穴にハマったアリスたち

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感想:映画 プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち

2014年03月15日 | プリキュア映画シリーズ
この映画を見るために、これまでプリキュアを見てきたのかもな、と割と本気で思った。

■映画 プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち

舞台は妖精学校。NS2の戦犯・エンエンとグレルは、今日もお勉強に励んでいました。
かつて世界を壊滅させかけた罪も償い、品行方正に「プリキュアのパートナーになる」の夢を目指して頑張っています。
その努力を認められ、新しいプリキュア「ハピネスチャージ」の取材を言いつけられました。
戦地の最前線での取材です。油断したら命がない。栄光と恐怖に身が引き締まる。

そこで二匹は、馴染みのドキドキチームを訪ねることに。
いきなりハピネスチャージチームを探すのではなく、プリキュアの応援を求めるところが賢いですね。
最前線に行くんです。護衛がいなきゃ無理だ。

幸いにしてドキドキ妖精はハピネス妖精と知り合いだったようで。
とんとん拍子に話が進み、ハピネスチームと落ち合うことになりました。
だけど約束の時間を過ぎても彼女たちはやってこない。

折しも街は謎の奇病の話題で持ち切り。
そこにようやくやってきたドキドキ生物が言うには、ハピネスさんもこの眠り続ける謎の病にかかってしまったそうです。
ハピネスチーム、戦わずしていきなり敗れる。

不甲斐ないとか何とか以前に、これが本当にプリキュアなのか。
あられもない姿で(主に姫さんのせいです)眠り続ける愛乃さんを見ながら、ドキドキさんらはしばし呆然。
とはいえ見捨てるわけにもいきません。神を名乗る謎の生き物の力を借りて、彼女の夢の中に乗り込んでみました。

辿り着いた先は、それはそれは楽しい夢の世界。
お目当ての愛乃さんも無邪気に遊びまくっていました。うん、これは良い世界だ。
そして遊び回る子供たちに混ざって、謎の生き物の姿が。

グレルらが言うには、彼の名前はユメタ。悪夢を食べるバクの妖精だそうです。
諸々の情報を総合するに、子供の見た悪夢をバクが捕食⇒そのまま子供たちを夢の世界へ⇒現実の子供たちは眠り続ける…という流れのようです。
よし、敵はあのバクか。殴ろう。

しかしながらドキドキさんの殺気に反応したか、突如風景が切り替わる。
楽しい楽しい夢の世界の、ほんの外側にある荒涼とした絶望の世界。そこに現れたのはバクの成体・ユメタのお母さん。
曰く、子のユメタくんを幸せにするために、子供たちを連れて来たとのこと。
どんなに楽しく夢の世界で遊んでも、目が覚めたら忘れられてしまい、そのたびにユメタ君は涙する。だから子供たちをずっと夢の世界に閉じ込めた。
従ってこの夢を破壊しようとするドキドキさんは許せない。即刻、お帰り願おう。

もちろんそこで引き下がる相田さんらではない。
こうして交渉は決裂し、武力行使が実行されました。
身構えるドキドキチームに対し、バクはこれまで捕えてきた悪夢を解放し、けしかけます。

悪夢。すなわちナイトメア。
否応なしにプリキュア史上に残る最悪の敵、あのブラック企業が思い起こされます。
絶望の権化たるその悪夢に、ドキドキさんらは果敢に立ち向かいます。恐ろしいまでの戦闘力で。

姫さん:
 「……これは私らの出番はないな」

もはや変身しない方がマシです。足手まといになるだけだ。。

だけど楽観視するハピネスさんをよそに、嫌な空気が漂い始める。
恐ろしいまでの戦闘力で悪夢を圧倒するドキドキさんですが、どういうわけか決着がつかない。
どうにかこうにか蒸発させましたが、すぐに復活・再生してきました。

バク親:
 「悪夢を消せるのは、バクの力だけ」

ここは夢の世界。プリキュアさんの力は、通用しない。

こうしてドキドキ&ハピネス組は追い払われてしまいました。無念。
でも私たちにはまだ仲間がいる!
相田さんは即座に次の策を立てました。よし、他のプリキュアにも連絡するよ!!

エンエン&グレル:
 「え…」
 「ま、待ってくれ!」
 「プリキュア皆でユメタをやっつけるのか…!?」

魂からの悲鳴が木霊します。
かつてオールスターズを敵に回した男だからこその言葉の重みです。
頼む、許してくれ。あいつは友達なんだ!

