プロスキーヤーの三浦雄一郎さんが、86歳という高齢で南米大陸最高峰アコンカグア(標高6,961メートル)の登頂とスキー滑降をめざしていたが、現地時間の20日に登頂を断念したと報じられました。残念なことですが、チームドクターとして同行していた医師に「これ以上は事故の可能性が大きい」と説得されてあきらめた、ということでした。
三浦さんについては何度か書いてきましたが、一番最近では2013年5月のブログでした。この時は80歳だった三浦さんが、エベレスト登頂に挑戦し、見事に頂上にたどりついたニュースに興奮し、拍手を送りました。
その前に書いたのは三浦さんが75歳の時で、エベレスト登頂を成し遂げたわけですが、まさか80歳でまたエベレストへ…とは思いもしませんでした。
それなのに、今度はなんとまぁ86歳で南米で最高峰の山へチャレンジしたというのですから驚きです。
三浦さんには、心房細動(不整脈)の持病があります。僕も心房細動で10年以上病院へ通い続け、薬を飲んでいる身ですから、三浦さんの冒険にはいつも「心房細動は大丈夫だろうか?」と心配するのです。
心房細動というのは薬では完治しません。で、カテーテル・アブレーションという手術を受けると大体は完治すると言われています。ところが、僕も2007年(平成19年)の夏、ある大学病院に入院してカテーテル手術を受けたのですが、手術中に「不都合が起きた」(当時の担当医師の説明)とのことで途中で中止となり、結局何の得るところもなく退院するという悔しい思いをしたことがあります。それに懲りているので、今でも医師はカテーテル手術を勧めてくれるのだけど、断っています。
ところで、三浦雄一郎さんは心房細動のカテーテル手術をこれまで数回受けている、ということです。ということは、1回あるいは2回手術しても再発しているんですよね。やはり、カテーテル手術が成功しても「100パーセント完治」ではないのでしょう。そして三浦さんは心房細動の持病を抱えたまま75歳、そして80歳と、エベレスト登頂を果たしているのだから、う~ん、それはすごいなぁ、と感嘆したわけです。
まあ、常に医師が同行していたら、たとえ登山中に心房細動が出ても何らかの応急処置で治療してもらえるんでしょうけどね。
その三浦さんが、86歳と言う高齢でチャレンジした今回は、残念ながら医師の判断で途中離脱。ヘリコプターで下山ということになりました。
同行した医師の話では、三浦さんの血圧が高くなり、持病の不整脈(心房細動)が出始めたという。「不整脈自体は管理できるが、不整脈が出始めたということは、心臓への負担が強まってきたということ。そこからさらに標高を上げると、心臓への負担がかかって心停止を起こす恐れもある」と医師が判断したということです。心停止→心不全。
不整脈から心不全へ、そして死…。それも突然死。
僕自身、最近、何となくこの不吉な構図が気になっているところです。三浦さんのこの記事を読めば、やはり心房細動が出ると心臓への負担が強まり、心不全につながるもので、ホント怖いな、と思いました。
それでも三浦さんは「90歳でエベレスト」と言っているそうです。その言葉が、今朝の新聞の見出しにもなっていました。
いやまぁ、あきれるほどすごい方ですわ。三浦雄一郎さん!