老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

衆院議長の「1票の格差」是正要請と政局

2012-01-01 17:14:28 | 民主主義・人権
年末に横道衆議院議長が谷口自民党総裁と公明党山口代表を呼んで衆議院の1票あたりの格差是正を与党民主党と協議して欲しいと要請したと報じられていた。その背景は27日に総務省が発表した国民一人あたりの「1票の格差」が2倍を越す衆院選挙区が9月2日時点で前年より10区増え65選挙区になったことと、09年の衆議院選で1票の格差が最大2.3倍に達したことを最高裁が違憲状態と判決したことを受けたものと思われ、衆議院議長としては大義名分をかざしての当然の要請であろう。

一方今年の政局を観ると、野党は民主党の09マニフェストを反故にしての消費税増税や八ツ場ダム建築続行、また野党時代は反対して凍結されていた整備新幹線や都内環状道路の延伸、武器輸出三原則の緩和等で野田内閣を追求し、解散に追い込もうと手ぐすね引いて通常国会に臨んで来ることは明らかである。このような状況から、与党民主党内からも野田首相は24年度予算成立と引き替えに野党と話し合い解散に応じざるを得ないのではないかとの見立ても出ている。

以上のような政局の中での横道衆院議長の主要野党党首への「1票の格差」是正協議要請である。これは今解散すれば敗北が明白な野田首相や民主党にとっては助け船であり、野党に対しては、「1票の格差」を是正せずに解散要求できますかとの牽制になり、解散追い込みに冷や水を浴びせた感じであろう。さらに来年9月の衆議院の任期到来までには「1票の格差」を是正して下さいという衆議院議長の深謀遠慮でもあろう。

一方解散をしたくない民主党と野田首相も議長要請を渡りに船として、最高裁の「09年衆議員選は違憲状態」との判決を楯にして、衆議院議長の「定数是正」協議を優先し、時間を極力稼ごうとするであろう。ということは衆議院解散時期は格差是正後ということになりそうである。

「1票の格差」是正の方法については、二大政党の民主党と自民党は当面格差の大きい選挙区の定数のみを増減すればよいとの見解であるのに対して、少数政党は比例選挙区を増やし選挙制度も同時に解決すべきとの主張で対立して、これまで殆ど協議が進んでいない。よって「1票の格差是正」実現には最低でも1年は懸かりそうである。

これまで解散になれば民主党の大敗北を予測して対策を練っていた小沢氏も、年末の衆議院議長の定数是正協議要請で当分解散は遠のき、分離独立するとすれば9月の民主党代表選後か今年の年末、若しくは「1票の格差」是正後でも遅くはないとの多岐な選択肢を描き始めたのではないかと思われる。しかし泥船からの脱出のタイミングを誤れば、船もろとも沈没、溺死は必至である。もはや民主党は誰が次の代表・首相に成ろうが引き続き政権を委されるほど国民は甘くないと見るべきであろう。

「護憲+BBS」「政権ウォッチング」より
厚顔の美少年

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