僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

不信任案と議会の解散

2016年06月15日 | 議会&役所

きょう、東京都議会で舛添知事の不信任決議案が提出されるようだ。
なぜかリオ五輪まで待ってくれ…という舛添は、自分からは辞めない。
自民党も公明党も、ここまで民意が強まってくると放置できないだろう。
あれやこれやの思惑で、この両党は舛添を見放すことにしたようである。

地方自治体で長の不信任案が出されるのはきわめて珍しいことだ。
ましてや、首都・東京の知事に対して不信任案が出されるとはね~

僕が勤めていた松原市では、それが現実に起きたことがある。

また昔の話になりますが…。 昭和49年の夏こと。
僕が議会事務局へ配属される前年のことだった。

当時の松原市長が、特定地域に異様に多くの予算を注ぐ…
という批判が起こり、市議会は市長の不信任案を可決した。
すると市長は、「自分に非はない」と、議会を解散した。

それで議員らは、真夏の暑い時期に、選挙を強いられることに。

その選挙が終わり、新しく構成された議会の顔ぶれは、
その前とほとんど変わりはなかった。
この顔ぶれなら、再び不信任案が出るのは確実だ。
そうなると、今度は自動的に市長は失職する。
「もう、あかん」と思ったのだろう。

再度の不信任案が出る前に、市長はさっさと辞職したのである。

「辞めるんだったら、先に辞めておけ」
という非難を浴びたことは、言うまでもない。
あの選挙は何だったんだ…? ですものね。

松原市のこの「政変劇」は、
新聞、テレビなどで全国に大きく報じられ、
当時の議長がNHKテレビにゲスト出演したこともあった。


今回の舛添知事は、きょう不信任が可決されたら、
辞職するのか、解散に打って出るのか…?

大いに注目されるところであるが、
解散をした場合には、当然、都議会議員選挙が行われる。
選挙後、最初の議会で再び不信任案が可決されるのは確実だ。

可決されたら、今度は自動的に舛添知事は失職する。

するとまた、都知事選挙をしなければならない。
つまり、選挙が2回必要なわけだ。

これもナンだかなぁ、と思うんだけど。

「オレがリオ五輪の後には辞めると言ったのに、
 その言うことを聞かなかったから解散するのだ」
と、舛添知事は、うそぶくのかも知れないけれど。

不信任案が可決されるのは100パーセント確実と見られる。

そのあと、あの「負けず嫌いの自信家」がどう出るのか?

「舛添劇場」も、いよいよクライマックスを迎えようとしている。
…まあ、「劇場」というより、「舛添コント」だったかも知れないけど。

 

 

 

 

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舛添都知事と 『百条委員会』

2016年06月10日 | 議会&役所

「舛添は早くやめろ」とこのブログで書いてからも20日以上経つ。
今でも連日、テレビで舛添都知事の問題が報道され続けている。

公私混同、セコい、ネコババ男、恥知らず、傲慢、
他人に厳しく自分に甘い…など、いろいろ言われている。

しかし、マスコミや議員からどんなに厳しい指摘を受けても、
「都民の信頼を取り戻すため邁進したい」を繰り返すだけ。
白々しいにもほどがある。呆れている人も多いだろう。

今さら信頼を取り戻すなんて100パーセント無理だろ。
だいたい、本当に反省しているようには、見えない。

公私混同は「疑惑」ではなく「事実」なのに、
あまりにも、往生際が悪すぎるよね。
(それに比べて、昨日の市川海老蔵の会見は立派だった。
妻の麻央さんが進行性の乳がんだったという会見。
舛添も、海老蔵の爪の垢を煎じて飲めばいい)


