老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「小沢政変劇」を推理する

2010-06-10 09:47:50 | 民主党政権
今回小沢氏が仕掛けた政変劇で「風」が起き、民主党の支持率が急回復する要因になったことは誰も否定しようがあるまい。しかしメディアはこのような取り上げ方をすると、これまでの小沢潰しの記事と齟齬を来すので無視している。その結果国民は高い入場料=税金を払いながら、鞍馬天狗が登場する政変劇のクライマックスを観劇できないのは残念である。要するに旧政官業体制の新撰組の役割を担うメディアは、急場を救う鞍馬天狗の役を担う小沢の姿を国民に見せたくないのであろう。

そこで観劇できなかったクライマックスの場面はどのようなものだったか推理してみると、まさにハラハラする小沢の間一髪の民主党救出劇だったことが見えてくる。

国会も終盤に近づき、野党自民党はいつ鳩山首相の不信任案を国会に提出するかタイミングを計っていたことは報道されていた通りである。もし小沢が動く前に自民党から鳩山首相不信任案が提出されていれば、与党民主党は当然否決せざるを得ない。裏を返せば支持率の下がった鳩山首相に信任投票をせざるを得なくなり、小沢氏も鳩山首相に引導を渡すことはできなかったはずである。

このように野党から不信任案が提出されかねないタイミングの中で、もう一つ小沢が怖れた事は何であったか、それは鳩山首相に辞任を促した際に、それを拒否され、逆に自分が幹事長職を罷免されかねないということである。結果から見ても分かるとおり、どちらか一方が留任すればV字型の支持率回復は望めなかったであろう。

とにかく不信任案が提出される前に、自分が罷免されずに鳩山首相の辞任取り付けに成功したことで、民主党を急場から救出できたのである。この場面では、小沢は罷免も覚悟していたであろう。それだけに鳩山首相から「貴方も職を辞してくれ」と言われた時は幹事長として本懐であったのではないだろうか。映画であれば手に汗を握る間一髪の場面に鞍馬天狗が間に合ったシーンで、観客は思わず拍手喝采の場面である。

しかしこのきわどい総理大臣相手の交渉成立は偶然とは考えられず、まさに小沢の剛胆で緻密な洞察力によるものである。小沢なくしては成し得ない政局劇で、その結果民主党の支持率が奇跡的にV字回復する「風」が起きたのである。

メディアは相も変わらずこの劇的シーンを国民に伝えようとせず、小沢を鞍馬天狗にしたくないようである。その好い例が6月9日の朝日朝刊のザ・コラム「拝啓小沢一朗殿、引き際の美学を考えては」(若宮啓文)と天声人語での小沢一郎に関する慇懃無礼なコラムである。

しかし小沢の引き際は、地元下級武士の絶対的な支持を得て引くに引けない西郷隆盛のようなものであり、「国民生活第一」「日米不平等協定の改訂」「辺野古・普天間基地の解放」等に期待し、西郷の失敗を繰り返さないように捲土重来を望む国民は、まだまだ多いと思う。

日本の政界に「政治と金」に潔白な政治家が居たとしても、このような政治課題が解決できないようでは国民のために役に立たない。そのような意味で政治家に求められる第一の資質は「国民生活第一」のための政治力そのものであり、清廉潔白を求めるのは二の次でよい。 政治と金の問題は企業団体献金等を禁止し、政治資金規正法を改正して献金と使途の抜け道を無くすことで解決すべきである。

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
厚顔の美少年

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