この嘆願に相田さんは鷹揚にうなづきます。
うん、とりあえず話をするだけだよ。
その後どうするかは、まぁユメタくんの出方次第ってことで。

神様:
 「今日はもう遅い」
 「明日、皆で夢の世界に行こう」

…え?

まさかの神様の発言に、一同は深く考えず、本日は解散されました。
いや、それはまずいだろう。
夢を操る敵を相手に、一晩待ってから攻め込む???

バク親:
 「おやすみなさい、プリキュア」
 「永遠に、夢の世界で」

案の定。
眠りにつくプリキュアの皆々様は夜襲を受け、敵の存在に気付く間もなく夢に捕らわれてしまいました。
相田さんの大失策。なんてことしてくれたんだ神様。

こうして大幅な戦力ダウンの中、唯一残ったハピネス組だけで夢の世界に乗り込むことに。
幸か不幸か、彼女たちはまだプリキュアと認知されておらず、難を逃れたようです。
昨日の戦いで変身しなくて良かったですね。

とはいえそこは経験の浅い新人さん。すぐに敵に捕捉され、交戦することに。
唸れプリチェンミラー!
今こそ降臨、ハピネスチャージ・プリキュア!!

 (中略)

戦いに負けたハピネスさんは虜囚の身となりました。
エンエンとグレルの視線が痛いです。
まぁこういうプリキュアもいる。これが現実だ。

そこにユメタくんがやってくる。
呼びかけるエンエン&グレル。だけどユメタくんは頭を振る。
彼も分かってる。母のやってることが間違っていると。
でも現実は怖いんです。立派なバクになろうと悪夢に立ち向かい、そして敗れた過去がフラッシュバックする。
こんなに怖いんだから、楽しい夢の世界にずっといればいいじゃないか。

夢に捕えられたプリキュアさん達も幸せいっぱい。
夢原さんは教師になった。桃園さんはダンスコンテストで優勝した。
実家のパン屋は大盛況で、ピアノだって超満員。嗚呼、こたつも暖かい。

だけど、彼女たちはやがて気づく。これが夢の世界であると。

夢原先生:
 「これは先生の実力ではありません。都合の良い夢ですね」
 「素敵な夢をありがとう」
 「夢はただ叶えばいいのではありません」
 「なりたい自分になるために、先生はもっともっと頑張ります」

最初に突破口を開いたのは、ナイトメアハンターたる夢原さんでした。
続いて「5」の面々が夢の幻影に立ち向かっていく。
当然だ。だってそれこそがまさに、プリキュア5の戦いだったんだから。

続いて「スマイル」さんらも目を覚ましていく。メルヘンと現実は違うし、メルヘンを現実にするのは自分たちだと自覚している娘さんなんだから。
他の皆様も、それぞれがそれぞれの理屈に基づいて悪夢から目覚めていきます。
桃園さんは「失敗してもやり直せる」と。北条さんは「みんなでハーモニーを響かせよう」と。
そして我らの美翔さん。とんでもない破り方をしやがった。
あまりにとんでもないので、とりあえず後述。

こうして続々と夢から脱出しようとするプリキュア娘を見て、ユメタくんも呆然。
そこに帰ってきたバク母。最愛の息子をたぶらかす娘っ子に大激怒。
うちの息子に何を吹き込んだ…!!

たちまち召喚された悪夢に対し、愛乃さんらは変身能力を起動。
お待たせしました!これからハピネスさんの格好いい大活躍が始まるよ!
ですが、相手は恐怖の悪夢ども。これまで単体でも大苦戦していたのに、それが群れを成して襲ってきた。

他のプリキュアは壊滅。こちらの技は通用しない。その上、敵は大量に襲ってくる。
まさしく「ハピネス」さんのサイアークとの戦いを髣髴するような、絶望を絵に描いたかのような状況。
ラブリーさんらは奮闘します。でもこれは無理だ。なんといっても、プリキュアの力が通用しないんだから。

そこで発動するミラクルライト。夢の檻を破ろうとするプリキュアさんらを手助けし、彼女らを見事召喚します。
戦地に駆け付けた一同は、それはそれはとんでもない勢いで悪夢に応戦します。
強いです。素敵です。格好いいです。でもどうしてだろう。全く勝てる気がしないのは。

