デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



『「パサージュ論」熟読玩味』鹿島 茂 ★★★★★

アルケミスト』パウロ・コエーリョ ★★★☆☆

アメリカの鳥』メアリー・マッカーシー ★★★★★

紳士協定―私のイギリス物語』佐藤優 ★★★★★

アルトゥーロの島』 エルサ・モランテ ★★★★★

一四一七年、その一冊がすべてを変えた』スティーヴン・グリーンブラット ★★★★★

パサージュ論(1~5)』ヴァルター・ベンヤミン ★★★★★

すらすら読める土佐日記』林望 ★★★★★

『旅の指さし会話帳〈1〉タイ』加川博之 ★★★★★

オン・ザ・ロード』ジャック・ケルアック ★★★★★

『貴婦人と一角獣』トレイシー・シュヴァリエ ★★★★☆

『聖☆おにいさん(1~7)』中村光 ★★★☆☆ 

ローマ亡き後の地中海世界(上・下)』塩野七生 ★★★★★

廻廊にて』辻邦生 ★★★☆☆

背教者ユリアヌス』辻邦生 ★★★★★

最も手ごたえがあって、いつの日か再読するであろう作品は『パサージュ論』だ。なんだかんだで五ヶ月は『パサージュ論』と付き合った。
小説では『背教者ユリアヌス』が一番印象深い。
年初から読もうと思っていたが、まだ途中のままになっている作品はG・グラス『ブリキの太鼓』。越年読書作品はJ・コンラッド『ロード・ジム』と塩野七生『十字軍物語』。
来年もいい本に出合えますように。

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ノーマ・レイ』 ★★★★★

招かれざる客』 ★★★★★

『サウンド・オブ・ミュージック』 ★★★★★

レンブラント 描かれた人生』 ★★★★☆

『フィラデルフィア物語』 ★★★★★

『陽のあたる場所』 ★★★★★

クィーン』 ★★★★★

グリーン・カード』 ★★★★★

『遊星よりの物体X』 ★★★★☆

『第17捕虜収容所』 ★★★★★

『秘密の花園』 ★★★★★

『やかまし村の子どもたち』 ★★★★★

『オリバー!』 ★★★★★

『花咲ける騎士道』 ★★★★★

『エド・ウッド』 ★★★★★

『グラディエーター』 ★★★★★

『聖☆おにいさん』 ★★☆☆☆

『ウェルカム・トゥ・サラエボ』 ★★★★★

今年も映画館には一度も足を運ばなかったが、主に雨の日にDVDやTVで見た。数年ぶりに10作品以上見たが、やっぱり映画はおもしろいなぁと思った。

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ユリアヌスのことに触れている、塩野七生著「ローマ人の物語」第14巻の『キリストの勝利』を軽くではあるがざっと読み返した。
いま読むと、ルテティアで起ってからのユリアヌスのやることなすことは、若さゆえの世間知らずの学者肌の政治家が矢継ぎ早に政策を打ち出したようなものという感も受ける。また贅沢をつつしみ哲学の思索をライフワークとし、昔から信仰されてきた神々への回帰を通し「自分がローマ人としてあるべき姿を示すから、他人もそういったローマ人たれ」といった若さゆえの神経質なお仕着せともとれてしまう様な姿勢は、周囲に反感を抱かれやすかったのかもしれない。
しかし、いくら市民や一神教信者に後ろ指をさされ影でバカにされようとも、特定の宗派の利益のための国づくりでなく、さまざまな人々が暮らす帝国のための自分の理念を世に問う不屈の精神に心を打たれたのは間違いない。また、宮廷にはびこる「病んだ」現実に対し、性急だったにしろ改革を行ったことは偉いと改めて思う。髪をちょっとセットしようとして理髪師を呼んだら、理髪師が二十人もやって来、彼らの報酬が単に宮殿にお付の者というだけで莫大なものになっていた現実や、訳のわからない特定の宗派の権威の集団がきたないやり口で政敵を抹殺し、政策に口を出すだけ出し自ら責任をとろうとしない姿に、ユリアヌスが激怒したのは当然の反応とはいえ、勇気を持った上での激怒だったのだろう。既得権益の集団に丸め込まれず改革を推し進めたユリアヌスは、常に殺される覚悟でいたのではないか。
宮廷内の無駄を削減するような改革は、現代社会でも困難を極めるものである。現代でもユリアヌスの存在が光るのは、案外、ユリアヌス亡き後の統治機構と現代のそれとが大して変わらない、いやユリアヌスみたいな人が出てくると本当に困って組織防衛に走る無駄な機構に対し、人はおかしいと思いつつも適度に騙されていたいことを自覚しているからかもしれない。
だからこそ?私のような者は、古代の人でローマ帝国の皇帝だったからユリアヌスに輝きを感じるのではなく、皇帝の座にあって何をやったのかでユリアヌスに輝きを感じるのだろう。私はもし世間でもっとユリアヌスのことが議論されようものなら、彼が輝きっぱなしになるか、無視を決め込まれるかのどちらかではないかと思っている。