さて、その舛添報道の中で、都議会の「代表質問」とか、
「一般質問」とか「総務委員会」とかの言葉が出てくる。

僕にとっては、とてもなじみ深い言葉である。

38年間の市役所勤めのうち、
26年間、議会事務局で仕事をしていた僕は、
これらの言葉を聞くと、いろいろと思い出す。

東京都であっても地方の小さな市であっても、
地方自治体であることは同じなので、
定例議会は年4回行われ、その中で
代表質問や一般質問というのがある。

本会議での応答のあとは委員会で
また、いっそう詳しい審査をする。
それが、今回の場合は「総務委員会」である。
舛添問題について、13日にそこで集中審議がされるそうだ。


そしてもうひとつ、にわかに「脚光」を浴びたのが

百条委員会

…というもの。

これは、もう皆さんご承知だと思いますが、
この委員会を設置すれば、そこで行う審査は、
証人を呼んだりすることもできるし、出席を拒否したり、
嘘の証言をしたりすると罰せられる…という強い権限がある。

議会はそういう特別委員会を設置できますよ…
と規定されているのがたまたま地方自治法の第百条なので、
いわゆる「百条委員会」と呼ばれているものである。

初めてこの言葉を聞いた人は
「百条委員会って何やねん?」
と思われたかも知れませんね。


この「百条委員会」については、僕なりの思い出がある。

先に、僕は通算で26年間、議会事務局にいたと書いたけれど、
昭和46年に松原市役所に入り、秘書課、課税課と2年ずつ勤め、
昭和50年の4月に議会事務局に配属された。

その翌年のことだった。
松原市議会に「百条委員会」が設置されたのだ。

その頃、ロッキード事件というのが世の中を騒がせていた。
国会で「証人喚問」などが行われたのがTVで流され、
証人に出た人が「記憶にございません」を連発し、
それが流行語のようになったこともある。

松原市議会でも、その影響を受けたようで、
3人の市議会議員が「疑惑あり」とされて、
百条委員会が設置されたのだった。

僕が議会事務局に配属されてから約1年後のことだった。

議会事務局の上司たちはてんやわんやだったが、
下っ端の僕などは、ただオロオロしているだけ。

やがて委員会が始まり、証人を呼んだり、
いろんなことを審議したけれど、結局、
ヤリ玉に挙げられた3議員とも「シロ」ということで、
一定期間続いたその委員会の幕が閉じられたのである。

大山鳴動してネズミ一匹…。
いや、ネズミ一匹すら出てこなかった。
僕から見れば「なんのこっちゃ」という顛末であった。

その当時、百条委員会は、各自治体で
一種の流行にもなっていた記憶がある。
今からちょうど40年前の話である。


舛添問題は、このあと総務委員会でどういう展開になり、
百条委員会を開くことになるのかならないのか知らないが、
いずれにしても、ここまで来たら舛添も続投は困難なはず。
(一説では9月議会の時に辞める…と言われていますけど)

ただ問題は、次に立派な知事が出てくるかどうか…ですけどね。

 

 


 

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舛添は早く辞めろ

2016年05月17日 | 議会&役所

あの東京都の舛添知事はいったい何なんだ。
テレビで見ていると、常識のカケラもない。

政治資金を家族旅行にあてたことは明らかなのに、
そこで会議をしたから政治活動だ、などと言い張る。
どこの世界に、遊びに行った先で仕事の話をしたからといって、
女房や子どもたちの宿泊代まで公費でまかなう人間がいるんだ。
しかも…

「その会議にはどういう方が集まられたのですか?」
という質問には、
「政治的機微があって、プライバシーもあるので…」
と、苦しい言い訳をしてごまかす。何が「政治的機微」だ。
「何人くらい集まったのですか?」との質問にも答えない。
人数ぐらい言っても政治的機微やプライバシーは関係ない。
つまりこれは、会議を行っていないという証拠である。
政治資金を、丸ごと家族旅行にあてているのは明白だ。
そんなことはあのやりとりを聞いていたら誰でもわかる。
まったく、幼稚な説明だ…いや、説明にもなっていない。


