老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

強制起訴への不正工作(不適正手続き)

2012-02-19 10:05:31 | 東北地震
新聞各紙は17日の小沢裁判の公判で検察官調書がことごとく証拠として不採用になったことを、「小沢有罪の有力な証拠が消えた」と報じている。さらに産経ニュースは、この裁判の争点を『(1)検審の起訴議決に基づく起訴の適法性(2)虚偽記載の有無(3)元秘書との共謀の有無-の3点。』と報じている。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120217/trl12021711410005-n1.htm

今回の小沢裁判について、検察が不起訴にした案件を某市民団体が検察審査会に不当と申し立て、審査会が「検察の不起訴は不当」と二度議決したことにより、指定弁護士が強制起訴した経緯は周知のとうりである。しかし多くの新聞やNHKの論調は、「小沢有罪の有力な証拠が消えた」と、上記争点の(2)(3)に対してのみの内容であり、肝腎要の(1)に対する言及がない。これまでの公判で(1)の争点がどのように審理されたのか定かでないが、各メディアはまるで「検審の起訴議決に基づく起訴の適法性」に何も問題は無いかのように無関心な様子である。

(1)の争点が重要なのは、憲法第31条が、人の生命や自由を奪い、また刑罰を科すには、「適正な手続き」が必要なことを保障しているからである。

第31条 [法定の手続の保障] 
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

その上に立って小沢裁判の公判を見てみると、石川被告を取り調べた検事の調査報告書には一部虚偽の内容が記載され、それが検察審査会に提出され、審査員の強制起訴の動機付けになった可能性が報じられているのである。

事実2月18日の朝日新聞には、検察審査会で法的アドバイスをする審査補助員を努めた吉田茂美弁護士が、「市民は検察が出してきた資料に基づいて審査するしかない。検事の取り調べまで検証しようがない」と語ったことが掲載されている。この談話は弁護士でも検察官に騙されたとの証左であり、何よりも法律に疎い審査員(市民)を強制起訴に誘導するために検察官が調査報告書に不正な工作をしたと見なされてもやむを得ないであろう。さらに当検察審査会では強制起訴には2回の議決が必要とされているにも拘わらず、ある事項については1回の議決しかされていないことも報じられている。

さらに今公判で証人として出廷した前田元検事(FD改ざんで服役中)は、今回の小沢事件は検察と小沢の闘いであると東京地検特捜部内で聞かされたと証言しており、何が何でもゼネコンから陸山会への裏金を立件して小沢を潰そうとする、異様で無理な動きががあったことを臭わしている。

これらを総合すれば、今回の小沢氏の強制起訴は、‘公権力を手続き的に拘束し、逆に人権を手続き的に保障している’憲法第31条の「適正手続き」「罪刑法定主義」の理念に叶うとは、とても思えない。小沢氏の弁護団も「控訴棄却」を求めているが、今回の強制起訴の手法を憲法31条に照らせば明らかに手続きに瑕疵があると認定してのことであろう。まさに今回の裁判の第一の争点なはずである。

客観的に見て(2)と(3)の争点は小沢裁判固有の事項であるが、(1)の問題は小沢裁判を通して広く国民の人権に懸わる問題であり、また適正な検察審査会の在り方に関する問題でもある。ところがメディアの論調は(1)の問題を避けて(2)と(3)の争点にのみにスポットライトを当て、小沢氏の「虚偽報告への共謀」の有無のみに国民の目を集中させ、(2)と(3)の争点に裁判を誘導しているように思えてならない。そんな中、唯一2月26日号のサンデー毎日は「仕組まれた小沢有罪の疑惑」という特集で検察審査会の実態を報じている。
http://mainichi.jp/enta/book/sunday/

