かつてどうしても手に入れたかった作品が、以前ほどその作品に対する執着が薄れたことを書くのに深刻ぶる必要はないのだが、古本市にて作品のことが分からなくほどになったのは初めてなので、やっぱりそのことは覚えておこうと思う。
その作品を今になって再読してみると、当時、クラムスコイの絵の鑑賞のための予習とはいえ、やっぱりどんなものであれ感動しようとしたんだなと思う。そして誤字がいくつかあったクラムスコイの伝記の影響がよほど強かったことも思い出した。その伝記はなかなか手に入らず、結局図書館の人が探し回ってくれたおかげで、他館からの相互貸し出し資料として読んだのだ。期限があったのでそれこそむさぼるようにだ。その勢いのまま伝記の中で紹介されていた『ディカーニカ近郷夜話』を探し出し読んだ。とはいえ古本でも手に入らず、古本店や古本市があれば探すようになっていたが、その探したい気持ちが未だに続いていたのかもしれない。
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