは感じられる。
本書の紹介文には「「地方」が持つ徹底した厳しさ」が描いてあるみたいなことが書いてあったが、あまりそういう面は感じられず、昔のようなしがらみにがんじがらめということもなく、人間関係はむしろ淡泊で、都会のギスギス感はなくて、暮らしやすいところ・・・なんて印象だった。