「メリル・ストリーブ」の名前が出てこない
西加奈子さんというイラン生まれでエジプト育ち、その後、
大阪の府立高校から関西大学に行かれた直木賞作家の方が、
新聞のコラムで、こんな意味の文章を書かれていた。
まだそんな年ではないのに、最近物忘れがひどくなってきている。
例えば俳優の「ラッセル・クロウ」という名前が出てこない。
「レイジング・ブル」という映画が浮かぶのだが、
これはロバート・デ・ニーロだし。
そして、夫は
「メリル・ストリーブ」が出てこない…とも。
そのくせ、自分の昔のことはよく覚えている。
4歳のある日に食べたカレーの味や、その皿の模様とか、
小学校1年生の時に旅行で泊まった10件のホテル名とか、
そんなことは克明に覚えているのである。
…と。
これを読んだ僕は、まったく他人事ではない、と思った。
物忘れの激しさに関しては、僕は人に負けない自信がある(笑)
しかし、昔のこととなると、やっぱり僕も、よ~く覚えている。
中・高校時代に流行した歌、例えば橋幸夫や舟木一夫らの歌は、
何十曲でも、1番から3番まで、歌詞カードなしで全部歌える。
でも、最近の歌は…
五木ひろしや坂本冬美の演歌はよく聴くが、
新曲となると、歌詞どころか題名もすぐ忘れてしまう。
さて、話はメリル・ストリーブに戻りますが…
「僕もメリル・ストリーブが出てこなかったんだ…」
と、最近の自分の体験を思い浮かべた。
このごろ、映画俳優やタレントの名前が出てこないのだ。
「え~っと、アレ、誰だったっけなぁ?」ばっかりで。
そのメリル・ストリーブに関して、
ある大好きだった映画にまつわる話ですが…
まず主演のクリント・イーストウッドの名前が出てこず、
妻に「あの、ナンとかのナニという映画に出ていた…」
などと、まったくわけのわからないことを口走り、
クリント・イーストウッドの相手役の女優の名も出てこない。
おまけに、映画の題名も、もう少しで出そうなのに出てこない。
僕のこれまで見た中でも、好きな映画ベスト10のひとつであり、
映画の情景は、頭の中に、はっきりと思い浮かんでいるのに…。
そうこうして、やっとクリント・イーストウッドの名が出てきた。
次に映画の題名も「何とかの橋」だったことを、やっと思い出し、
「マディソン郡の橋」が出てきたのは、しばらくしてからだった。
さらにその映画のヒロインだったメリル・ストリーブの名前は、
翌日になるまで思い出せなかった。
未だにこのメリル・ストリーブがすんなり出てこない。
僕は、同い年でもある彼女のファンなんですけどね~
(ファンなのに名前を忘れるのはどういうわけ?)
もちろん、人の名前だけじゃなく、
他にも物忘れは、上げればキリがないほど毎日起きる。
どんな物忘れがあったか、それも忘れてしまってますが。
家の中でも、「あれ、この部屋に何しに来たんだろう?」
…というようなことは、日常茶飯事である。
新聞を取りに玄関を出たのに、そのままガレージへ行く。
で、頭の中が白紙になり、なんで外へ出たんだろう…?
…と立ち止まったまま首をかしげる。
毎晩、いくつかの夢を見るが、目が覚めると
どんな夢だったか…今では一瞬で忘れてしまう。
以前は、見た夢はハッキリと覚えていたのにねぇ。
また、物忘れとよく似たものに「物間違え」というのもある。
先日のこと。
スポーツクラブのロッカーで海水パンツを穿こうとして、
ビニール袋から海パンを取り出したら、それは…
海パンでなく、よく似た色の短パンだった。
家で持ち物の準備するときに、入れ間違ったのだろう。
こういう間違いは今までしたことはなかったので、
これには、ちょっとショックを受けた。
物忘れに物間違え。
年はとりたくないですね~
最近は横からモミィが、
「それは〇〇よ」と教えてくれたりする。
「あ、そうか、そうだったよなぁ」と僕。
そろそろ、世代交代の時期でしょうか。
一昔前のサラリーマン川柳に、こんなのがあった。
アレどこだ アレをコレする あのアレだ
僕もつい「アレ」とか「コレ」を使いがちですが、
なるべく言わないように心がけたいものですね。
もう、手遅れかも知れませんけど。