小生も一昨年11月の記事「一国民目線で検察審査会の在り方を問う(1)」「同(2)」で指摘したとおりである。

「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
厚顔の美少年

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3 コメント

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極東米軍のなりふりかまわぬ戦争策動 (通りがけ)
2012-02-21 02:44:54
私通りがけのいまの仕事は極東米軍の動きを報じている唯一のジャーナリズム長周新聞の、ホームページに載らない紙面記事をタイプ転載することだけでして、内容はこれまでに多くのブロガー諸氏が取り上げてこられたと同じものです(例えばGoodbye! よらしむべし、知らしむべからずさまhttp://c3plamo.slyip.com/blog/)。
ただ、極東米軍もリビア攻撃では英仏に主たる原油利権を奪われたいした戦果を挙げられなかったことで経済的に逼迫して、代償として対中国周辺有事を勃発させようと大いに焦って拙速に強行手段に出ており、それを受けた小泉以来のアメポチスパイ傀儡野豚政権(与党も野党も議員はほとんどみなスパイでしょうねwスパイでなければ直ちに地位協定破棄動議を国会に提出するはずですから)がマスゴミのマルチスピン国内報道をメクラマシに極東米軍の戦争誘導策動を隠蔽しているのが目に余るので、注意喚起のためにこのタイミングで米軍絡みの記事をタイプ転載しております。

今日は極東米軍の対中国包囲網の第一線韓国に対するアメリカの策動を記した記事をタイプ転載します(ちょっとお隣に目を向けましょう)。対韓国において日本の地位協定に代わる治外法権を手に入れようと身も蓋もなく焦っている米国の醜い姿がよく分かると思います。

>米韓FTAのISD条項の狙い【投資家利益優先で国家を無力化】
『現代農業』で金哲洙氏が指摘  "きわめて危険な制度"!

(長周新聞2012年2月15日付け(4)面記事タイプ転載)

 ▼金哲洙氏が「米韓FTAの問題点---恐るべきISD条項」という文章を『現代農業』三月号(農文協発行)に書いている。
 ▼韓国議会は昨年十二月、米韓FTAの批准を可決したが、その廃止を求める運動は引き続き発展している。金哲洙氏は、米韓FTAでアメリカが何を狙っているかをISD条項(投資家利益を最優先する国家訴訟制度)を中心にまとめ、TPPへ参加しようとする日本への警鐘としている。
 ▼韓国では米韓FTAについて、当初から政府が情報を公開せず、あたかも農業だけに被害を与えるかのように言われ、「被害補償をすればよい」とマスメディアで宣伝された。このなかで「民主社会のための弁護士会」が「米韓FTAのISD条項は、憲法を含む韓国法律を無力化するきわめて危険な法的制度」だと強く主張し始めた。
 ▼たとえば徴税について。ISD条項には、投資家(米国企業)は、韓国政府がかけようとした税金に対して「収用(強制的な取り上げ)と主張し、国際仲裁機関に訴えることができると明記されている。国際仲裁機関が「収用」と認めた場合、韓国政府は損害賠償をしなければならない。つまり国家の徴税主権を制限される。
 ▼国際仲裁機関とは世界銀行参加の国際投資紛争解決センター(ICSID)のことで、その事務総長は65年間もアメリカ人が担当しており、米国に有利な判定が下ることは明らかとみなされている。
 ▼公共サービスの民営化について。ISD条項には、投資家は、電力生産、配電、上下水道及び通信のような公共サービスを、国家に代わって国民に提供する権利、また国民が利用する道路、交通、運河建設などの基盤施設事業権を、投資契約の範疇に入れることができるとされている。こうした分野に外資が参入することができるということである。そのため「国民の生活を守るための国家の規制力が、投資家利益優先できわめて大きく制限される」と警鐘を鳴らしている。(タイプ者註:すなわち韓国民公衆の共通利益である「公益」が米国私企業投資家の私利私益追求の食い物にされるということである。)
 ▼また、学校給食も対象になる。米国企業が米国産農産物や食品をソウルなどの学校給食に供給しようとした場合、それを妨げるような行為も、あるいは地方自治体が地産地消に向けて地元農産物を優先しようとする行為も、米国企業や投資家が不利だとみなせば提訴できる。
 ▼とくにISD条項が米韓FTAの中に組み込まれていることを危惧している。というのも、単純投資契約にISD条項が含まれている場合、米国企業が韓国を提訴すると、裁判は韓国内でおこなわれるため、韓国政府がそれに応じない限り、米国政府はISDをもって貿易報復することはできない。しかし、貿易規範であるFTAに盛り込まれているISDは、国際仲裁機関で裁判がおこなわれるため、韓国政府が応じなくても、米国政府は貿易報復に乗り出すことができる。
 ▼最近、韓国の裁判所判事約170名は、「ISD条項は司法主権を侵害する可能性がある」との建議書をまとめ、最高裁判所に提出した。建議書には、米国投資家が国際仲裁機関に提訴したと同時に韓国が自動的に仲裁に同意したことになる「自動同意条項」の問題点や、米国が国際仲裁機関に大きな影響力を持ち、米国の勝訴率が100%になる可能性があることをあげ、その危険性を指摘している。
 ▼米韓FTAについては、そのほか医療・医薬品部門では、経済自由区域で健康保険適用指定制が例外扱いとなり、病院の株主または債権者に対する利益配当が許可されたことも問題視されている。現在韓国では、仁川、光陽、釜山などが先行的に経済自由区域に指定され、仁川では600病床(すべて個室)規模のニューヨーク基督長老会病院が建てられている。
 ▼そこでは医療費は経営者が決めることができ、その額は健康保険指定医療費の6~7倍で、株主の利益配当もできるようになった。それに対しても、韓国の脆弱な医療システムをかろうじて支えてきた公共性を根本的に否定するものだとして、強い批判があがっている(『現代農業』2月号)。(了)
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司法行政立法の浄化 (通りがけ)
2012-02-21 14:30:18
そういえば前原も創価と不快な深い仲だった。