家族旅行は「竜宮城スパホテル三日月」というところだが、
それ以外にも、8月の盆に日光へ家族旅行をしている。
これもまた、政治資金で支払っているそうである。
どこまでセコイ男なのだと呆れる。


旅行以外にも、回転寿司5万いくら、
てんぷら5万いくら、イタリアン19万いくらと…
飲み食いにも政治資金が当てられている。

これも「会議」だそうだが、
騒々しい回転寿司屋で会議をするか?
てんぷら屋でどんな会議をするんだ?
もし、したとしてもそれは雑談だろう。

また金魚や金魚の餌も購入したりしている。
そんなものを、なぜ政治資金で購入するわけ?
絵画や画材、額縁なども政治資金で買っている。


舛添という男は、何でも領収証を出させるらしい。
個人的な買い物なら、レシートで十分なはずだが。
それを、わざわざ領収証を出させるのはなぜか?
子どもと一緒に散髪へ行くと、子どもの分まで
領収証を要求された…と店の人があきれていた。

そのほかにも、自分の著書を100冊買って、
それも「書籍購入」として政治資金を充てたそうだ。

都合の悪いことがあれば、「精査して」「調べて」
を連発して言い逃れをする。実にいやらしい。

そして、あげくは領収証を全部経理担当者に渡し、
担当者が公私を分けて整理する時に間違いがあった、
…などと、責任を全部経理担当者に押し付けている。
(その人はもう高齢で今は経理から離れている)

そもそも、私的な支出の領収証まで含めて、
経理担当者に渡して、それで公私を分けさせる
…ということ自体が、間違っていますよね。
私的なものも領収証を取ってごちゃまぜにし、
経理担当者に渡すというのが何とも不思議だ。


舛添というのは元は「国際政治学者」だった。
しかし、それではあまり金にならないから政治家になった。
元々セコイ性癖だから、金に執着するところがあるんだろ。
舛添のかつての政治仲間であった人物が、テレビの取材で、
「あいつはよほどでないと金を出さない男」と言っていた。

元々、政治資金は、極端な話、何に使っても
「これは政治活動です」と言い切ったら通るらしい。
(これもまた、政治家に都合よくできた制度だ)
したがって舛添のこの件も、即違法とはいえないそうだ。
しかし、誰が見ても公私混同していることは間違いない。

そんなセコイ人間にとって、大名旅行はあこがれだったのか。
大勢のお供を連れて外国を訪問し、飛行機はファーストクラス、
ホテルは最上級のそれもスイートルーム。
「要人が来られたときに失礼だから」
というのがその理由だそうだけれど、
識者によると、要人がホテルの部屋へ来ることはなく、
要人と会うときはこちらから出かけるというのである。

かつて、ある大臣がファーストクラスで外遊したとき、
「大臣になったからと言ってファーストクラスとは…
意地汚い話だ」と舛添は言ったと伝えられている。
なのに今は自分がそれをしているんだからねぇ。
「ゆっくり寝て仕事に備えたい」というのがその理由。
それならファーストクラスの差額は自腹で払うべきだ。

以前の舛添の言葉を聞いていると、
「公金には厳しくなければならない」とか、
「東京都をクリーンにすることが大事」とか、
政治と金の問題を徹底して批判していたくせに、
なんという情けない変貌ぶりだろうか。
まぁ、彼の本性が現れたのだろうけど。