プリキュアさん:
 「私たちの力では、浄化できない…?」
 「まさしく悪夢ね」

吐き気をもよおすほどの絶望。
楽園を守るべく、周囲の荒涼とした大地で溢れ出る悪夢とプリキュアさんたちは戦う。
でもプリキュアさんでは通用しない。ミラクルライトすらも決定打にならない。
悪夢を倒せるのはバクの力だけ。
楽しい夢に浸っていた「彼」が戦わなければ、この悪夢は払えない。

この展開は、あまりにも残酷だ。私たちの頼るプリキュアさんが通用しないんです。
そして彼女たちは、『こちらを見て』語り掛ける。楽しいだけの夢に耽っていても駄目だと。
各シリーズの様々な文法で、『こちらを見て』戦うことを訴える。夢から抜け出して、現実に立ち向かえと。
そしてプリキュアでも、ミラクルライトでもない、謎の第三の力「バクの能力」が必要だと訴える。

「夢の世界」=「プリキュア」からのダイレクトなメッセージ。
バクの力、すなわち私らの固有の何がしかの力を発揮しないと、この悪夢は突破できない。
この楽しい楽しい夢の世界「プリキュア」に埋没していても先に進めないんだ。

ユメタくん:
 「怖い。でもプリキュアがいる」
 「友達もいる」
 「僕は、一人じゃない」

現実は過酷だ。目が覚めたら夢を忘れてしまうように、大人になったら「プリキュア」のことだって忘れてしまうかもしれない。
でもそこから伝えられた愛と勇気は忘れないで。
私たちの背中には、プリキュアさんたちがついている。私たちは、一人じゃない。

戦うプリキュアさんらの姿を見て、ユメタくんも戦うことを決意。
疲労で倒れた母の後を継ぎ、暴走状態に陥った悪夢の群れに挑みます。
戦う少年の気持ちに、プリキュアさんとミラクルライトが応え、悪夢を打ち砕いていく。

でもそれでも悪夢は終わらない。プリキュアさんを隔離し、合体・巨大化して襲い掛かります。
プリキュア能力だけでは倒せない以上、この状況は詰んでいる。
そこに唐突に光が差し込むと、謎の娘さんがやってきました。

???:
 「私は坂上あゆみ。プリキュアよ」

うん、嘘は言ってないよね。例えるなら「ゼットンは私が倒した」的な。いや、あれは完全に嘘か。
って、ああ何かエンエンとグレルがキラキラした目をして坂上さん見てる。
なんか「俺たちのプリキュアだ」とか言ってますよ。大丈夫か坂上さん。後で誇大広告とかで訴えられないか、これ。

何やらよく分からない内に降臨したエコーさんにより、想いが届けられ、とりあえずプリキュアさんは窮地を脱しました。
便利ですねエコーさん。要するに通信機器ですね。
分断作戦とかされても、エコーさんがいれば大丈夫。

いよいよ追い詰められた悪夢たちは、最後の力で再度合体。
今度は巨大なタコの姿になります。
ただでさえデカくて強い上に、生半可な手段では浄化できない強敵です。
こういう時、役に立つのが美翔さんですね。彼女たちは射出&結界型の浄化技を持っていますから。
他のプリキュアさんも心得たもので、敵さんを引き付けては隙を作り出します。さあ、止めを刺すんだキュアイーグレット!

日向さん&鳥:
 「プリキュア・ツインストリー…」

…?

一瞬の間の後、周囲が凍り付く。
ちょっと待って、美翔さん!
貴女、なんでスパイラルリング装着してないの!?

日向さん&鳥:
 「ツインストリーム・スプラッシュ!!」

この正念場で、まさかの初期技ですか。
何考えてるんだかさっぱりわかりませんが、案の定あっさりと破られました。
そして当然の如くカウンター。

鳥:
 「ゎきゃー!」

そのまま他のプリキュアさんたちも捕縛されてしまいました。
何を…、やってるんだ…、美翔さん…。。
最後の出番になるかもしれないこの大一番で、美翔さんはやっぱり美翔さんだった。

そんな大失態はあったものの、とりあえず大型悪夢を押さえつけ、最後はハピネスさんの天に還れ技で浄化。
なんだかチラリと謎の黄色い生物が見えましたが、なんだかよく分からないので見なかったことにしよう。
こうして恐るべき悪夢は粉砕されました。まさしく総力戦だった…。

戦いが終わり、プリキュアさんたちは元の現実へ。
眠っていた子供たちも帰っていきます。
夢の世界は安心で楽しいけれど、私たちにはそれぞれの現実があるのだから。

そしてユメタくんも、夢の世界で頑張ります。たとえ目覚めた人たちが、自分のことを忘れてしまおうとも。
そんな彼に、エンエン&グレルは約束する。夢の世界を守るユメタのことを、プリキュア教科書に書くと。
楽しい夢から覚めたとしても、私たちは永遠のともだちだ。


(左画像)
プリキュア~永遠のともだち~(2014ver.)

