僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

村岡花子と 「赤毛のアン」

2021年01月24日 | 読書

先月末のブログにTVドラマ「危険なビーナス」のことを書いたのですが、そこに出演していた吉高由里子さんがよかったなぁ、とも書きました。で、その吉高さんが、7年前のNHK朝ドラ「花子とアン」に出演していたということも、ネットで知りました。

「花子とアン」は「赤毛のアン」を翻訳した村岡花子さんをモデルにしたドラマですよね。僕は見ていませんけど、そういうドラマがあったことは知っていました。吉高由里子さんはそこに花子役で主演していたんですね~。

NHKの朝ドラを見たのは3年ほど前の「わろてんか」が初めてで、それまでは何も見ていません。だから「花子とアン」も見ていない。う~ん残念。見たかったなぁ、と思いながらネットを巡っていると、何という偶然か、1月から再放送が始まる、ということが出ていたのでビックリしました。

そしてそれ以来楽しみにしていたのが、いよいよ明後日の26日(火)からその放送が始まります。NHK総合テレビで、平日の午後4時20分から50分まで、1日2本放映されます(ただし大相撲や国会中継などがある時は休止)。

これはもう、絶対に見なければ。

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「赤毛のアン」は、高校の時に夢中になって読んだ懐かしい小説です。

話はいつものように(笑)昔にさかのぼりますが、高校へ入学した時、「これからは本を読むぞ~」と、なぜかわからないけど、そう心に決めました(それまでは漫画ばっかりですわ)。そして高校生活3年間で沢山の本を読んだのですが、当初の1~2年はもっぱら海外文学に集中していました。

一年生だった1964年(東京五輪のあった年)の、当時の自分の読書ノートが今も残っているのですが、それを見たら、コナン・ドイルの「シャーロックホームズの帰還」とか、スタインベックの「赤い子馬」、デフォーの「ロビンソン漂流記」などの感想文が書かれていて、そのあとモンゴメリの「赤毛のアン」「アンの青春」「アンの愛情」と、アンのシリーズが並んでいます。1作目のアンがあまりにも素晴らしかったので、続編を買って楽しく読み続けたんですよね。それ以来、その本はずっと心に刻み付けられていました。アンと最後に結ばれる「ギルバート」という男友達の名前も、いまだに忘れられません(今では昨日見たドラマの主人公の名前も忘れます )。

そんな思い出深い「赤毛のアン」ですが、それ以降は読むこともなく、あくまでも過去の懐かしい思い出だったのですが

先日のこと。

図書館へ行って文庫本のコーナーを眺めていたら「アンのゆりかご」という本が目につきました。著者は村岡恵理という人。村岡花子さんの子供か、孫か? と思い、本を手に取って表紙裏の著者紹介欄を見ると、花子さんの孫に当たる人でした。で、この本を借りることにしました。

「アンのゆりかご」は400ページにもなる文庫本でしたが、これを読みながら、「赤毛のアン」を翻訳した村岡花子さんがどれほど波乱に満ちた人生を送ってこられたのかが、手に取るようにわかりました。

花子さんは1893年(明治24年)生まれで、10歳のとき父に連れられ、カナダ人宣教師によって創立された東京のミッションスクールへ行き、そこの寄宿舎に入って英語の勉強を始めます。その後、紆余曲折を経ながらも英語を勉強し、成人して子どもたちに英語を教える立場となり、また翻訳を始めたりしながら、人生を力強く歩んでいきます。

そして歳月は流れ、1939年(昭和14年)、つまり僕が生まれる10年前ですが、花子さんが46歳のとき。当時、キリスト教関係の本を出版している会社で同僚だったカナダ人婦人宣教師のミス・ショーという人が、日本が戦争に突入したことで居られなくなり、カナダへ帰国することになりました。ミス・ショーが帰る日、見送りに来た花子さんに「私たちの友情の記念に」と、1冊の本を渡します。
「いつかまた、きっと平和が訪れます。その時、この本をあなたの手で、日本の少女たちに紹介してください」
そうして受け取った本が、カナダの女流作家、ルーシー・モード・モンゴメリが書いた「アン・オブ・グリーン・ゲイブルス」という本でした。村岡花子さんの運命を変えた一冊でした。

花子さんはやがてコツコツとその翻訳を始め、太平洋戦争で東京の大空襲を受けた時にも、本と翻訳原稿が入った風呂敷包みを抱えて逃げました。

そして1952年(昭和27年)、花子さんが59歳の時に「赤毛のアン」という題名で出版され、以後7年にわたってアン・シリーズを翻訳して出版したということです。

そんなことが、花子さんの孫である村岡恵理さんによって詳しく記述されています。ちなみに恵理さんは1967年(昭和42年)生まれということです。

最近、僕も読書量がめっきり減り、あまり長い本は読まず、簡易なエッセイのようなものばかり読んでいましたが、久しぶりに読み応えのある一冊でした。


 
 これが羽曳野図書館から借りた文庫本です。

ところで、この本の話をモミィにしたら、
「わたし、その本、読んだよ」と言う。
「あぁ、『赤毛のアン』を読んだということね」
と僕が言うとモミィは「違うよ」と首を振り、
「『赤毛のアン』も読んだけど、その本も読んだ」と言う。
「読んだって? どの本を?」と不思議に思って僕が尋ねると、
「いま、持ってくるわ」と自分の部屋に行って、一冊の本を僕に見せた。

こんな本でした。

 


「『赤毛のアン』と花子」というタイトルで、著者はやはり村岡恵理とある。少年少女向きの200ページほどの本で、読みやすく書かれているみたいだ。しかし、パラパラとめくって見ると、物語の内容は僕が読んだものとほぼ同じようでした。

モミィは本好きで、よく妻と書店へ行っていろんな本を買ってもらっているようだったけれど、こんな本も持っていたんですよね。ちょっとびっくりしました。

わが家にこんな本があると知っていたらもっと早く読んでいたのにな。と、思いながら、じゃ、せっかくだからこれも読んでみよう、と、モミィからその本を借りた次第です。

字が大きいし、文体もやさしいので、読むのに苦労せずに済みそうです  

では、明後日から始まる吉高由里子さん主演の再放送ドラマ「花子とアン」を楽しみにしています。

 

 

 

 

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