公用車で毎週別荘へ行っていたことについても、
「公用車は動く知事室ですから」と意味不明なことを口走る。
そんなえらそうなことを言っておきながら結局それはやめた。


それ以外にも、舛添には不快な言動が多い。
韓国へ訪問した際、朴槿恵(パク・クネ)大統領と
会ったときの映像をテレビで見た時は情けなかった。

2人が会ったときに、朴大統領が片手を差し伸べると、
舛添は、その手を両手でぐっと抱きしめるように握り、
ペコペコ何度も頭を下げていた。見苦しかったわ~。

その朴から首都圏での韓国学校増設への協力を求められ、
舛添は即OKを出したが、それがまた物議を醸している。

そこは交通の便もよく、公有地としては貴重な場所で、
保育所を建てる必要があると言われている場所なのに、
韓国学校の増設のために貸すとは…

このような男に、知事としての資質があるはずがない。
百害あって一利なし…とはこのようなことを指すのだ。

1日も早く、知事を辞めさせなければならない。
ついでに、それにかかる
選挙の費用も、全部支払え。

 

 

 

 

 

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市職員が「能力不足」で免職に

2015年10月02日 | 議会&役所

 ~ 職員もいろいろ 能力もいろいろ ~


大阪市の職員2人が「能力不足」ということでクビになった。
そのニュースが関西では、わりに大きく取り上げられていた。

クビ…とは、民間の解雇に当たる「分限免職」というものだ。

公務員が不祥事を起こしてクビになる、というのはよく聞く話ですね。

しかし、市の職員が「能力不足」という理由でクビ…とは、
これまであまり、そういう話は聞いたことがない。

そもそも公務員の能力って何だ? …という議論もありますしね~


市の職員は…言わずと知れた公務員だからクビにはなりにくい。
かく言う僕も、地方公務員として38年間勤めてきた元公務員である。

立場が安定していると言われる公務員が、不祥事も起こさないのに、
クビになるというのだから、よほど問題があったのだろう。

そこで、このニュースのポイントである「能力不足」とは、
具体的にはどういうことだったのかを、改めて考えてみた。


一般的に言うと…

どこの役所にも相対的に出来の悪い職員はいるだろう。
役所に限らず、組織にはいろんなタイプの人間がいる。
仕事の遅い人もいれば、てきぱきと処理する人もいる。

しかし、仕事は遅いけれどミスはほとんどない。
てきぱきと処理しているようでも、間違いが多い…

そういうケースも、よくあることだ。

仕事は出来るが、それを人に吹聴して嫌がられる。
仕事は遅いが、常に謙虚な姿勢で好感度を保つ…。

人の評価というのは、むずかしいものなんですよね。

しかし仕事が遅い上ミスも多い…では救いようがない。
…と思うが、それでも、公務員は民間会社と違って、
「人柄」が重視される場合が、わりに多い。

「あいつは仕事はイマイチやけど、ええ奴やからなぁ」…と。

職場内でも同僚や先輩に従順で、憎めない性格である。
しかし仕事そのものは、お世辞にも「出来る」とは言い難い。
つまり人間性も控えめなら、仕事も控えめなのである(笑)。

そういうタイプの職員が、あちらこちらの課にいるのを、
僕自身、長年の役所生活の中で見てきた。

中には、むしろそういう職員を好んだりする上司もいる。

このあたりが、競争社会に生きる民間会社と違うところだ。


つまり、民間会社のように、成績というものが出てこない。
だから、仕事の能力に欠けていても、それが目立ちにくい。
従順で人に逆らわず、「影の薄い」のが逆にプラスになったり。
まわりに緊張や警戒心を与えず、空気のような存在なのである。

組織の中でよく「出る杭は打たれる」と言われるが、言い換えると、
「出ない杭」は打たれず、組織では、案外好かれる場合が多いのだ。

…という側面を、公務員社会は持っている…と僕は思うのである。


そこで…
今回「能力不足」でクビになった職員というのは、
果たしてどういう「能力不足」だったのだろうか…?
単に仕事が控えめだっただけでは、免職にはならんでしょ。

新聞やテレビの報道では…

今回免職になったのは、都市整備局の男性技術職員と、
港湾局の男性事務職員の2人だったそうである。

記者会見で、大阪市の人事部の女性課長さんが、

「1年以上かけて指導等を実施してきたが、
 公務員として通常要求される勤務実績や
 適格性が欠けていると判断し、免職処分とした」

と説明していた。

具体的には、パソコンのエクセルを正確に打てない。
上司に命じられた書類を「出来ました」と言いながら出来ていない。
そんなことで、上司や同僚とコミュニケーションが取れない。
…というようなことであったそうだ。

