老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

緊急シンポ「嵐の中の⇒嵐の中だった小鳩政権!!~・・・」

2010-06-10 20:57:53 | 民主党政権
6月8日、フォーラム神保町主催で「嵐の中の⇒嵐の中だった小鳩政権!!~ニッポンは何を守ろうとしているのか!?」という緊急シンポジウムが開かれました。詳細は下記の「内憂外患」アーカイブ動画でも見られます。

http://opinion.infoseek.co.jp/article/883

私がこのシンポをアーカイブ動画で見て興味をひかれたのは、郷原信郎さんの発言です。

郷原さんは、『小沢一郎の秘書が「政治と金」疑惑で逮捕された時から「事実と感情論を混同してはいけない」とずーっと主張してきました。つまり、小沢一郎の秘書が何をやったのか、そして検察が逮捕したのは何の疑惑なのか、それすらもマスメディアは冷静に「報道」することなく「関係者によると」という出所も曖昧な情報や検察の側からのリーク情報を垂れ流し、そのことが小沢一郎という政治家を「巨悪と疑惑の人物」という風評に仕立て上げている』と言っています。

郷原さんは、これまでもマスメディアに露出する度に「小沢一郎の秘書が逮捕されたのは帳簿上の虚偽記載という疑惑であってそれが小沢一郎を起訴相当に値するものか、はなはだ不明瞭である」と述べ、検察は小沢一郎を起訴することは出来ないと言っていたのです。これは小沢一郎に限らず例え誰であってもこのような罪状で起訴するのは不当ということなのでしょう。

それと「政治資金規正法」についても「会計担当者は逮捕できても政治家は会計担当者に指示するか共犯したという事実が証拠として上がらないかぎり逮捕、起訴は出来ない」と述べておられました。

しかし今回の「検察審査会」では、検察の「起訴不相当」に不満を持った「市民」達が小沢一郎の起訴を「全員一致」で採択し、しかもその採択の中には「市民目線」とかいう訳の分からない、正しく感情論で飾られた言葉が散りばめられていたのです。

http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2010/04/post-b6ab.html

上記のブログに検察審査会の議決が載せられていますが、これを御覧になって皆さまは如何思われますか?

私は必ずしも、ネットで言われているような怪しい市民団体の誘導でこの議決が出されたとは思わないけれど、ただこの議決文を読んで言葉に出来ない違和感を感じていました。それが何だったのか、あの郷原さんの発言を聞いて納得するものがありました。

郷原さんは、『小沢一郎は最後には「不起訴」になるかも知れない。但し彼が不起訴になったときは散々、マスメディアや関係者などに煽られ、つくられた「巨悪」「金権政治家」というレッテルを貼られ、政治生命を、完膚なきまでに叩きのめされるのだろう』とおっしゃっていました。

正しく政局はそのような状況になり、メディアの世論調査では「脱小沢」を8割が評価し「小沢さんは少し静かにしていて欲しい」と大見得を切った菅直人内閣(何もやっていない、まだ組閣もされていない!)を6割が支持するという何とも異様な結果が出ています。

郷原さんは、小沢一郎の秘書が逮捕された当初から資料を提示しずーっと訴えて来たことが、メディアにも届かず国民の間で議論されることもなかったという事態に「虚しさを覚えた」と述べています。

私は小沢一郎を支持するものでもないし(この枕詞付けるのも面倒だけれど)、菅内閣には、国民の為の政治を実行して欲しいとは思っているけれど、やっぱり、おかしいものはおかしいと言い続けていかなければ何だか大きな怒濤のような流に押し流されて、気が付いたらとんでもない所まで運ばれて行くような気がしてならないのです。

それにしてもこの国の「世論」というのは何とせっかちで稚拙なものでしょう。まだ組閣もされていない内閣を支持し、メディアのいうことを鵜呑みにし、世論調査という名の魔法の小槌が吐き出す「市民目線」や「世論の動向」に左右され、無責任な観客となって「政局劇場」が少しでも思い通りにならないとすぐに切り捨てることばかり考える。小泉劇場以来、バカな観客になってしまったのでしょうか。どうせ観るならせめて見巧者になりましょうよ。

