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科学者らがCovid-19パンデミックの終わりの始まりの事態を、国ごとに考察している

2021-11-05 15:35:12 | 社会問題
科学者らがCovid-19パンデミックの終わりの始まりの事態を、国ごとに考察している
             2021年11月4日 Reuters Steenhuysen氏記す

壊滅的なデルタ株感染が世界の多くの地域で収まってきており、科学者らは何時、何処からCovid-19がエンデミック疾患(endemic disease:風土病・影響範囲が狭い地方病)化していくかを考え始めている。2022年なのかもっと遅くなるのか?Reutersが10数名の著名な感染症研究者にインタビューしている。

彼ら研究者らはパンデミックから最初に抜け出る国はある組み合わせを持った国だろうと予測している。その組み合せとは“ワクチン接種率の高い国”と“コロナ感染の結果既に自然免疫を獲得している人の割合の高い国”であろう。例えば米国・英国・ポルトガルやインドが該当する。しかし研究者らは、SARS-CoV-2がワクチン未接種者の間を感染拡大していく過程で変異を重ねていくという、まだ予測が困難な部分も残しているウイルスだという懸念も表明している。

いわゆる“終末論的シナリオ”、即ちウイルスがようやく身に付けた強固な免疫系を打ち破る所まで進化した変異をとげる、というシナリオを完全に排除出来る人はいないだろう。その上で、やはり研究者らは多くの国がパンデミックの最悪状況から来年には抜け出るだろうという信念を強めていると話している。

“今のこの時点から2022年末までの間には、このウイルスをコントロール下におけるだろう。従って重症化や死者数は劇的に低下するだろう”とWHOの伝染病学者のKerkhove氏はいう。

この機関の見解は今後の18カ月間にわたるパンデミックの確度の高い道筋を検討している感染症学者との共同研究に基づいている。2022年末までにWHOは世界の人口の70%がワクチン接種を終えている状況を目指している。

“この目標に達すれば、疫学的に非常に異なった状況になるだろう”とKerkhove氏はいう。

一方、Kerkhove氏は、諸国がCovid規制を早まって緩和してしまうことを懸念している。“私には、人々が全てことが済んだかの如く町にくり出しているのを見るとビックリする”と氏は言う。

Covid-19の感染患者と死者は10月26日のWHOの報告によると、8月以降ほぼ世界の全域で減少してきている。

欧州が例外になっている。ロシアやルーマニアのようなワクチン接種率の低い欧州諸国や、マスク着用等の非医療的防御規制を解除した地域で、デルタ株による新たな混乱が起こっている。シンガポールや中国のような、接種率は高いものの厳格なロックダウンをかけてきていることから地域全体での自然免疫の獲得が充分でない国々では、変異株もまた感染増大の動因となる。

“パンデミックの進展・変遷状況は、その地域の人が自然感染や勿論ワクチン接種により免疫を獲得した人数とその地域の人口との割合によって影響されるものである故に、パンデミックの進展・変遷状況は地域ごとによって変わるものである”と、伝染病学者のLipsitch氏(公衆衛生ハーバードT.H.Chan School)は言う。

幾人かの専門家は米国のデルタ株の流行は今月には目途が立ち、最後のCovid-19の波となるだろう、と言っている。

“米国はパンデミックの局面からこのウイルスの風土病化・地方病化の局面に移行している。風土病化した局面ではこのウイルスは単なる永続的な脅威となる”と前FDA長官のGottlieb氏はいう。

ワシントン大学の感染症予測専門家Murray氏も、同様に米国のデルタ株流行は11月には収束すると見ている。

“この冬はコロナ感染の観点では、穏やかさを増すだろう。新たな変異株さえ出てこなければ、4月にはCovid-19の風は止み始めるだろう”とMurray氏は言う。

英国のようなパンデミック規制を緩和した状況で感染例が増えている国々でも、ワクチンの効果により入院までいたらない状況が生まれてくると思われる。

インペリアルカレッジロンドンの感染症学者のFerguson氏は、“英国においては緊急事態的パンデミックの塊はもう我々の後方になっている”という。

「段階的な進化」
Covid-19は今後数年にわたりマラリアのような他の風土病と同じく、疾患と死亡を引き起こす主要な要因となり続けると思われる。

“風土病は無害を意味するわけではない”とKerkhove氏はいう。

幾人かの専門家はこのウイルスは最終的には麻疹のようにふるまう事になるだろうという。麻疹が麻疹ワクチン接種率の低い地域に今も流行を起こすようなふるまいである。

他の専門家はCovid-19がインフルエンザの様に季節性の呼吸器疾患になって行くだろうと見ている。あるいは主に児童に影響を与える小さい殺人鬼、しかも数十年に亘る殺人鬼になる可能性を指摘する専門家もいる。