そういう職員に3ヶ月間、職場で「適正化指導」を行い、
その他「特別研修」や外部講師の研修も行って、なおかつ、
改善がみられなかったので免職処分とした…とのことだった。

また、あるTVニュースでは、当該職員が、いつも昼休みに、
職場に戻ってくるのが遅い、というのも理由の一つにあった。

なるほど…
エクセルを正確に打てないだけで免職はないだろうけど、
やはり、勤務時間になっても戻って来ないということが、
一番大きな問題点というか、致命傷になったのだろうなぁ。


ちなみに大阪市の人事評価は5段階の評価で行われているそうだ。

前述したように、能力と言ってもいろんな要素があるので、
そういうふうに人を評価するのは、至難の業だろうと思う。


仕事の出来は悪いが人の邪魔はしない…
こういうのを「毒にも薬にもならん人間」と言うのだそうで。

しかし仕事の出来は悪いわ、勤務はサボるわ…
こういうのを「箸にも棒にもかからん人間」と言うのだそうで。

毒にも薬にもならんのは、クビまで行かないが、
箸にも棒にもかからんのは、クビじゃ~!

…ということなんでしょうね。たぶん。


ところで、そういうあんたは現役時代、どうやったんや…?

…というご質問が聞こえてきそうですけど…。

実は…僕の現役時代の先輩、同僚、後輩で、
このブログを読んでくれている人たちがいます。

「わたくしは現役の頃、仕事もよく出来たし性格もよかったのです」

などと書いたら、そういう人たちに「ウソつけぇ!」と言われますので、
その質問にはお答えできません。残念ですけど(笑)。

 

 

肉離れは、少しずつですが快方に向かっています。
  ゆっくりならあまり痛みを感じずに歩けています。
 

 

 

 

 

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お役所セクハラ 危険なお年頃

2015年09月05日 | 議会&役所

栃木県小山市議会の議員…それも副議長をしている議員が、
女性職員にセクハラをしたというニュースがありました。

それによると、懇親会の席で、デュエットを強要したり、
数分間にわたって背中や腰をなでた…ということでした。

ちなみにデュエットでは何を歌ったかというと、
「青い山脈」だったそうです。

この歌は、たしかにメロディ、歌詞ともにノリがいい。
しかし、それにしても古いなぁ。
1949年の曲ということです。
つまり、66年前…。
僕が生まれた年ですわ。

まぁ、デュエットを求めるのがセクハラになるかどうかは、
人間関係やその場の状況によるので、よくわかりませんが。

問題は、数分間にわたって背中や腰をなでた…ということ。
そして電話では、こんなひどいことも言っていたそうです。

「一晩つきあえ」…とか、「オレの女になれ」…とか。

ナンだか、江戸時代の悪代官みたいですね。

被害者女性は、相手が副議長でもあり、
やめてくれと言える雰囲気ではなかった…
…と述べていたそうです。

女性は、議会事務局の職員だったと思われます。
議会事務局…といえば、僕が計26年間勤めた部署です。
(ウチの議会には、そういう議員はいませんでしたけど)

その渦中の副議長がTVニュースで映っていました。
記者の質問に「やってないものはやってないんだ!」
と憮然たる表情で、その言葉を繰り返すばかり。

議会に来た市民が、廊下で副議長に猛然と詰め寄るシーンも。
「なんてことするんだ、このスケベじじい!」と怒鳴る市民。
「なんだ? オレはやってねえって言ってるだろ!」
…と、相手を睨み返す副議長。

殺気立った雰囲気だったが「このスケベじじい!」には苦笑した。

いったい、この副議長は何歳なのか?
「青い山脈」を歌うぐらいだから70歳以上か…?