世論調査なんて作為的なもので、当てにならないという人もいるけれど、マスメディアはいくら劣化したとはいわれてもこの日本の民意を扇動し、誘導する力をまだ持っているのです。

本心かどうか分かりませんが、シンポの中で大谷昭宏氏と田原総一朗氏が「テレビでは話せない事がたくさんある、それをしゃべったらテレビには出られなくなる」と言っていました。また佐藤優氏と大谷氏のやり取りが、感情的な部分も含めて現在の日本のマスメディアとコメンテーターの状況を表していたのかも知れません。

今回のシンポジウムは図らずも「世論と報道、政局を左右するもの」というもう一つのテーマを浮かび上がらせたような気がします。

「護憲+BBS」「 イベントの紹介」より
パンドラ
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「小沢政変劇」を推理する

2010-06-10 09:47:50 | 民主党政権
今回小沢氏が仕掛けた政変劇で「風」が起き、民主党の支持率が急回復する要因になったことは誰も否定しようがあるまい。しかしメディアはこのような取り上げ方をすると、これまでの小沢潰しの記事と齟齬を来すので無視している。その結果国民は高い入場料=税金を払いながら、鞍馬天狗が登場する政変劇のクライマックスを観劇できないのは残念である。要するに旧政官業体制の新撰組の役割を担うメディアは、急場を救う鞍馬天狗の役を担う小沢の姿を国民に見せたくないのであろう。

そこで観劇できなかったクライマックスの場面はどのようなものだったか推理してみると、まさにハラハラする小沢の間一髪の民主党救出劇だったことが見えてくる。

国会も終盤に近づき、野党自民党はいつ鳩山首相の不信任案を国会に提出するかタイミングを計っていたことは報道されていた通りである。もし小沢が動く前に自民党から鳩山首相不信任案が提出されていれば、与党民主党は当然否決せざるを得ない。裏を返せば支持率の下がった鳩山首相に信任投票をせざるを得なくなり、小沢氏も鳩山首相に引導を渡すことはできなかったはずである。

このように野党から不信任案が提出されかねないタイミングの中で、もう一つ小沢が怖れた事は何であったか、それは鳩山首相に辞任を促した際に、それを拒否され、逆に自分が幹事長職を罷免されかねないということである。結果から見ても分かるとおり、どちらか一方が留任すればV字型の支持率回復は望めなかったであろう。

とにかく不信任案が提出される前に、自分が罷免されずに鳩山首相の辞任取り付けに成功したことで、民主党を急場から救出できたのである。この場面では、小沢は罷免も覚悟していたであろう。それだけに鳩山首相から「貴方も職を辞してくれ」と言われた時は幹事長として本懐であったのではないだろうか。映画であれば手に汗を握る間一髪の場面に鞍馬天狗が間に合ったシーンで、観客は思わず拍手喝采の場面である。

しかしこのきわどい総理大臣相手の交渉成立は偶然とは考えられず、まさに小沢の剛胆で緻密な洞察力によるものである。小沢なくしては成し得ない政局劇で、その結果民主党の支持率が奇跡的にV字回復する「風」が起きたのである。

メディアは相も変わらずこの劇的シーンを国民に伝えようとせず、小沢を鞍馬天狗にしたくないようである。その好い例が6月9日の朝日朝刊のザ・コラム「拝啓小沢一朗殿、引き際の美学を考えては」(若宮啓文)と天声人語での小沢一郎に関する慇懃無礼なコラムである。

しかし小沢の引き際は、地元下級武士の絶対的な支持を得て引くに引けない西郷隆盛のようなものであり、「国民生活第一」「日米不平等協定の改訂」「辺野古・普天間基地の解放」等に期待し、西郷の失敗を繰り返さないように捲土重来を望む国民は、まだまだ多いと思う。

日本の政界に「政治と金」に潔白な政治家が居たとしても、このような政治課題が解決できないようでは国民のために役に立たない。そのような意味で政治家に求められる第一の資質は「国民生活第一」のための政治力そのものであり、清廉潔白を求めるのは二の次でよい。 政治と金の問題は企業団体献金等を禁止し、政治資金規正法を改正して献金と使途の抜け道を無くすことで解決すべきである。

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
厚顔の美少年
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