高齢者が車を運転して事故を起こすニュースが後を絶ちません。1月9日に群馬県前橋市で起きた85歳の男性による暴走事故に巻き込まれた2人の女子高生は、今も意識不明のままなのでしょうか。将来ある子を一瞬にして不幸のどん底に突き落とした罪はあまりにも重いものです。
この高齢者の自動車事故は、起きるたびに「どのような防止対策が必要か?」という議論がされますが、結局、運転免許証の「自主返納」を促すぐらいしか出ていません。車がなければ生活に著しく支障が出る人も大勢いるだろうし、そう簡単には車の運転とサヨナラすることはできないだろうと思います。それに、ほとんどの人は「自分に限っては事故は絶対に起こさない」と思っておられることでしょうしね。
しかし、事故を起こした多くの高齢者たちが、ブレーキとアクセルを踏み間違えたり、事故を起こした瞬間が「記憶にない」と言ったりしているのを見ると、道を歩くのが怖くなるほどです。僕などはウォーキングが好きなのでいろんな道を長時間歩きますが、狭い道路で向こうから車が走って来ると、極端に隅に寄って警戒する癖がついてしまいました。運転席に座っている人が高齢者だったら、余計に警戒します。いつ何時「記憶にない」ような無謀運転が勃発し、急にこちらの方に突っ込んでくるのではないか、という恐怖がチラチラと脳裏を掠めるからです(僕はとても怖がりなのです)。
もちろん高齢者でもきちんと運転する人が大半だと思います。年齢よりも、僕のように「運転に向いていない」性格、つまり注意力が散漫な人間は年齢に関係なく事故を起こしやすいのでは、と思います(で、僕はペーパー・ドライバーだったし、運転免許証も自主返納しています)。
それと高齢者でなくても運転中に携帯電話で話したり、スマホを覗いたりする人もいるので、こういうのをもっと取り締まらなければならないとも思うわけですが、それを踏まえたうえでも、やはり昨今の高齢者事故の異様な多発ぶりを見ていると、何とかならないものか、と思ってしまいますよね。
一部では「一定の年齢に達したら免許証を更新できないようにすべき」との意見がありますが、被害を受けた方の悲惨さを考えた時、そういう方法もやむを得ないのではないか、と考えざるを得ません。
そんな折、今月中旬に載った新聞記事を見て驚きました。
91歳、1歳はねた疑い
という見出しでした。本文を読んでみたら、91歳の男性が、家の前で遊んでいた1歳の女の子をはねて、そのまま走り去ったという記事。女の子は頭蓋骨骨折の重傷を負い、それを目撃していた人が警察に通報し、91歳男性がひき逃げ容疑で逮捕されたというものでした。男性は「近所に用事があった」と言ったそうですが、近所なら車で行く必要もなかったのでは、と思いましたけど。
そして、なんで驚いたのかと言えば…
その事故現場が、なんと我が家のすぐ近くだったのです。さらに調べてみると、モミィの通学路でもあったので、これにもまたびっくり。
容疑者の91歳は「人をひいた認識はない」と言っているそうです。ま、本当に認識がなかったのかどうかはわかりませんけど。
しかしウチの近所で高齢者の自動車事故が起きたのだから、ホントに怖い。やっぱり91歳にもなって車を運転するのは危険だなぁ、と思わざるを得ません。
そしてこの話には「おまけ付き」で、実はこの91歳の男性は免許証を更新しておらず、6年前に失効していたまま、つまり無免許運転だったことが記事の最後のほうに書かれていたのです。え~っ? 無免許だった!
ふむ。これなら、一定の年齢に達したら免許証更新ができなくなる制度を作ったとしても、無免許で運転する高齢者がどんどん増えてくるかも知れない。
本当にむずかしいですよね、この問題は。