僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

涙なくしては語れない“禁酒”

2013年01月21日 | 日常のいろいろなこと

2ヵ月に一度、持病の心房細動(不整脈)その他の検査・診察のため、隣接市の徳〇会病院に通っている。通い始めて、もう6年近くになる。

その検査結果を見ると、モンダイの心房細動や服用する薬の血中濃度などは良好なんだけれど、肝臓の数値(ガンマGTP→アルコールによる肝臓のダメージ度)が、僕の場合、基準値よりかなり高いのだ。たとえば昨年9月までの検査結果の平均的な数値は130前後だった(正常範囲は「12~49」とある)。

肝硬変などの重篤な症状につながることもあり「なるべくお酒は控え目にされるのが良いかと…」と、毎回のように担当医師からチクリと刺されていた。

そこで前回(去年の11月)は、ちょっとセコいやり方だったけど、検査日までの1週間だけ禁酒をした。すると、130前後だった数値が88まで下がった。(単純な体ですわ)

「いいですね、その調子で節酒してください」と医師がほめてくれた。しかし恒常的な節酒がどうしてもできない。要するに意志が弱いのである。昔の歌の文句ではないが「♪わかっちゃいるけどやめられない~」のだ。

そこで…次の検査日は今月の28日(月)なので、今度は2週間の禁酒をすることにした。前回より1週間の延長だ。お酒にだらしない自分に、せめてこれくらいの「体罰」は課さなければね。

そんなことで検査日の2週間前である先週14日から禁酒を始めたのだ。現在、半分とちょっと過ぎたところである。(あぁ、早く28日が来てほしい~)

ところで、この禁酒中に、悲しい出来事があった。
涙なくしては語れない話なのである。グスン(もう泣いている!)

どんな話かというと…

数日前、かつての職場の後輩から僕の携帯に電話が入った。

かけてきたのはケンちゃんという僕よりひと回り年下の大男で、むろん今も現役バリバリで仕事をしている。もう何年も会っていないケンちゃんから、さて何の用件かと思えば、「××会のお誘いですねん」とはずんだ声で言う。

「××会」というのは、昔々に同じ課で仕事をしていた10人前後の仲間でつくった会である。共通しているのはみんな、飲んだくれ、ということだった。その中で一人飛びぬけて若かったのがケンちゃんだった。他のメンバーは、僕も含めて、もう全員が退職をしてしまっている。

以前は毎月のように飲み会をし、年に1度は1泊旅行へ行ってどんちゃん騒ぎをするという、メチャクチャ気の合った××会の仲間たちだったけれど、さすがに退職すると、少しずつ疎遠になり、年賀状で「またみんなで飲みたいですね」と他人行儀な言葉を交し合う程度のつき合いに成り下がってしまった。

その中で、ただ一人現役で仕事をしているケンちゃんが、××会の連中に声をかけ、何年ぶりかで飲んで騒ごうという話をまとめた…とのことだった。

「のんさんも来てくれはりまっしゃろ?」
「へぇ。そらええなぁ。ほんで、日にちはいつやのん?」
「24日ですねん」

「げぇっ~~~!」
24日…と聞き、僕は座っていた椅子から転げ落ちそうになった。

「24日…かいな。う~ん、24日なぁ…」と唸る僕。
「その日、都合、悪いんでっか?」とケンちゃん。
「あぁ、うぅ~」
「どないしはったんですか?」

「実はいま、禁酒中で…」と僕は説明を始めた。
「28日に検査があるねん。肝臓の数値が高いんで、2週間禁酒して検査に臨むことに決めたんで。その日まで、お酒は飲まんことにしてるんや。それ以後やったら、いつでもOKやけど

「へ? のんさん、肝臓の数値が高いんですか? 身長、低いのに」
「ほっといてんか!」

「お酒、飲まんかてよろしぃやん。水の飲み放題サービス、用意しときまっせ。げははは~」
「いらんわ。みんな酒飲んでる横で、水みたいなもん、飲めるかいな」

「そやけど、今回いちおう、のんさんは目玉ですよってにな」
「目玉? なんや、それは?」
「みなさん、会うのを楽しみにしてはります~ということですがな」
「それで僕が目玉…? そんなわけ、ないやろ」
「目玉ですやん。ちっこい目玉やけど」
「やかましぃわ!」

…そんな会話が交わされたのである。

××会の連中と会って酒を飲まない…というのは僕には100パーセント無理なことである。行けば絶対にみんなが酒を勧めるし僕も「ほな、ちょっとだけ」…と、いとも簡単に応じてしまうに違いない。なにせ意志薄弱ですから。

一口飲めば、えぇい、あとは野となれ山となれぇ…で、この連中と交わす酒だ、どうせ“わやくちゃ”になるまで飲むだろう。だからここは我慢しなければならない。妻にも「次の検査まで禁酒する」と約束したことだし…

禁酒をすると、このように、人から飲み会のお誘いを受けたときに断らなければならないのが、いちばん辛いところだ。

僕はダンチョーの思いで「とにかく今回は欠席させてもらうわ」と、涙を流しつつ、ヨダレが垂れるのを我慢しつつ、ケンちゃんにそう伝えたのである。

まあ、そのへんは気心の知れたケンちゃんである。なんやかんや言うても、心情は酌んでくれたようで、最後にはマジメな口調で、

「そらそうですわな。のんさんのことでっさかい。酒飲まんと水だけ…て、無理ですわなぁ。ほな、この次は夏のビアガーデンを計画してますんで、またその時に来とくんなはれ。みなさんに、そう伝えときますよって」

「悪いなぁ。せっかく誘ってもろたのに」
「いえいえ、かましまへん。体、大事にしとくんなはれ。では…」

それで、電話の会話は終了した。

以上です。

…涙なくして語れない話でした。(どこがやねん!)

 

 

 

 

 


 

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