と思いきや…

66歳でした。

つまり…
僕と同い年なのです(…ためいき)。

この歳だと、もう「じじい」…なんだ。
…と、本題と関係のないところで、カクン…となった僕でした。


ちなみに、お役所関係のセクハラといえば、今年4月にもありました。

宮城県大衡村の女性職員が、村長から性行為を強要されたという話。
この村長はカツラと丸わかりのヘアスタイルで、よく覚えています。

そのセクハラ行為とは…

・セクハラメールをおよそ1500通も送った。
・東京へ出張した際、宿泊先のホテルで性行為を迫った。
・検査入院した病院の個室などで何度も性行為を求めた。
・所有するアパートの合鍵を渡して、関係を強いた。
・断ると異動させると脅迫した。
 (女性はたぶん秘書課の職員だったのでしょう)

結局、この村長は辞職しましたが、
女性職員が損害賠償を求めて訴訟を起こしたそうで、
その後、どういう経過になっているのかは知りません。


ところで…

この村長の年齢も、…66歳でした。

ふ~む。 なんで、こうなるわけ…?

 

 

 

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~選挙~ 得票数が同じ時は

2015年04月16日 | 議会&役所

12日に投開票された統一地方選・都道府議選は、
歴史的な低投票率だったそうある。

前々回が52.25%、前回が48.15%、今回が45・05%。

いろんな理由があるのだろうけど、大きな理由としては、

「自分が1票入れたとしても結果が変わるわけではない」
という理由がひとつで、もうひとつは、村上春樹さんが言ったように、

例えば候補者が3人いて、どれも議員にふさわしくない。
マイナス3の人とマイナス4の人とマイナス5の人と、
そんな3人から誰かを選べ…と言われても無理だ。
プラスの人がいないから、投票には行かない。

…という理由である。

さらに「忙しいのに選挙なんぞ行ってられない」
みたいな理由も多いだろうと思う。


まあ、立候補者の人間性とか政治的資質なんて、
外からはわからないし、演説は紋切り型だし。

僕も投票には行くけれど、支持政党があるわけでもなく、
「この人に!」という強い気持ちがあるわけでもない。
なんとなく決める…いうのが、正直なところである。


その統一地方選で、2件、珍しい出来事があった。

ひとつは、今回の選挙に出馬した全候補者の中で
最高齢だった91歳の男性が、13回連続当選を逃した話。

なんとまあ91歳で出馬とはすさまじいエネルギーだが、
残念なことに今回は落選してしまった。

しかもそれが…

1票の差で落選したそうである。1票差だぞぉ~

最下位当選の人が3,304票で、91歳の人が3,303票だったという。
さぞ無念だったろう。選挙管理委員会はちゃんと数えたのか?
…と思いたくなるし、もう1度投票用紙を数えなおしてくれ~
とも思うでしょうね。ホント、泣くに泣けないとはこのこと。


僕が住む藤井寺市議会議員選挙でも同じことがあった。
前々回の選挙だから2007年4月のことである。
20歳代の新人候補者が1票差で最下位当選した。

1票差だと、彼に投票した人はみんな、
「私が投票したから当選したんだ」と満足する。

実はその時、僕も妻もその新人に投票した。

「僕らが投票しなかったら落選していたなぁ」
と、他の人たちと同じように、言い合ったものだ。

しかしその新人は議員になってもパッとせず、
前回の選挙では次点で落選してしまった。


さて今回のもうひとつの珍しい出来事は、熊本市議選だった。
最後の1議席を2人の男性候補者が争い、
その結果、両者の得票が全く同数となった。
これまた、めったにない現象である。