>酒飲んで電車乗らない、4人組から逃げろ ~我が身を守る心得(Goodbye! よらしむべし、知らしむべからずさま)
>>http://c3plamo.slyip.com/blog/archives/2012/02/4no.html

>NHKが沈黙した日
http://www.youtube.com/watch?v=h6lEi8FWhNs&feature=related

これが政教分離に反して政党を結成した創価学会のオウム以上の最悪のカルト性を如実に示していますね。

創価学会は信者に洗脳を施してお布施を強要し、公明党への投票を教祖への帰依忠誠の証しとして強要する似非宗教詐欺集団であり、宗教法人とはまったく異なる秘密政治結社です。

橋下知事がアンケートで調査すべきは、憲法・法に常に絶対的に服従すべき公務員に創価学会員という法以外の「教祖」に忠誠を誓い、憲法を差し置いて教祖の指示のほうを常に実行するという特定政治結社構成員を採用してはならない、という政教分離の統治体制保護憲法規定をたてにした公務員不適格者の発見に使うべきだったですね。

創価学会員が司法公務員として活動すれば憲法と国家は破壊されます。公務員は全員創価学会、カルト新興宗教団体を脱会して3年以上立たなければ公務員採用しないと決めるべきです。

公務員在職中に入会すれば直ちに懲戒罷免すればよろしい。

地位協定破棄と公務員資格適正化をすれば日本の腐敗司法もかなり浄化できます。違憲行政霞が関も違憲立法国会も浄化できますね
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故石井紘基議員へ鎮魂 (通りがけ)
2012-02-24 08:41:54
「公明党は解党・創価学会は破防法適用」

亀井が創価学会をフルボッコ(与謝野もおるでよ)
>>http://www.youtube.com/watch?v=BFWh_jctYgs&feature=related

公明党は創価学会が支持母体のカルト政党
>>http://www.youtube.com/watch?v=7IuUpXjAVwI&feature=related

公明も民主も自民も皆終ワットる
>>http://www.youtube.com/watch?v=wjdDmyhGz2U&feature=related
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