デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



日が照ってきた


当時のモザイクも残る

 紀元前一世紀の初頭、ガイウス・セルギウス・オーラータ(以下セルギウスと表記)という裕福な商人が考案したのが大浴場の始まりという。ヴェスヴィオ火山からほど近い、カンピ・フレグレイ(ナポリ西部の火山性カルデラ盆地)の海岸沿いでは、温泉の蒸気を利用して病気を治療する習慣があった。それは「発汗室」でたっぷり汗をかくことであった。悪い体液を外に出すいわばサウナ浴をすることが病気にいいと信じられていた時代である。
それを見たセルギウスは、地下で炉を燃やし、床下や壁のあいだに熱を伝えることによって、天然の発汗室を再現できると考えつき、それが大浴場となっていったそうだ。大浴場は裕福な階級の人間や時に皇帝も関わって、あちこちに作られた公共施設であった。






石油のない時代であるから、浴場の水を温める燃料は木材であった。ほぼ毎日、浴場では大量の木材が燃やされた。ローマ帝国全体となるとヨーロッパ中の木が切り倒されたように思う人もいるかもしれないが、人口に対して必要になる木材の量からすると、砂漠になるようなところはなかったようだ。

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