それで、翌々日の火曜日にくじ引きで決めることになった。
公職選挙法で、同数票の場合はくじで決めると規定されている。

そのくじを引く様子が昨日のTVニュースで放映されていた。

沢山あるくじには数字が書かれてあり、
若い方の番号を引いた人が「当選」となる。

最初に引いた人が「3番」を引いた。
「きびしいなぁ」と相手の陣営がつぶやく。
次に引いた人は「10番」だった。
その結果「3番」を引いた人が当選した。

これもまあ悔しいだろうなぁ、負けた人。
その場ではTVも入っているので笑っていたが、
そのあと、親しい人だけの場に移ったときに、
「こんちくしょうめ!」と鬼の顔になっていただろう。

 …………………………………………

僕が市役所の議会事務局で仕事をしていた時、
毎年「議長選挙」というのがあった。

議長は毎年交代するという慣例があり、
年に一度臨時議会を開いて議長を決める。

話し合いで全員異議なくA議員を議長に…
ということになれば、すんなりと決まる。

しかしそうもいかない場合が多い。
○○党と○○党から2人の候補者が出て、
共に一歩も譲らないとなると、投票で決めるしかない。
(3人以上出るということは、まずない)

議場にいる議員たちが、どちらかに投票するのだ。
で、ごくたまに2人の票が同数になることがある。

そんなときもやはり、くじで決めるのである。
くじ引きも、議場で議員たちが見守る中、行われる。

2人だからくじは2本。
まず「くじを引く順番を決めるくじ」を引く。
「当たり」のしるしのあるくじを引いても喜べない。
先にくじをひく権利を得ただけだからね~
「残り福」という言葉もあることだし、
こういうくじはあまり意味がない。


そして本番のくじ。
先に引いた人に当たりマークがあればそれで決定だ。

尻尾に当たりとハズレのマークがついている細長い2本のくじを持ち、
それを引かせる役をするのは、僕ら議会事務局の職員だ。

議長になってほしい人となってほしくない人がいると、
先にくじ引くのが「なってほしい人」だったら、
当たりくじのほうの先っぽをそろっと上げる。
他の議員たちには見えないように…。

そして「なってほしい人」がそのくじを引くと、
それで「○○議員が議長に当選されました~」となる。

ジャジャジャジャ~ン。

あはは。ウソです。
そんなことを議会事務局の職員がしたら、
ただでは済みませんからね~

でも、その場にいると、ふと…

そんなイタズラをしてみたくなったことは、ありましたけど。

 

 

 

 

 

 

 

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在職中へタイムスリップ

2015年03月03日 | 議会&役所

そこへやって来たのが…
40年来の付き合いがあったK田君であった。
これまた、びっくりするような偶然だった。


…ということで、前回は終わりました。

K田君のことを僕は友ちゃと呼んでいたので、
このあと、彼のことを友ちゃんと表記します。


退職してから、友ちゃんとは一度も会ったことがなかった。
彼もまた火災保険でやって来て、今から帰るところだという。

コバヤシ君がその場を離れて、今度は友ちゃんとの立ち話だ。


彼は10年少し前、役所仕事のストレスで心の病にかかった。
それまでの彼は、とても明るかったので、信じられなかった。

彼も僕も映画が好きで、土曜日の午後は2人でよく映画館に行った。

その中には…

「『宮本武蔵』5本立て」とか

「『人間の条件』6本立て」とか、

「『仁義なき戦い』5本立て」…とかも

見に行ったなぁ。

こんな特別上映の時には、ほぼ1日映画館にいる。

弁当とワンカップを映画館に持ち込んでね。

2人だけの「映画友の会」を結成していた仲である。

彼が心の病で長期休暇に入った時は、さすがに驚いた。
僕なんかより遥かに明るい性格だったはずだ。
それでも、何かの拍子でそういう病気になるんだなぁ…と
これまで思いもしなかった感覚にとらえられたものだった。


