老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「児童ポルノ」所持だけで犯罪に?

2008-03-16 22:12:54 | 民主主義・人権
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080308k0000m010019000c.html
児童ポルノ:「単純所持」も禁止に 自民党小委で認識一致(毎日jp-3月7日)

日本国憲法21条2項
「検閲」とは、「行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的とし、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを特質として備えるもの」をいう。 

海外からのポルノが税関で没収され、上記日本国憲法違反ではないか、で争われたことがある。最高裁の判例は、「すでに海外で発表されている表現物の検査は、検閲ではない」としている。法律というのは、時に都合のいいように解釈される。自衛隊違憲も同じである。

現在、国家が個人の持ち物を捜索できるのは、捜査令状による場合と、現行犯で逮捕された場合だけである。「児童ポルノを『所持』して処罰」となると、警察も「児童ポルノを所持」していないかと、捜査に熱心になる。その結果、捜査令状もなく、現行犯でもないのに、警察に捜索される場合が出てくるのが心配である。

警察もセールスマンと同じで、成績を上げるために、街行く人を「児童ポルノを所持」しているという先入観で見ることになりやすい。今でも犯罪が増えて、警察の仕事は大変なのに、警察官に余計なノルマを押し付けたらどうなるでしょうか。

「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
竹知庵
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竹知庵さんの危惧するように、こうした無知からする刑法条文の制定は過度な警察国家化を招くことになり、非常にまずい動きだと思います。

森山真弓という政治家がどういう人間なのか詳細は不明ですが、かなり思慮の浅い人物だと思います。何かを所持しているだけで犯罪になるという発想は、近代刑法の原理をまったく理解できていない考えです。

刑法は原則的に行為を処罰の端緒にするのであり、所持している段階で犯罪とすることは行為の前段階で処罰を考えることになり、大きな問題が出てきます。所持という段階の「行為」(行為の前段階というべき)を犯罪視して処罰するという場合には、相当な理由と根拠が必要です。だから100年前に制定された現刑法でも銃砲の所持とか麻薬の所持などに極限されていたのです。

こうしたかなり国家主義的な現刑法でもそうなのですから、憲法制定以後の現在において、ポルノの所持だけで処罰できるというのは絶対王政下の刑法的な思考かファシズム下の刑法思想にすぎません。こうした思考をしてしまう人間が法務大臣だったりするわけであり、危ない社会になっているといえます。

うっかりインターネットで見た作品が18歳以下の女性の裸の写真だったりすると処罰されてしまうわけであり、単に児童ポルノの所持だから関係ないとはいえず、誰でも犯罪者になる時代の到来です。

「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
名無しの探偵

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