デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



遠山茂樹『明治維新』 ★★★★★ 

安野光雅,半藤一利,中村愿『史記と日本人』 ★★★★★

三友量順 『玄奘』 ★★★★★

魯迅『故事新編』 ★★★★★

村松 伸 (著), 浅川 敏 (写真) 『図説 北京』 ★★★★★

『秦の始皇帝と兵馬俑の謎』 ★★★★☆

鶴間和幸『人間・始皇帝』 ★★★★★ 

湯浅邦弘『中国の世界遺産を旅する』 ★★★★★
…殷墟、孔子廟、兵馬俑、万里の長城、泰山、敦煌、明十三陵といった中国の世界遺産のすごさをコンパクトに説明している本。旅行前にこの本から遺跡の歴史とその背景に流れる中国の思想について知ったり、帰国後に現地で見たものに対して理解を深めるのも良い。

オルテガ『大衆の反逆』 ★★★★★

谷口長世『アンネ・フランクに会いに行く』 ★★★★★
…岩波ジュニア新書として出版されてはいるが、内容的に大人でも考えさせられ唸ってしまうだろう。この本に出てくる日本人がアンネ・フランクを好きな理由ってどこにあるのか?という疑問を突き詰めて考えると、第二次大戦のアジア圏侵出の負の面を被害者づらで免罪してもらおうという狡い心理がはたらいているように感じた。

井波律子『史記・三国志 英雄列伝』 ★★★★★

安野 光雅・半藤 一利『三国志談義』 ★★★★★

保立道久『現代語訳 老子』 ★★★★★
…これも老子にある言葉なの?と今更にして知ることが多かった。本の中のコラムにあるギリシア哲学や中国の古典が日本に及ぼした影響については目を丸くした。日本における中国の神々の本地垂迹という言葉についても初めて真面目に考えるきっかけとなったが、内容が濃すぎてとても一言で語りきれるものではない。

トレヴァー・ノートン『世にも奇妙な人体実験の歴史』 ★★★★★

與那覇潤『中国化する日本』 ★★★★★

藤井省三『魯迅と紹興酒』 ★★★★★

佐藤 優『秩序なき時代の知性』 ★★★★★
佐藤 優『知の操縦法』 ★★★★★
…『知の操縦法』のヘーゲル哲学をいかに世の中のとらえ方や普段の生活に実践していくか、非常に高度な内容に感じた。

高井弘之『誤謬だらけの「坂の上の雲」』 ★★★★☆
原田 敬一『「坂の上の雲」と日本近現代史』 ★★★★★
…司馬遼太郎の『坂の上の雲』は膨大な資料をもとに書かれ、物事の単純化と断言調の文章から小説の内容を史実だと少なくない読者に勘違いさせるが、勘違いしたままで終わってしまうのはやっぱりいけないなと思ったので読んだ。内容的には教科書よりそれなりに詳しいものになっているくらいの本なのだが、あの作品で描かれなかった明治日本にとって都合の悪い史実は案外よく忘れていることを痛感させられる読書でもあった。

與那覇潤『知性は死なない』 ★★★★★
…大学での研究や教育の世界の現場は雲の上の世界のように感じられることがあるが、平成の時代に学問に真摯な姿勢が建前と化した現状を憂いだ著者の悩みは伝わってきた。学問に対して本当に真摯な人なんだなと思ったし、これからも著述業を通じて世間に思いを発信していってほしい。

井波律子『キーワードで読む三国志』 ★★★★★

ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス(上)』 ★★★★★
…この本のことはTVの特集で知ったが、地球上での人間社会や環境の問題で未解決なものは無数にあれど、人類が地球を征服する上での問題の解決にはたかだか数万年しかかかっていないこと、地球征服にあたり人間が解決しようとした大きな問題とはなにか、解決にあたってどのような困難が横たわっていたのか(横たわりつづけているのか)について、新たなる視点から記述されていて非常に読んでいて楽しかった。
とくに面白かったのはエピクロスや釈尊や旧約聖書の神が人間にとっていかなる作用を及ぼしてきたのか、また人類はなぜ動物や植物と話すアミニズム的信仰から神と人間しか出てこない神話が幅を利かせるようになっていったことを論じた箇所だった。一つの宗教的価値観でがんじがらめになっている状態を俯瞰できるようになるのでは思う。
テーマは多岐にわたる。宗教以外の医療や経済、社会問題のテーマも、斬新なアプローチに充ちているように思った。
後編と『サピエンス全史』も読む予定である。

越年読書
『阿呆物語』、『坂の上の雲』、『燃えあがる緑の木』、どの作品もずるずると数ヶ月かかるかも。

世間では常識でも自分は知らないといったことを自覚することが本当に多く、ここ数年、そういった無知状態を穴埋めするための知識を得る作業が多くなっている。今年ほど勉強不足であることを痛切に感じられた年はなかった。
ものごとを考えるために必要な基本的知識を得れるこれらの本に対しては、「こんなこと知らなかった」「こんな風に表現できるなんてすごいな!」という感嘆しか出てこない。その本を読んで自分はいかに感じどのように考えるのか、それを乱文でも良いので出力しようにしようにも上手くいかず、記事をアップしたい気持ちだけがずるずると空回りしているのが、ここ数年続いている。
本を読むのは必ずしも弊ブログ上で感想を書くためではないのだが、一旦本の内容に唸らされ感想を記事にしたいと思ったら、その内容について無知であろうが人様からどのように言われようが勢いのまま記事にする「蛮勇」が必要なのだ。しかし、そういう気持ちに二の足を踏むというかどんどん抑えられているといってもいい。
なにはともあれ、来年もいい本と出会えればなと思う。
更新頻度は少なくなっていますが、来年も弊ブログをよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。


