僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

青春18きっぷの旅 青森へ

2009年04月26日 | 旅行

旅の4日目(4月8日)は、盛岡から青森までの行程だ。

東北本線は、上野から青森まで、東北地方を縦貫する750キロ近くもある大幹線である。東北本線の列車に乗り継いでいたら、問題なく青森まで行けるはずであった。ところが…

盛岡から青森へ行くのに、東北本線が見当たらない。東北新幹線は八戸まで延びているのだが、在来線の盛岡~八戸間が、鉄道地図に載っていない。要するに、盛岡から先は、東北本線在来線はいったん途切れてしまうのである。

そんなあほな。
この旅行を計画しているとき、このことに一番驚いた。

調べてみると、東北本線が本当に消えてしまったわけではなく、盛岡~八戸間はいつのまにかJRが撤退し、「いわて銀河鉄道」になっていたり、「青い森鉄道」になっていたりしていたのである。な~んじゃそら。

県や沿線市町村や地元企業などが出資しているいわゆる「第三セクター方式」の会社が経営する鉄道になっていたのだ。とすると、盛岡~八戸はJRが発行している青春18きっぷは使えないことになる。それではつまらない。

そこで、盛岡から好摩というところまで、「いわて銀河鉄道」しかないので、やむなくそれに乗り、そこからJR花輪線というローカル線に乗って大館に着き、乗り換えて青森へ…というコースを選ぶことにした。弘前で途中下車するのもいいなぁ、お城に桜が咲いているかもしれない…なんてことも考えて、このコースをとることにしたのだけれど…。

時刻表を見ると、盛岡から好摩経由で直接大館へ行く列車がある。
いわて銀河鉄道からJRに乗り換えなくてもいいのは助かる。

盛岡駅の切符売り場で、まず好摩まで620円の切符を2枚買い、それといっしょに改札口で青春18切符を出して、「これに今日のスタンプを押してくださ~い」と言うと、駅員は、「あれ~、これはねぇ、ここじゃ押せないの。ここはJRの駅じゃないからね。列車に乗ってから、車掌さんに押してもらってね」と言われた。
どうも、ややこしい。

列車は、一両編成であった。いよいよローカル色が濃くなってきた感じだ。

好摩の手前に渋民という駅があり、渋民は石川啄木の故郷である。

例によって40年前の自転車旅行の話になるが、あのとき、渋民村の啄木の碑の前で、寝袋で一夜を明かしたことがとても懐かしい。そこでいろんな人と出会い、何年もしてからその一人の方が大阪のわが家を訪ねて来られたりして、思い出の尽きない場所である。  

 


  
  
盛岡駅、いわて銀河鉄道線で9時46分発の大館行きを待つ。

 

   
      渋民駅。石川啄木の故郷である。



好摩からJR花輪線に入った。
花輪線は、別称「十和田八幡平四季彩ライン」と地図に書かれてある。
一両編成のクロスシートに座りながら、この列車の旅もいよいよ佳境に入ってきたことをしみじみと感じながら、窓の外を眺める。連日晴天に恵まれているが、今日はまた、これまでで一番見晴らしのいい日である。空が澄み渡り、景色も透き通っている。そんな条件で、岩手山を見られたことは幸せであった。
岩手山を意識して、進行方向に向かって左側の座席にいた僕たちは、この絵に描いたような素晴らしい眺めを、心ゆくまで楽しむことができた。

お昼になったので、盛岡駅で買った弁当を広げる。
妻は「盛岡弁当」という普通の幕の内風の弁当を買ったが、僕は「鮭はらこめし」を買った。鮭とイクラがたっぷりとご飯の上に乗っている。窓の景色を見ながらお弁当をつつくのは、なんとも言えず幸せ気分である。横にワンカップもあるしなぁ…うふふふ




 
   
車窓から岩手山が見える。 素晴らしい景色。 

 

  
    
どうです ? おいしそうでしょ。

 

 
  
盛岡~大館は1両編成で、のんびり鈍行列車の旅が満喫できた。

 

