僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

政務活動費は生活費…?

2016年09月19日 | 議会&役所

富山市議会の政務活動費不正問題が連日報道されている。
「またか」といううんざりする気持ちと同時に、
この問題は起きて当然…という気持ちも、ある。
この制度自体に、根本的な問題があるんだから。

白紙の領収証を使って使途を捏造する議員の手口は卑劣だが、
それをチェックもせず受け入れる議会事務局にも問題がある。


僕は38年間、大阪府の松原市役所に勤めたが、
そのうち、通算して26年間、議会事務局で仕事をしてきた。
年齢で言えば、まず、26歳から42歳まで議会事務局で勤務した。

その後、総務課文書法規係と秘書課広報係で8年間勤務し、
ちょうど50歳になった時に議会事務局に戻され、
定年退職になるまで10年間、そこで勤務した。

だから自分の公務員生活は、議会抜きにしては考えられない。
それはもういろんな議員がいたし、いろんな出来事があった。

そして問題となっている政務活動費のことだけれど…


僕が最初に議会事務局にいた頃は、
「政務活動費」というものはなかった。

議会事務局に戻った年の翌年(平成12年)に、
「政務調査費」という法制度ができたのだった。
「政務活動費」ではなく「政務調査費」です、念のため。

議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として、
会派または議員に対して政務調査費を交付することができる…
…というような趣旨で地方自治法が一部改正されたのである。

しかし「議員の調査研究に資するため必要な経費の一部」
と言ってもその使途範囲は議員にもよくわからなかったようだ。
つまり、どこまでこの政務調査費を使っていいか…という問題だ。

これは議会事務局がしっかり勉強して、議員に対して、
きちんとした“指導”をする必要があったと思う。

僕はかつて新人議員から、
「政務調査費でテレビを買ってもええんですか?」
と尋ねられたとき、
「なに言うてはりますねん。あかんのに決まってますがな。
そんなことしたら新聞に載って議員をクビになりまっせ~」
と言ったことがある。
「テレビは調査研究に必要では?」
などとその議員は言ってたけど、そんなアホな。
世の中にはジョーシキというもんがあるやろ。


いくら市民から選ばれた議員だといっても、
ダメなことはダメ、ときっぱり伝えなければならない。
(たまには議員をビビらせたりしながらね~)

うちの議会事務局では、当時は、議員から、
「これは政務調査費で支出できるのかなぁ?」
という質問を受けることが多かった。
そういう雰囲気を作ることが大事なのだ。
そうでないと、議会事務局の職員は、
何でも議員の言いなりになってしまう。
それでは、存在の意義が失われてしまいますよね。
(最近の松原の議会事務局はどうか知りませんけど)

その「政務調査費」が「政務活動費」と名称変更されたのは、
僕が定年退職してから3年後のことだったようだ。
僕は、そんなことは全然知らなかったけれど、
あの「号泣議員」野々村竜太郎騒動でそれを知った。

何のために「政務調査費→政務活動費」という法改正がされたのか?

「政務調査費」では、
「議員の調査研究に資するため必要な経費…」に充てるだったが、
「政務活動費」に名称が変わったら、
「議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費…」
…と改められた。

つまり「議員の調査研究に資するため」から、
「議員の調査研究その他の活動に資するため」に変わった。
「その他の活動」という文言が新たに付け加えられたのだ。
これがクセ物で、そのため、使い道が広がったわけである。
(例えば会議費での茶菓などもOKになった)

ただでさえ公私混同を起こしやすい「政務調査費」だったのに、
それが「政務活動費」になって、ますます不明瞭な使途が増えた。

国もなぜこういう名称と内容を変えたのか…? 
これまでどおりの「政務調査費」でいいのに。
どうも、その意図がわからない。

ところで…
連日の新聞を見ると、政務活動費が、
「政活費」という見出しになっている。
縮めると、まぁそういうことになるけれど。

…でもねぇ。

「せいかつひ」といえば、
「政活費」より「生活費」を思い浮かべますよね。

政活費が「生活費」のイメージと重なって、
舛添前都知事じゃないけれど、公費を生活費として使う…

…ということで、この「政活費」という言い回しも、何だかなぁ。

「せいかつひ」を「生活費」に使って何が悪いねん!

な~んて、開き直る議員が出てきたりして。

全国各地の議会で次々と政務活動費の不正が発覚する中、
まずは名称を変更し「その他の活動」を削ることですね。
あとはそれぞれの議会の良識に期待するしかありません。

大阪府泉南市では政務活動費を全廃しました。
ここまでせよ、とは必ずしも主張しませんが、
いま、何かと話題になっている東京都議会では、
政務活動費が1人月額60万円だということです。
高い報酬(給料)をもらっている上に、ですよ。

多すぎますね、どう見ても。

 

 

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする