僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

「おつまみ横丁」や「文士料理」

2010年03月26日 | 日常のいろいろなこと

過換気症候群なるものに見舞われた翌日、今度は不注意から右足首を捻挫してしまった。
今日で4日目になり、湿布薬のおかげか、ようやくまともに歩けるようになったけれど、まだ少し痛む。1ヶ月後にランニングの大会に出る予定なのに、何と言う不注意。ロクでもないことが、よくもまあこれだけ続くことだなぁと自分でもあきれ返っているところだ。

さて、そういうことは忘れて、楽しい話題に変えます。

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去年、僕が退職したときに、一冊の本を送ってくれた人がいる。
僕より年齢が少し上の男性で、ウダさんという。
在職中も、退職してからも、ずっとお世話になっている人である。

そのウダさんが送ってくれた本は、瀬尾幸子さん著の「おつまみ横丁」。
サブタイトルが「すぐにおいしい酒の肴185」とある。

ウダさんもお酒好きである。それも本格派で、その道の「通」である。
「チューハイみたいなん酒と違う。酒はやっぱり日本酒に尽きる」
と、常々言っておられる。

そのウダさんから僕への退職記念品が、この「おつまみ横丁」だった。
本に手紙が添えてあった。

「…同封しましたのは幸子さんの本です。これで、とりあえず退職後185日間はしのいで下さい。186日目からは…さて、どうするかが問題や」

酒の肴、という言葉を聞いただけでぷるぷるっと喜びに震える僕である。
僕はウダさんの温かい心情に感激し、それ以降、「おつまみ横丁」を愛読し、そこに紹介されている多くの酒の肴を作って大いに満喫した。

そして、退職後の185日間は、あっという間に過ぎた。
それどころか、その倍の1年が間もなく経過しようとしている。

すると先日、またウダさんから一冊の本が送られてきた。
今度は狩野かおりさんの「文士料理入門」という本だった。

添えられた手紙の書き出しは、
「前略。手料理のネタも尽きただろうから、幸子の次はかおりに頼もうと思い、これを送ります」

   

   


「文士料理入門」は、太宰治、坂口安吾、池波正太郎、藤沢周平、向田邦子ら著名な作家たちの作品の中に登場する料理を取り上げ、その作り方が書かれているもので、レシピとしても、読み物としても、とても興味深く読める本である。

その冒頭、第一章が太宰治の「津軽」である。
太宰治は僕の好きな作家の一人だけれど、中でも「津軽」は彼の作品中でも最も「お気に入り」の一作だ。そこに「カヤキ」という料理が出てくる。

カヤキとは、「ホタテの貝殻をコンロにのせ、出汁を注いで味噌を溶き、帆立貝とネギをいれて火にかける」(上記の本より引用)というものである。

太宰の「津軽」に、

卵味噌のカヤキを差し上げろ。これは津軽で無ければ食えないものだ。    そうだ。卵味噌だ。

という一節がある。
これが、「文士料理入門」の最初に紹介されている料理だ。

ウダさんは先日、奥さんと2人で東北を旅行され、その旅先の居酒屋でカヤキを食べたそうである。

ウダさんは、手紙で、「『カヤキ』は様々に変化可能で、丁度、飛騨地方の朴葉味噌の様なものですね。入れる具材を替へるだけで飽きがこない程度に続けられますよ」と書いておられた。

さっそく、「文士料理入門」を送っていただいた記念の第一作として、スーパーで貝殻つきホタテを買って来て、カヤキを作ってみた。

これが出来上がりの写真です。↓


  


この味は、まさに酒の肴として、絶品であった。
自分で作ったものを「絶品」と書くのもどうかと思うが、しかしまあ、これは誰が作っても同じように美味しいものだと思う。

昨日、このカヤキの写真を貼り付けて、ウダさんへお礼の手紙を送った。

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ところで、そのウダさんという名は仮名だが、なんでウダさんなのか…?

先日、この人が「日本ウダウダ会」という怪しげなる会を立ち上げた。
だから、僕が勝手に「ウダさん」と呼ぶことにしたわけだ。
そして僕も「ウダウダ会」の会員にされてしまった。

次回はこの「日本ウダウダ会」について書こうと思います。

 

 

 

 

 

 

コメント (4)
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