終着駅の大館に着いたのは12時43分だった。盛岡を出て約3時間。何だかあっという間に着いてしまった感じだ。夢を見ているように、時間が過ぎて行く。

大館発午後1時09分発青森行きの列車は、今度は2両編成だった。青森まで約1時間半だが、この旅行に出発する直前まで、僕は途中の弘前駅で降りるつもりだった。

今年は東北の桜が早いと聞き、かつて夏に行ったことのある美しい弘前城に桜が満開の風景を想像し、そこへ途中下車の計画を立てていたのであるが、あぁ~、僕はなんという世間知らずであろうか。仙台では4月初旬に桜が開花すると聞き、それなら弘前も同じ東北だから、僕たちが行く頃には弘前の桜も咲いているに違いない、と勝手に思い込んでいた。

「弘前の桜? 4月下旬ですよ」 
そう言われてがっかり。東北といっても、広いのである。
少し考えたらわかりそうなことが、僕にはわからない。アホやがな。

(昨日、テレビのバラエティ番組で弘前城の満開の桜が映っていた。
 これはいったいいつ収録したものなのだろう…と気になった)

そんなことで、大館から青森まで、どこにも途中下車せずに行った。

青森に着くと、さすがに感慨深かった。
大阪から普通列車を乗り継いで、とうとう本州の果てまで来たのだ。

 ♪ あぁぁ~ぁ~、つがるかいきょう ふゆげぇ~しきぃ~~~

と、まあ、ついこういう歌を口ずさんでしまう僕である。


その「津軽海峡冬景色」の歌碑があると知って、駅前のホテルに荷物を置いたあと、歩いて行ってみた。

青森駅のすぐそばに、もう海がある。
青森湾に出ると、岸壁に「八甲田丸」という、元の青函連絡船だろうか、プカプカと浮いている。観光用みたいだけど、とにかく観光客の姿などどこにも見えず、係の人もいないようなので、船に近づいても、中に乗り込むわけにはいかない。その船の前に、「津軽海峡冬景色」の歌碑が建っていた。

この歌はいいですね~。NHK歌謡コンサートの石川さゆりが目に浮かびます。

 わぁ~たしはひとりぃ れんらくぅせんにのりぃ~ …もう、よろしか?


青森湾にベイブリッジができている。
昔受けた印象とはずいぶん違う。モダンな街になったなぁ、という感じ。
東北新幹線も、青森県のホームページによると「平成22年12月新青森開業目標」と書かれている。平成22年といえば、もう来年のことではないか。ちなみに、同ホームページには、「北海道新幹線 新青森~新函館 平成27年度開業予定」とも書かれていた。

東北や北海道がますます身近なものになっていく。
もう東北が「みちのく」なんて言っても、誰もピンと来なくなるだろう。

青森湾付近をうろうろし、ベイブリッジの下の歩道の橋を渡り、物産展へ行く。いわば、大きなお土産屋さんである。ここもお客が少なく、店員さんの数のほうが多かった。

夜は、「郷土料理・鱒ノ介」という店に入った。
壁に地酒がズラッと並んでいる。
そこで僕は好物のイカなどを食べた。

メニューに「いちご煮」とあったので、おばさんに
「いちごを煮たものがあるの?」と聞いたら、
「果物のイチゴじゃなくて、ウニを煮たものですよ」と教えられた。

「こまい」という魚を、なんだかわからないまま注文した。
あちらにも、こちらにも「こまい」と書いてあったので、興味があった。
またおばさんに、「こまい、っていうから、細かい魚ですか?」
と質問する。
「こまいってのはねぇ…、氷下魚って書くの。氷の下で泳いでるんだよ」

食べてみると、わりに固い魚で、まあ、そんなにおいしいというほどではなかったけど、ひとつ勉強にはなった(何の勉強や…?)。

ビールのあとに地酒を注文する。
おばさんに、お勧めのお酒を教えてもらい、それを持ってきてくださいと言うと、「常温でいいの…?」と聞く。

大阪だと、日本酒を注文すると、冷酒ですか…? 熱燗ですか…? と聞かれるわけだけど、「常温ですか…?」とは…さすがお酒どころである。お酒は、冷やしも温めもせずに飲むのが一番である。はい。

そんなことを言って、今日もほろ酔い気分で旅の1日を終えた僕なのでした。


 

 
  
4日間列車に揺られ、本州の北の果て、青森に着いた。


 
  
青森駅前

 

 

 
  ↑↓  青森湾。 「八甲田丸」 の手前に、「津軽海峡冬景色」 の歌碑が建つ。

 


 

 
  
青森湾に架かる ベイブリッジ(上)。僕たちはその下にある橋を歩いた。

 

 

 

 

 

コメント (9)
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