老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

あの「大予言」と現代社会のひずみ

2008-06-19 21:18:07 | 社会問題
今世紀に入る前の何年間か、巷間、○○の大予言なるものが喧伝され、21世紀初頭にはこの星に破滅が訪れると不安を煽ったものだった。

予言は所詮予言の状態で、もう8年目の半分が過ぎようとしている。先見の明などという言葉とは無縁の社会に慣らされて、予言(予見)・洞察の類は遠ざけられ目先の刹那、刹那が幅を利かすこの世。いささかのタイムラグはあったものの、これこそがあの予言の指し示す姿なのではではないのかとさえ思えてくる。

先物相場なるdemonが、原油・穀物・レアメタルなどの供給を欲しいままにする。これのもたらすひずみは、やがては世界各地のテロ行為へとつながっていくのではないのかと憂う。テロに至らずとも、すでに多くの庶民の生活破綻が諸国に表出している。

先進何ヶ国とか称する人たちを、夏のリゾート地に迎えるこの国はどうか。老いも若きも、その面は輝いているか。安らいでいるか。格差の定着・蔓延は、明日を担う若者たちの希望を無残にも引きちぎる。雇用労働者の三分の一が派遣労働だというこの目を覆いたくなるような現実。

かつて小生も現役であった頃、この兆しはあった。それは、当時厳格に禁じられていた私的職業紹介の実質的行為、業務請負に名を借りた脱法行為ではないのかと指摘され、特殊・高度の専門性という制約つきでかろうじて開かれた門戸であった。だが、1996年の改正は、この法律から絶対失ってはならない知性と言うものを奪い去った。

いま、介護・看護の現場に国と国との協定によって、東南アジアから人を呼び込むという。まるで100円ショップの商品の品揃えと変わらぬ発想ではないのか。これまた、目と目で通じ合えれば言葉は要らない、と言う次元の職場では絶対にないと思う。それぞれに事情はあろうが、働く意欲を持ちながら職場から離れている有資格者は、相当数に上るという。

傍目にも厳しい職場だと思う。あまつさえ、この分野への目配りが、人の心を持つ人によって行われているとは思えないのは、後期高齢者医療保険制度なるものをひねり出したこの一事でわかろうというものだろう。

この星の破滅に先んじての「お先に失礼」だけは、何としても御免蒙る。とは言っても、あと何度、一票・一時だけの主権者を演じればそれが可能になるのだろうか。これだけは、予言者任せにはできないの思いだけに生きている、甲斐性無しの今日の繰言です。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
百山
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白々しい人材派遣協会の意見広告

2008-06-19 09:17:23 | 社会問題
6月18日の朝日新聞5面全段に、(社団法人)日本人材派遣協会という業界団体が「派遣協会は自主ルールを決めました」とのキャッチフレーズで意見広告を出している。おそらく他の全国紙にも一斉広告されているのであろう。(広告内容は下記URLのとおり)
http://www.jassa.jp/special/special/no/index.html

紙面半分の下段には小さな字で派遣会社名がびっしり掲載されている。随分数が多いのに驚かされた。資料(株式会社プラウドHP:労働者派遣法の変遷)を見ると、この法律は1986年7月に制定施行され、1996年12月に対象業種が26業種に増やされているが、おそらくこの辺りから業者が急増したのであろう。

派遣法制定以前は、労働者派遣業務は労働省傘下の職業安定所(ハローワーク)の専管業務で、労働者側に立って職を斡旋仲介し、条件と違う不当な雇用の場合には労働者側に立って雇い主に条件の是正を求めてくれていたはずである。それが「民間にできることは民間へ」という美名の下に職業の斡旋業務が民間に開放され、その仲介方法も派遣業者と雇い主に有利なように変質させられてしまったようである。

そして今や平成18年度統計では労働人口の約33%(1650万人)が派遣労働者で占められ、更に年々増加傾向にある。雇い主側が正社員の採用を最低限に押さえれば、自動的に派遣社員が増え、雇用主と派遣会社が都合良く儲かる労働者供給システムができあがっているからである。

そのような中にあって派遣業者が何をしていたのか。派遣労働者の給与からのピンハネ、認知されていない危険な職種への渡り派遣、雇い主の偽装請負の黙認等、おおよそかってのハローワークの業務とは似ても似つかぬ悪徳行為がメディアに暴露されてきている。まさに雇い主と共謀して派遣労働者の弱みにつけ込み労働者を搾取していたと言われてもやむを得ないであろう。

以上のような派遣業界の実態が明らかにされているのに、「派遣協会は自主ルールを決めました」との意見広告は何とも白々しい。そもそもこの意見広告には謝罪文は一切ないではないか。新聞の購読者としては、法令遵守義務違反での謝罪広告が先だと言いたい。

先日舛添厚労大臣は、日雇派遣については見直した方が良いと述べていたが、それでは甘すぎる。少なくともハローワーク時代を参考に法案を改正すべきである。労働者あってこそ派遣業は成り立っていることを忘れぬな、と言いたい。

「護憲+BBS」「経済界の動向を観る」より
厚顔の美少年
コメント (1)
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