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「日の名残り」(1993) ★★★☆☆
…雰囲気を出そうとがんばってはいるが、原作に見られる回想のなかの繊細さを映像化するのは難しいと思わざるを得なかった。

「レッズ」(1981) ★★★★★
…インターミッションのある長編で三日かけて鑑賞した。よくぞこんな作品をつくったな!と感心した。帝政ロシア末期からロシア革命、ソビエト成立の時代、アメリカでの労働運動と共産主義に傾倒していった実在のアメリカ人記者ジョン・リードとそのパートナーで女性解放運動家ルイーズの物語だが、ロシア革命を直接目にしたリードの高揚感とソビエトの官僚主義への幻滅の場面だけでも、この作品が革命に夢をはせ時代に翻弄される群像劇として秀逸であることを感じさせた。

「ドクトル・ジバゴ」(1965) ★★★★★
…これまた長編。主人公は没個性な聖人君子でないことに、今更気付いた。

「バリー・リンドン」(1975) ★★★★★

ベスト・キッド」(1984) ★★★★★

「弾丸を噛め」(1975) ★★★★★
…キャンディス・バーゲンが過酷なレースに参加するミステリアスな女性の役を演じていたとは知らなかった。

「冒険者たち」(1967) ★★★★★
「サムライ」(1967) ★★★★★
…両作品ともにアラン・ドロン絶頂期の哀愁漂う切ない役柄による魅力が爆発しているような作品だった。

今年はやたらラグビーとナチスドイツに関するドキュメンタリー、ベルリンの壁に関するドキュメンタリー、レオナルド・ダ・ヴィンチに関するドキュメンタリーを観ていた。
来年はもう少し見たい映画に対して積極的になりたいと思う。


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2019年も終わろうとしている12月下旬に、1月中旬にbunkamuraまで鑑賞しに行った「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティックロシア」の感想を書いておきたくなるとは自分でも苦笑せざるを得ない。


ロシア美術にそこまで関心の無い人でもこの「見知らぬ女(邦題:忘れえぬ女)」はどこかで見たことがある、という人は少なくないだろう。
昨年、展が開催されていることを知った私は「見知らぬ女」と「月夜(展では月明りの夜)」にぜひまた会いたいと思い、そのためだけに夜行バスでの強行軍旅行を敢行したのだ。
アレクセイ・サヴラーソフ「田園風景」、イリヤ・オストロウーホフ「芽吹き」、アブラム・アルヒーポフ「帰り道」、コンスタンチン・クルイジツキー「月明かりの僧房」、イワン・シーシキン「森の散歩」「雨の樫林」「正午、モスクワ郊外」、グリゴーリー・ミャソエードフ「秋の朝」、イワン・ゴリュシュキン=ソロコプドフ「落葉」、イリヤ・レーピン「画家イワン・クラムスコイの肖像」、イワン・クラムスコイ「月明かりの夜」「忘れえぬ女」、パーヴェル・チスチャコーフ「ヘアバンドをした少女の頭部」、ニコライ・カサートキン「柵によりかかる少女」、オリガ・ラゴダ=シーシキナ「草叢の少女」、アレクセイ・ボゴリューボフ「ボリシャ・オフタからのスモーリヌイ修道院の眺望」、ニコライ・クズネツォフ「祝日」、これらの作品に見入り、ほかにもメモをした作品も少なくなかった。
クラムスコイの2作品とレーピンの「画家イワン・クラムスコイの肖像」はレーピンの随筆『ヴォルガの舟ひき』の内容を思い出しながら特にじっくりと鑑賞した。

2019年に行った美術展については、弊ブログで触れた分以外にも「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」、「トルコ至宝展」、「西洋近代美術にみる神話の世界」、「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」、「円山応挙から近代京都画壇へ」にも足を運んだ。いずれも素晴らしい特別展だった。来年もいい美術鑑賞の機会に巡り合いたいものだ。


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こんなこと言っちゃなんだが、渋谷にも坂道があるとは知らなかった。

途中郵便局に寄った。切手を買ってから職員さんに
bunkamuraの場所を訊いたら親切に教えてくれた。








東京への弾丸旅行の目的はこの展を鑑賞することだった


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渋谷にはずいぶん訪れていなかったこともあって、お上りさん丸出しの気分だった。





渋谷といえば忠犬ハチ公像だが、駅前の屋台の焼き鳥を貰いに来る犬の話に尾ひれがつきあげく変質した説を子どもの頃に聞いて以降、新たな説を聞いていない。今ならもっと説得力のある実像を唱える説があるのかも。




しかし本当に人の多い所だなぁと改めて思った。


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