私が学生だった35年前から死刑廃止への提言が学会などでは多数になり現在も多数である、もちろん国民世論は異なるであろう。
ところが、最近の事件、たとえば秋葉原無差別殺人などが頻発している日本社会では、死刑相当の事件が多数になってきており、死刑廃止への道程は遠のいた観がある。
こうした社会の動きに敏感に反応しカメレオンのように態度を変えることは問題であるが、死刑廃止を観念的に提唱しても説得力に欠けることも否めない。
死刑廃止を提言するならば、同時に他の制度も整備する必要があるであろう。刑務所での態度が良好ならば早く仮出所できるという便法があり、実際刑務官に受けがよい要領を発揮する人物は、犯行が重いものでも早く出られるのである。彼が社会復帰して二度と犯罪を行わないという保障はない。
こうした事情からも日本の刑事政策は死刑廃止を単純に叫ぶだけででは問題が解決しない事情は多数あろう。そこから終身刑の制度をおくべきとの意見も出てくる。
また、刑事政策にも限界があり、受刑者の復帰後の生活をどう保障するのか、また、秋葉原の事件を未然に防止するのに、警察的な発想で「掲示板で予告していたので防止できたはずだ」というマスコミの多数意見はまったく問題を外している。犯罪の防止には犯罪に走らないような社会的な環境が重要である。
刑事政策を有効にするには、社会環境の整備が必要不可欠であり、派遣労働や非正規社員が多数を占める今の日本で犯罪が多発しない方がおかしいとも言える。ちなみにアメリカでは差別されている黒人層の大半(4人に1人だったか)が失業しているという状況があり、仕事のないこれらの人々が犯罪に駆り立てられているのである。
「社会政策こそ刑事政策の最良の方法だ」という格言は35年前から言われていたことである。こうした社会環境の整備もないところで死刑廃止論を観念的に叫んでも、説得力が乏しいことは明らかなのではないだろうか。
「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
名無しの探偵
ところが、最近の事件、たとえば秋葉原無差別殺人などが頻発している日本社会では、死刑相当の事件が多数になってきており、死刑廃止への道程は遠のいた観がある。
こうした社会の動きに敏感に反応しカメレオンのように態度を変えることは問題であるが、死刑廃止を観念的に提唱しても説得力に欠けることも否めない。
死刑廃止を提言するならば、同時に他の制度も整備する必要があるであろう。刑務所での態度が良好ならば早く仮出所できるという便法があり、実際刑務官に受けがよい要領を発揮する人物は、犯行が重いものでも早く出られるのである。彼が社会復帰して二度と犯罪を行わないという保障はない。
こうした事情からも日本の刑事政策は死刑廃止を単純に叫ぶだけででは問題が解決しない事情は多数あろう。そこから終身刑の制度をおくべきとの意見も出てくる。
また、刑事政策にも限界があり、受刑者の復帰後の生活をどう保障するのか、また、秋葉原の事件を未然に防止するのに、警察的な発想で「掲示板で予告していたので防止できたはずだ」というマスコミの多数意見はまったく問題を外している。犯罪の防止には犯罪に走らないような社会的な環境が重要である。
刑事政策を有効にするには、社会環境の整備が必要不可欠であり、派遣労働や非正規社員が多数を占める今の日本で犯罪が多発しない方がおかしいとも言える。ちなみにアメリカでは差別されている黒人層の大半(4人に1人だったか)が失業しているという状況があり、仕事のないこれらの人々が犯罪に駆り立てられているのである。
「社会政策こそ刑事政策の最良の方法だ」という格言は35年前から言われていたことである。こうした社会環境の整備もないところで死刑廃止論を観念的に叫んでも、説得力が乏しいことは明らかなのではないだろうか。
「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
名無しの探偵