(右画像)
映画プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち オリジナル・サウンドトラック

Twitterアカウント:http://twitter.com/RubyGillis


時間はいつもと変わらないはずなのに、いつも以上に密度が濃かった気がする。
トリックとしては、場転や視点移動がほとんどなく、同じところで戦って時間のロスを防いだことでしょうか。
普通だと平坦な展開になってしまうところですが、人数が多いこともあってそうは感じませんでした。むしろ「多すぎる」ことを上手く利用した印象。

【今年のオールスターズ】

「NS1」が自分との戦い、「NS2」が道を間違えた友との戦い、そして「NS3」は誤った母の愛が敵。
「母」という時点で嫌でも「制作者」を連想します。
楽しい夢を提供するバク母は、楽しい「プリキュア」を提供する制作サイドに諸に被る。

夢から覚めたら、夢のことは忘れてしまう。
成長すると共に、やがてプリキュアからも卒業していくだろう。
歴代メンバーで唄う、ED「プリキュアメモリ」の歌詞が染み渡ります。

プリキュアさん:
 『いつか大人になった時も』
 『忘れないでね、愛と勇気』

 『MaxHeartでSplashStar』
 『Yes!フレッシュGoGo』
 『ハートキャッチよ スイートな』
 『スマイル!ドキドキ!』
 『ハピネスチャージ』

例年、春映画はその年のシリーズの予告編のような位置にあります。
その流れでいえば、今年の「ハピネス」さんのテーマは、つまりはそういうことなのでしょう。
劇中の愛乃さんらの立ち位置は、テレビ本編と酷似していますし。

来年度以降もプリキュアさんがあるのかどうかは定かではありません。
ですが、物語としては一つの節目を迎えたなと思います。
これまでの10年が、ここで一つ終わる。

【全員がプリキュア】

ドキドキさんだけでは勝てない⇒オールスターズを呼ぼう。
オールスターズでも勝てない⇒最新のハピネスさん登場。
ハピネスさん弱すぎ⇒オールスターズ降臨。
オールスターズでもやっぱり勝てない⇒エコーさん再臨。
それでもやっぱり勝てない⇒ハニーさんも追加だ!

という、プリキュア教科書を超えまくる援軍の連打が熱かったです。
もはやプリキュアになるなんて当たり前。私たちは誰だってプリキュアになれる。
そして今や、なった後どうするのかのフェーズだ。

【今年の暴虐】

同系統の技持ちの連携が目立ちました。
桃園さんと北条さんのロッドつながりは、ちょっと予想外だった。
言われてみれば武器タイプが同じなのか。

原点たる「DX1」の決戦のオマージュらしき戦闘も良かった。
地面をぶん殴るミルクさん。大砲発射するSS。
まぁ後者はおかげで危機に陥ったのですけれど。

【未来のともだち】

OPの最後のカットで、唐突にエコーさんが中央にいる集合写真が出てくる。それを見て、良く分からない内に涙が出た。
その後、病院で眠り続ける子供たちの描写で察して、本編でエコーさんが合流していく下りで泣けた理由に納得しました。
エコーさんがオールスターズに混ざっているのは、夢に埋没していた状況を抜け出して、あの領域に達したからなんだな。
「誰だってプリキュアになれる」と宣言したシリーズのプリキュアさんが成長し、2年後にここにまで来たんだ。
「同時間軸に存在する別のプリキュア」という、非常に特殊な立ち位置のエコーさんだからこその感慨ですね。

【対ナイトメア】

プリキュアさんたちが見た夢の世界。
夢に突っ込むのも野暮ですが、なんだかおかしな人たちがいるのも事実。

花咲さんはなんでヒマワリの面倒なんて見てるんでしょうか。
この娘、宇宙飛行士になりたいって言ってたのに。
いくら「他人の事情は分からない」が売りのハートキャッチさんとはいえ、唐突に夢を変更されても困るんですよ。

桃園さんの夢はダンスコンテストで優勝すること。
それはいいんですが、横にいる蒼い人っぽい生き物は誰でしょうか。
蒼い人は「モデルになる」という夢を見ていたようなので、桃園さんの夢に出ていたのは別の何かですね。
ブッキーさんっぽい生き物も同様。

