降霊会の夜(浅田次郎 朝日新聞出版社)
「当り屋」という商売?を私が知ったのは、少年ジャンプに連載されていた「リングにかけろ」(途中で暴走?して「聖闘士星矢」につながるファンタジー?になってしまう作品なのだが、はじめのうちは普通のボクシング漫画)だった。この中で主人公のライバルの貧しい少年が、昔父親に当り屋をやらされており、そのせいでグラスジョーになってしまった、という話があった(と思う)。
本書の前半も、父親に当り屋を無理強いされている少年の話で、お涙ちょうだいの浅田節全開で、まあ、確かに泣かせる。
後半は、著者の作品でよく見る、戦後の東京山の手の裕福な家に育った学生たちの話。
主人公の幼なじみで、主人公に片思いしている女の子が、主人公への思いがかなわず、他の男の子ができて堕胎し・・・という筋で、こちらもどこかで読んだような話だった。
著者:浅田次郎さんが執筆する日経新聞連載「黒書院の六兵衛」、まもなく終わろうとしているが、依然として六兵衛の正体は明かされない。どうもこのまま謎解きはなしで終わりそうだ。ここまで引っ張ってもそれなりに読ませるというのもすごいとは思うが、どう見ても短編ネタで、これほど長くする必然性は(今のところ)感じられない。
本書も、2つの話ともせいぜい50ページくらいの短編ネタだと思う。著者のストーリーテリング能力は確かにすごくて、それでも楽しく読める(だから、もし本書が例えば新人の作品だったら「すごい」と思えるかもしれないい)が、六兵衛の件もあって、まあ、ちょっとネタ切れなんですかね、と思えなくもない。
「当り屋」という商売?を私が知ったのは、少年ジャンプに連載されていた「リングにかけろ」(途中で暴走?して「聖闘士星矢」につながるファンタジー?になってしまう作品なのだが、はじめのうちは普通のボクシング漫画)だった。この中で主人公のライバルの貧しい少年が、昔父親に当り屋をやらされており、そのせいでグラスジョーになってしまった、という話があった(と思う)。
本書の前半も、父親に当り屋を無理強いされている少年の話で、お涙ちょうだいの浅田節全開で、まあ、確かに泣かせる。
後半は、著者の作品でよく見る、戦後の東京山の手の裕福な家に育った学生たちの話。
主人公の幼なじみで、主人公に片思いしている女の子が、主人公への思いがかなわず、他の男の子ができて堕胎し・・・という筋で、こちらもどこかで読んだような話だった。
著者:浅田次郎さんが執筆する日経新聞連載「黒書院の六兵衛」、まもなく終わろうとしているが、依然として六兵衛の正体は明かされない。どうもこのまま謎解きはなしで終わりそうだ。ここまで引っ張ってもそれなりに読ませるというのもすごいとは思うが、どう見ても短編ネタで、これほど長くする必然性は(今のところ)感じられない。
本書も、2つの話ともせいぜい50ページくらいの短編ネタだと思う。著者のストーリーテリング能力は確かにすごくて、それでも楽しく読める(だから、もし本書が例えば新人の作品だったら「すごい」と思えるかもしれないい)が、六兵衛の件もあって、まあ、ちょっとネタ切れなんですかね、と思えなくもない。