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 僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

福祉まつりで

2013年11月15日 | 日常のいろいろなこと

この間、近くの市民会館で「福祉まつり」というのがあって、3人で出かけた。毎年行われている行事だけれど、去年は妻とモミィの2人だけが行き、僕は今回が初めてだった。


会館内では、紙芝居があったり、折り紙、ぶんぶん駒、小物、おもちゃなどを作ったり、屋外では、わた菓子、ポップコーン、焼きそば、ジュースなどが売られていた。会場は親子連れで大賑わいだが、地元でとれた柿や、障害者の方たちの手作りの衣類、小物等の販売などもあり、また「脳年齢」「肌年齢」を計測するコーナーもあったりして、大人だけで来て楽しんでいる方たちも沢山いた。


これは市と社会福祉協議会の主催で「福祉」というタイトルがついているだけに、点字体験や手話体験コーナーもあった。モミィもボランティアの方に手伝ってもらって自分の名前を点字で作ったり、「わたしはモミィです」というのを手話でどう表現するのか教えてもらったりしていた。むろんモミィも初めてだったので、むずかしかったと思うが、かなり関心は抱いたように見えた。手話の時は、隣に座っていた僕にも、ボランティアの方が「お父さんもどうぞ」(いろんな所でお父さんと呼ばれる←ホンマです)と声をかけてくださり、初めて手話というものを体験した。


今頃こういう感想を述べるのも恥ずかしいことだけど、福祉ボランティアの方々の多いのに本当に驚いた。スタッフとして子どもたちにいろいろなことを教えてくれるこの方たちは、そのうちの多くは僕らと同世代か、それ以上の年齢の方々がほとんどである。これまでボランティア活動には縁のなかった僕は、これだけの人々が地域で地道に活動されていることに改めて驚きを禁じえなかった。なかなか自分にはできないことである。

 

  
   小物づくりを教えてもらうモミィ(赤い服)




それで…、ひとりのボランティア女性の方が、モミィに折り紙を教えてくれていた時である。僕がそばに寄って行くと、その女性と目が合った。「あっ!」とお互いに声を出し合った。同時に顔を確かめ合った。懐かしい~。


以前…息子たちがまだ小学校の頃だったけれど、その女性は、わが家と背中合わせになるお家に住んでおられた方だった。僕と同じような年齢だったと思う。隣の松原市で小学校の先生をされていた。僕がそこの市役所に勤めていたので、道で会うとよく言葉を交わしたものである。やがて先生は引っ越され、以後数十年の間に二度か三度、道ですれ違い「あ、どうも~」と挨拶をしたことがあるので、そう遠くには引っ越されていないのだろうと思っていた。それが偶然にも、ボランティアとして、モミィの折り紙のお相手をしてもらっていたわけである。びっくり!


「お孫さんですか?」と、先生。
「ええ…」と僕。
「まあ、お兄ちゃんそっくりですよね」
とモミィの顔をしみじみと眺める先生。


「お兄ちゃん」とは、むろん僕の長男のことで、モミィのパパである。先生は長男の子どもの頃を顔をよく覚えてくれていたようだ。


折り紙が終わり、モミィは他のコーナーへ行き、僕も先生にお礼を言ってその場を離れようとした。すると先生が追いかけてきて、


「実は私、今、ボランティアとしてこういうところで活動しているんです」
と、1枚の紙を僕に手渡した。そこには、


傾聴ボランティア ○○○○は、
みなさんのお話相手をしています。
活動先は、○○ディサービスセンターと○○特養施設、個人宅などです。
傾聴ボランティアをしてみませんか?
興味のある方はお問い合わせ下さい。
連絡先 ○○○○


と書かれてあった。先生は、僕が目を通し終わったのを見て、


「お年寄りの方のお話相手になるんですよ。ま、ほとんど聴き役で、いろんなことをお話されるのを聴くのですが、人生経験豊富なお年寄りの方たちのお話というのは、それはそれは、とても勉強になりますよ。私自身の人生観も変わりました。もしよろしければ、一度、このボランティアに参加されてみませんか?」とおっしゃった。


傾聴ボランティア…
少し気持ちが揺らいだが、でも続けられる自信はない。


「はぁ……」と僕は曖昧に笑ってその紙を折りたたみ、バッグに入れ、先生と分かれた。

 

僕は先生の情熱を肌で感じながら、立派な生き方だなぁ、と感心した。


でも僕には…う~ん、やっぱり、無理だろうなぁ。
「傾聴」というより「軽佻」という言葉のほうが似つかわしい僕だから。

 

 

 

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