見落としたのかもしれませんが、九条さんの夢は出てこなかったような?
一応あれでも光のクイーンなので、夢の世界では巨大化して園を治めてるはず。前提知識ない人が見たら意味不明の光景ですね。
これで普通にたこ焼き焼いてる夢見てたら、それはそれで意味不明ですが。

また、夢のシーンではこれまでに登場した様々な人たちがちらほらと。
ドロドロンさんも念願かなって遂に出演を果たされました。
これでフィフスエレメントは全員オールスターズに参加ですね。

【最速上映】

今年もTジョイ大泉様で、最速上映に参加してきました。
いつもありがとうございます、Tジョイ様。
展示品や開始前の挨拶、半券に記載された「ありがとう」のメッセージ等々、端々から愛が伝わってきます。

上映中は、場面場面で笑い声も上がり、終始穏やかに賑やかな感じでした。盗撮防止のカウントダウンも元気よく、上映後は自然と拍手に満ちていた。
ただ今回の映画は、笑うところか泣くところか、判断に悩む場面が多かった気も。
とりあえず月光&エースさんに戦いを挑む場面では、笑いながら泣きましたが。恐怖で。

【今年の美翔さん】

夢から目覚める順番は、それぞれのシリーズのテーマとの親和性にも依存してるように見えました。
最初に破ったのが夢原さんだったりとか。
そんな中、SSチームたる美翔さんはかなり早い段階で、夢から覚めました。

SSのテーマは「全てのものに命は宿る」。このテーマでは夢を破る動機は薄いです。
まぁ「NSシリーズ3作で全キャラ喋らせる」方針だとのことでしたので、数合わせかな…と一瞬思ったのですが。
直後、彼女が夢の中で絵を描いていたことに思い至って震えました。

美翔さん:
 「自分の夢は、自分の力で描きたい」

美翔さんにとって、完璧な絵を描くことは夢ではない。

それはSS本編で否定された、マイナスの要素です。(以前に書いた記事)
つまり「湖のそばで、一人で絵を描き続ける」というあの夢は、美翔さんにとって既に卒業した悪夢なんです。
それは破って当然だ。
全く持って今の今まで想像だにしませんでしたが、美翔さんには悪夢攻撃が通用しないんだ。
彼女は人知れず、そこを既に突破してるんだから。

更に言えば「楽しい夢=プリキュア」とするならば、「一人で絵を描く美翔さん」は「一人でプリキュアに没頭する私たち」そのもの。
ということはSSは、架空世界にのめりこむ私たちが、命宿る周囲の自然に気付き、他者との関係を築く物語だと再解釈できます。
まさか番組終了後から7年が経過した今になって、SSの新しい発見があるとは。何なんだこの映画は。

これは「美翔さんにも台詞があった」とかそんな次元の話ではない。
実際のところ、台詞があったのは順番に従っただけのことだとは思います。
が、ここでの使われ方は秀逸すぎる。
「NS1」での見せ場も凄いものがありましたが、今回の「NS3」もまたとんでもない。
割と真剣に「オールスターズシリーズで最も優遇されているのはSSだ」と言いたい気分。

元から「NS」シリーズは3部作構想だったそうですが、それぞれできっちりと意味のある出番を用意してくれたのが心底嬉しいです。

【追記:日向さん】

同様のことは日向さんにも言えそう。

日向さん:
 「おかしい。失敗したパンが一つもない」
 「毎日お客さんもたくさん来てくれる」
 「嬉しいけど、何か変」

彼女の口癖は「絶好調なり」なのに、「絶好調すぎる」ことに異常を感じ取っておられる。
mktnの「アタシ完璧」が、完璧でないからこそ自分を奮い立たせるために言っていることは有名ですが、もしや「絶好調なり」もそういう意図があったのかも。
SS本編では特に描写はされていなかったけれども、状況が苦しいからこそ「絶好調なり」と叫んでいたのかもしれません。
ほら、たとえば「チクタク」でどう考えても絶好調じゃないのに、絶好調と言ってみたりとか。
横で聞いてた人にとっては軽くイラつきますけどね。何せ美翔さんがキレるレベル。

【追記:菱川さん】

相田さんと愛乃さんが合流し、ユメタくんと遭遇したシーン。
心なしか菱川さんの目線が、ユメタくんではなく、横にいる相田さんと愛乃さんに向いているように見えます。
何らかの嫉妬的なものだろうか。

