早いものでもう1月4日だ。
今日から仕事という人も多いだろう。
退職して仕事を持たない僕には、区切りというものがない。
だから、カレンダーを確かめなければ、今日が4日だということがわからない。
まあ、人生そのものが、ず~っと正月みたいなものでは…ありますけど。
で、相変わらずブログで気楽な話を書く僕なのである。
今日はお正月とは全然関係のない「金属探知機」についてのお話を。
海外旅行などの時、空港で搭乗手続きを終えてから金属探知機をくぐる…。
僕はあれが嫌いで嫌いで仕方なかった。
なぜか僕が通れば、必ずと言っていいほど、ピンポーンと鳴るのである。
最初、腕時計が反応するのだと言われて、次はそれを外した。それでも鳴った。
ポケットにいろんなものが入っているから、上着を脱いで通ったらいいと言われ、
そうしたのだけれど、それでもピンポーンと鳴る。そしてボディチェックをされる。
「入れ歯が反応する人もいるらしいよ」と言う人もいたが、
僕は虫歯など1本もなく、歯は丈夫なので入れ歯はしていない。
「ごくまれに、金属探知機に反応する体質の人がいるそうだよ」
…という人もいた。 ほんまかいな…?
そんなことで毎回「ピンポーン」が繰り返されるうち、
僕は金属探知機恐怖症になった。
いろんな人にその話をしていると「ベルトだと思うよ」という人がいた。
はは~ん。なるほど、そうかもしれない。ベルトは外したことがなかった。
今もよく覚えているけれど、スペインへ旅行する時に初めてベルトを外した。
そして、いつものように緊張しながら金属探知機をくぐった。
「……」
初めてピンポーンの音は鳴らず、無事に探知機を通過した。
普通の人にとってはなんでもないことなのに、
僕はガッツポーズをしたいほどうれしかった。
それ以来、一度も鳴らなくなった。
それで思い出したことがある。ベルトの話ではありませんが…
初めてハワイへ行ったのは2003年のゴールデンウィークだったけれど、
その1ヶ月前にイラク戦争が勃発し、米国の飛行場のチェックは厳しかった。
オアフ島からマウイ島へ行く飛行機に乗る際、手荷物検査でひっかかった。
身体のほうはそれまで常にひっかかっていたが、手荷物は初めてだった。
美人の女性検査官が僕のバッグの中身を調べ始めた。
べつだん変わったものは入っていなかったのだが、
その検査官が「オー」と言いながら取り上げたのは電気カミソリであった。
どうやら、これが手荷物のX線検査で「怪しいもの」と見られたようだった。
「これは髭剃りですわ、ヒゲソリ」と相手に通じない日本語で僕が言うと、
キリリと引き締まった表情の美人検査官は、じっと僕の顔を見て、
「オー、ソリー」と言い、電気カミソリをバッグに戻したのだった。
電気カミソリだから日本語でソリーと言ったのか…
「ごめんね」と言う意味の「sorry」と言ったのが…
いまだに謎である。
そういえば、昔「アイムソーリー・ひげソーリー」というギャグがあったっけ。
…と、新年早々、なんのことやらわからぬ話をしておりますが…
金属探知機のベルトの話に戻ります。
4、5年前、東京の国会議事堂を見学したときのことである。
入り口に検査官が立っていて、ふと見るとそこに金属探知機があった。
僕はいつもの癖で、上着を脱いだり、腕時計を外したりしたあと、
ズボンのベルトを外そうとした。
すると、検査官の男性がそれを見て、
「あっ、あのぉ、ズボンまで脱がなくていいですから」
と言ったのである。
あのなぁ…
誰がズボンを脱ぐねん。 こんなとこで。
「はぁ…? ベルトを外すだけですけど」 と僕が言うと、
「あ、ベルトは、されたままで結構です」という返事が戻ってきた。
まあ、ここは空港ではないのだから。
何も考えずにベルトを外そうとした僕もあわて者だけど、
それを見てズボンを脱ぐと思った国会議事堂の検査官も、
かなりのあわて者だったのではないか、と思うのであります。