インペリアルカレッジのFerguson氏はこれからの2年から5年間Covid-19による呼吸器疾患での死亡率が平均値を超えると予想している。しかし医療システムに圧迫を与えたりソーシャルディスタンスが再度求められるような事態はないだろうと言っている。

“段階的な進化が起こるだろう。持続するウイルスとして取り扱っていくことになるだろう”とFerguson氏はいう。

Fred Hutchinson癌センターの計量ウイルス学者のBedford氏は、SARS-CoV-2の進化状況を追跡しているが、彼はこの冬は穏やかな感染状況で、続く2022年と2023年の期間に米国では風土病へと変化していくと見ている。彼は年に5万人から10万人の死者を予想している(インフルエンザは年3万人ほどの死者が上限)。

このウイルスは変異を繰り返し続けるだろう。従って最新の流行株に調整したブースターワクチンの毎年の接種が必要になるだろうとBedford氏はいう。

もし季節性Covidウイルスのシナリオが続くとインフルエンザと一緒の流行が起こることになる。Gottlieb氏とMurray氏の両氏はその事態が医療システムにかなりの打撃を与えることになるだろうと予想している。

“冬のインフルエンザとCovidとにどう対処するかというのは病院の計画の問題だろう”とMurray氏は言う。“しかしながら、大衆の生命に強制的に介入を行うと言う時代区分はこの冬の流行の後になされるだろう”とMurray氏は言う。

革新的伝染病予防策検討協会のCEOのHatchett氏は、ある国々はワクチンで守られている、一方ではその守りがほぼない国々もある状況で、世界は今だに脆さを抱えているという。

“Covid-19について夜も寝られない、気にかかる問題点は、ウイルスが我々のワクチンの効果や獲得した我々の免疫系を打ち破る能力を備えた株に変異するかもしれないと言う懸念にある”とHatchett氏はいう。“いまだに現在の変異株に足を取られている世界に、新たなパンデミックの出現という事態である。”

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
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11月4日のコロナ関連記事

2021-11-05 15:20:46 | 社会問題
○クロアチア:過去最高の感染者数6310人を記録。ワクチン接種率の低いクロアチア政府は市民に接種を要請している。
○WHO:Covid-19ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種でも有効性の低下は起こらないとWHOヨーロッパアドバイザーのDatta氏が言っている。
○パキスタン:Sindh州新規感染者221人、死者1人。
○エッフェル塔:見物客がコロナ禍前のレベルに戻ったという。夏の一日平均13000人が10月には20000人以上になっている。
○アジアの観光業:アジア地域で観光業が再開されている。自宅に閉じ込められていた中国の消費者が、どう動き出すか。
○欧州:冬を迎え欧州各地で記録を更新している。
○キプロス:50才以上の全ての人と肥満であれば年齢関係なくブースター接種を行うという。ワクチンの接種運動を強化している。
○Merck社:経口抗ウイルス薬Molnupiravirの購入を多数の国が検討している。
○ポーランド:15515人と4月以来最高となる感染者を記録している。死者は250人。
○コロナが後退して、排出炭素量が急速にリバウンドしている。
○ドイツ:新規感染者33949人と記録を更新している。高齢者へのブースター接種を促進することが求められるとMerkel首相の主要スタッフのBraun氏が言っている。
○中国:冬季オリンピックまで100日を切った中国。出入国を司る空港・港湾における厳格なコロナ規制が実施されていると言う。市民には不要不急の旅行は控える様に要請している。
○ウクライナ:10月29日に記録の26870人を超す27377人の感染者数を報告している。
 累計感染者数が300万人を超えたという。昨日の死者は699人。
○英国:Covid-19に関する有病率が10月に最高レベルに達したとインペリアルカレッジロンドンが発表している。子どもの感染増と英国の南西地域の感染増が主導していると言う。学齢期の世代の約6%が感染していることを研究者が見い出している。
○カナダ:人口の最も多いカナダの二つの州、オンタリオ州とケベック州では、医療従事者への強制的ワクチン接種を行わないと言う。ワクチン接種問題で従事者の大量レイオフが起こると医療体制の崩壊の恐れがあることへの対応。ケベック州のDube保険大臣によると、州の約14000人(医療従事者全体の3%)の従事者は頻繁に行うコロナ検査を選択していると言う。“ワクチン未接種の3%の医師・看護師への接種運動は進める。何故忌避するのか理解出来ない”とDube氏は言っている。

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