また今回の戦闘ではなかなかに豪快な肉弾戦を披露。
あの子、地味に性格が好戦的ですよね。
言葉づかいも、青キュアにしては結構激しい。島で亀ドラゴンと戦った時の「どうよ」とか。

【追記:レモネ】

OPではいそいそと集合写真の撮影役をしてるのが、大変にレモネだと思いました。
小学生二人はそういうのしそうにないし、先輩へのポイント稼ぎに率先してやったんでしょう。
もう一人の中学1年生の九条さんも気配りしそうですけど、レモネの方が機動力で優ったんだ。

ピースさんとの共闘シーンでは、お互いに似た行動をしています、が。
バリアを潜り抜けたミサイル群に対し、わたわたしていたピースさんに対し、レモネは迎撃の態勢をとっていますね。
結果的に技を繰り出すことはありませんでしたが、細かいところで違いが出た感じ。

【追記:美翔さん】

夢から目覚めるシーン、本編と同じく寝癖が。
上北さんのコミックスのコメントによれば、「(本編の寝起きシーンで変な髪型になっていたので)普段の髪型で癖がついてるのかと思って確認したら、『ただの寝癖です』との回答があった」とのこと。
テレビ本編に引き続き、銀幕でまで恥をさらす羽目になるとは…。

【追記:ドキドキ】

プリキュアさんが夢の世界に捕えられた後、愛乃さんは迷わず「じゃあ本当に喜んでいるか見てみよう」とおっしゃった。
愛乃さんは他のプリキュアさんと直接の交流はありません。おそらく具体的にどうやって彼女らが夢を破るかなんて、思いつきもしなかったでしょう。
ですが憧れのプリキュアたちなら、ここで終わるわけがないと思ったに違いない。
これ、愛乃さんがプリキュア好きだからというのもあるでしょうけれど、前作「ドキドキ」の「君を信じる。ために戦う」の継承なのかなとも思いました。

一方、一度敗北した相田さんが、すぐに「助けを呼ぼう」と考えたのは良いな。
トランプ王国陥落時のソードさんの教訓が生きている。
リソースの追加は大事だ。

【追記:オールスターズ】

以前の「DX3」の時は、仲良しのパートナー以外とはパニックに陥っていたのに、今回はしっかり連携していたところに成長を感じました。
黒キュアさんの指示も相変わらず適当ですが、ちゃんと皆分かって動いてるんですよね。
あの時に見られなかったシリーズ間交流を、ようやくたっぷり見られた気分。

【追記:緑川さん】

彼女の夢だけ、見た目は現実世界とさして変わらず。

緑川さんが見ていたのは、「家族とずっと一緒に過ごす夢」だったのかなと思います。
スマイル本編で「家族はいつかいなくなる」(そして一番最初に去っていくのは、長女である自分だろうから、最初に家族を「壊す」のは自分である)は、緑川さんの個人回の総決算。
おそらく「いつまでも成長しない自分たち」で、「これは夢だ」と気づいたんだろうな。

【追記:ミューズさん・ミルクさん】

今回のテーマと最も相性が悪かったと思われる娘さん。
ミューズさんもある意味で親離れを扱っていましたが、方向性ががらりと違うので、下手に前面に出ると複雑なことになりそう。

同様にミルクさんも難しかった気が。
彼女の夢は「GoGo」ラストを見る限り、お世話役を極めるというよりも、パルミエやローズガーデンの橋渡しをするような方向に自立しつつあるように見えます。
よって夢の中で「ココナツにお仕えする」だと疑問がわくし、かといっていきなり違うことやっても理解が追い付かない。どちらのパターンでも厳しかったのかなと。

【追記:桃園さん】

長くなったので別記事で。

【追記:ハートキャッチ】

こちらも長くなったので別記事で。

【追記:星空さん】

また長くなったので別記事で。

【追記:ユメタくん】

これも別記事で。

【追記:MaxHeart】

別記事に分けました。

【追記:スイート】

別記事に。

【追記:エンディング】

後ろで街の人たちも思い思いに踊ってるのが凄い。ここまではっきりと描いたのは、何気に初の試みじゃないか。

また一番最後では「ありがとう」と大人の声が。
「ハートキャッチ」前期OPもそうでしたが、あれはスタッフ様であり、私たちでしょう。
本当に、心からの「ありがとう」を言いたい。

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