傷だらけの店長(伊達雅彦 新潮文庫)
私の勤める場所の近くに大手チェーンの書店があった。
小型店くらいの規模だったが、ある時から、本の整理がとても悪くなって、店全体が乱雑な感じになってしまった。
きつめのパーマをかけた長髪の店長らしき人がいつもため息つきながら、本の出し入れをしていた。
原因は、わからなかったが、本屋さんも大変なんだなあ、と思った。
もっとも、店長が変わったら途端に(むしろ普通の店より)きれいな店になったので、元の店長の手際が悪いだけだったのかもしれない。
本書は、チェーン店なんだけど大型ナショナルチェーンほどの規模はない書店の店長の経験(というか、主にボヤキ)を書いた本。
人手不足で、開店前数時間前に店にはいり、終電ぎりぎりまで頑張ってもまだ仕事は終わらない。2日続けて休めることはめったになく、休みの日も店から電話がかかってくる。そのくせ、給料は同級生がびっくりするほど安い。
でも、そんな忙しい日々はむしろ幸せな時期だった。最寄りの駅のそばに大型書店がオープンして売り上げは激減。やがて閉店を余儀なくされてしまう・・・みたいな読んでて気の毒になるというか、暗い気持ちになる内容だった。
問題提起のつもりで辛いエピソードを集めたのかもしれないが、書店員のやりがいとか、喜びを語る部分(そういう体験もたくさんありそうな様子は伺われたので)を増やしてほしかった。
本屋さんって昔から薄利の商売として有名なんだけど、一方、出版社とか卸の会社は給料が高いことで知られているのは、なんでなんだろう?
流通構造の問題なのか、過当競争(実際、私自身もそうなんだけど、今のように電子書籍とかアマゾ○が一般的になるまでは、「いつかは書店をやってみたい」とぼんやり思っていた本好きの人って多いんじゃなかろうか)なのか・・・どうも、本書を読んでいると(書店を守っているはずの)再販制がむしろ大きな原因のような気がした。
私の勤める場所の近くに大手チェーンの書店があった。
小型店くらいの規模だったが、ある時から、本の整理がとても悪くなって、店全体が乱雑な感じになってしまった。
きつめのパーマをかけた長髪の店長らしき人がいつもため息つきながら、本の出し入れをしていた。
原因は、わからなかったが、本屋さんも大変なんだなあ、と思った。
もっとも、店長が変わったら途端に(むしろ普通の店より)きれいな店になったので、元の店長の手際が悪いだけだったのかもしれない。
本書は、チェーン店なんだけど大型ナショナルチェーンほどの規模はない書店の店長の経験(というか、主にボヤキ)を書いた本。
人手不足で、開店前数時間前に店にはいり、終電ぎりぎりまで頑張ってもまだ仕事は終わらない。2日続けて休めることはめったになく、休みの日も店から電話がかかってくる。そのくせ、給料は同級生がびっくりするほど安い。
でも、そんな忙しい日々はむしろ幸せな時期だった。最寄りの駅のそばに大型書店がオープンして売り上げは激減。やがて閉店を余儀なくされてしまう・・・みたいな読んでて気の毒になるというか、暗い気持ちになる内容だった。
問題提起のつもりで辛いエピソードを集めたのかもしれないが、書店員のやりがいとか、喜びを語る部分(そういう体験もたくさんありそうな様子は伺われたので)を増やしてほしかった。
本屋さんって昔から薄利の商売として有名なんだけど、一方、出版社とか卸の会社は給料が高いことで知られているのは、なんでなんだろう?
流通構造の問題なのか、過当競争(実際、私自身もそうなんだけど、今のように電子書籍とかアマゾ○が一般的になるまでは、「いつかは書店をやってみたい」とぼんやり思っていた本好きの人って多いんじゃなかろうか)なのか・・・どうも、本書を読んでいると(書店を守っているはずの)再販制がむしろ大きな原因のような気がした。