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日は短くなってるとはいえ、いつも登っている時間だったので登った。下山の途中、三人のサンタのかっこうをした若い男どもが登ってきた。彼らのすれ違いざまのあいさつが「メリークリスマス!」だった。「今日一番の意外な出来事ですよ」と返した。彼らの姿が遠ざかっていくとき、彼らの会話で「なぜに一人で登っていた?」「そんなこと言わない」という言葉が聞き取れた。サンタのクセにありがたくない言葉を吐くなと思ったが、一人でも9ヶ月山登りをつづけ、血液成分をまともな状態を維持しておられるのは本物のサンタのおかげかもしれんと思い直すことにした。

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アレーヌ・ド・リュテス(リュテス闘技場)



訪れていたのはこの親子連れと私だけだった



















ヨーロッパの主要都市のいくつかは古代ローマ帝国と関わっているところ少なからずあるわけだし、例え事前にローマ帝国の地方都市について調べていなかったとしても、訪ねた場所にローマ時代の遺跡がありました、といったようなことは有りうる話だ。
日本を発つ前にパリのリュテス闘技場に足を運ぶかどうか迷っていたように思うが、外国旅行の場合「迷ったところは行く」の精神でいるので、ギュスターヴ・モロー美術館を出た後、足が棒になりつつも地下鉄を駆使し足を運んだ。
リュテス闘技場に対しては変わった形の公園だな、というのが第一印象だった。闘技場に佇んで思ったのはユリアヌスうんぬんではなく、ユリウス・カエサルのガリア遠征のあとに町のローマ化を進めていった将兵たちのことだった。
私は、リュテス闘技場建設にはアウグストゥスの軍縮政策で地方にやってきた将兵たちの末裔も関わっていたんじゃないかと思っている。アントニウスとクレオパトラの軍に勝利したあとの30万人もの軍人たちを国の予算で養おうとすると数年後に国庫が破綻してしまうことを憂いだアウグストゥスは、軍人の約50パーセント削減のリストラ政策を行う。そのリストラ政策とは将兵たちにヨーロッパ各地でローマ型の都市を建設させ、そこに彼らの土地を与えて上流階級として住み続けてよいという特権もあたえたものだった。この政策でアウグストゥスは各地に120もの都市を建設させたという。
そういえば、アウグストゥスの右腕であるアグリッパはガリア、ヒスパニア、ゲルマニアに重要なインフラ設備を作ったが、これはある意味、自らが地方都市建設の旗印となることと、軍縮政策がきちんと滞りなく行われているか見届けるための二つの目的があったのかも知れない。ローマ帝国の繁栄の理由の一つには、法律の施行者が激務の中、率先して作られた法律がきちんと運営されているところまで見届けたところにもあるのだが、その姿、見届ける行動力を市民が目の当たりにできることが実は大きい要素なんだと思う。無味乾燥に紙切れ一枚だけで布告されたものより、ロゴスや行動でもって心に訴えかけられた体験の方が人々を動かす事実は、いつの時代も変わらないのである。

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ソメラール通りから「ユリアヌスの浴場」を見る



「ユリアヌスの浴場」

雨の日だった。パンテオンからスフロ通り、スフロ通りからサン・ミシェル通りに入り、ソルボンヌ大学を横目にしながらまっすぐ行くと浴場の廃墟の姿が目に入ってきた。ここに来れたのは、中世美術館に行きたかったこと、一部の地区を重点的に歩いて回っていたことと、運がよかったこと、そして次回に紹介するところにも行きたいと思っていたからなのだと思う。もっとも、再掲のこの画像をカメラに収めたのは、あきらかに周囲の建物とは異なる風貌をしているし、なぜここだけが廃墟になってるのかといった疑問だけでのことだったが。
『背教者ユリアヌス』とその解題を読んで、パリという都市の名前がルテティアに住んでいたパリシー族に由来すること、辻邦生が1957年秋にはじめてパリを訪れた際、フランス文学者の森有正にクリュニー博物館の四つ角にある廃墟が「ユリアヌスの浴場」と呼ばれていることを教えてもらったことを知った。今となってはこれらの画像は、私にとってまた新たなる意味が加わったものになった。

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