しかし、この日、6年ぶりぐらいに会った彼は、
「もう病気はよくなったみたいや」と自分から切り出した。

聞いてホッとした。


「あれは51歳の時やったから…治るまで10年かかったなぁ」
そう言って、友ちゃんは目を細めた。
やはり、ウツ的な病は、簡単には治らないのだ。

「近所の人が言うには、あの時は肩を落として歩いていたけど、
 このごろは、前向いて歩いているなぁ…と言われるねん」

そんなことも言った。

「また、飲みに行ったり、映画に行ったりしたいね」
と、僕と友ちゃんは、懐かしく語り合った。


「ところで…これから、家に帰るの?」と僕が聞くと、
「いんや、阿倍野へ出て、パチンコでもしようと思ってる」

それでは…と、2人で役所を出て駅に向かった。

2人で松原の駅までゆっくり歩きながら、
いろいろな積もる話に夢中になっていた。


駅が近づいたとき、「あっ」と、急に僕は思い出した。

「僕は役所へ自転車で来たんやった」
友ちゃんに会って、僕はすっかりそのことを忘れていた。

友ちゃんは、また目を細めて、
「あ、そうかいな。…じゃ、役所へ戻らないとねぇ」

僕らは歩道の真ん中で足をとめた。
ここでお別れである。

立ち止まったまま、もう少ししゃべった。

そこへ、一人の女性が通りかかった。
そして「あれぇ」と言って僕の肩をたたいたのだ。
見ると、2年ほど前に退職した美○子さんだった。

6年前…僕が退職した日に、帰宅すると、
彼女からの花束が届いていた…。

その後彼女は、定年を待たずに退職した。そして、
今では、毎年の年賀状で、互いに冗談を書き合う間柄だ。

友ちゃんと話していたので、彼女はそのまま行ってしまった。
せめて少しでも話したかったけれど、まぁ仕方なかった。

話は尽きなかったが、友ちゃんと別れた。
友ちゃんは松原の駅に向かい、

僕はまた歩いて役所へ引き返し、
自転車に乗って帰途についた。

役所へ行ったのは9時半で、用件を終えると、
そのままスポーツジム・コスパへ行くつもりで、
大きなリュックも持っていたのに、気がつけば昼を回っていた。


時間を見て急にお腹が減ってきた。

そのまま家に帰って、お昼ごはんを食べた。
結局、コスパには行かなかった。


でも、この半日は、
多くの懐かしい人たちとの会話があった。

タイムスリップして、在職中の日々へ戻ったような感覚だったなぁ。

 

 

 

 

 

 

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年に一度の市役所へ

2015年03月01日 | 議会&役所

2月23日の月曜日、1年ぶりに元職場へ行った。
元職場と言うのは、大阪府の松原市役所である。


在職中から加入している火災保険があって、
退職後も引き続いて加入していることから、
年に一度、掛け金を払わなければならない。

現金書留で送ってもいいのだけれど、
やはり直接行っほうが手っ取り早いので、
年に一度だけ役所へその用件のために出向く。

それ以外のことで、市役所には行ったことがない。
行っても、たぶん職員たちに嫌がられるだけである。

で、僕はその日も、人事課で支払いを済ませた後、
例年ならそのまま帰るところだったが…

この日はなぜか、足が議会事務局のほうに向いた。


僕はこの役所で38年間勤務したわけだけれど、
そのうち、26年間、議会事務局で仕事をした。
(一般の方々には何の仕事かわからないでしょうね)

26歳の時から42歳までの16年間と、
51歳の時から60歳の退職までの10年間、そこにいた。
最後の2年間は、議会事務局長もさせていただいた。

でも、退職して6年目ともなると、
職員たちの顔を見ても、ほとんど知らない人だ。
議会事務局にも、もう何年も顔を出していない。

「何年ぶりだろ?」
と思いながら、議会事務局の前まで歩いて行った。

見知らぬ女子職員が出てきた。
「どちらさまでしょうか?」

自分の名前を言っても、相手にはわからないだろう。

議会事務局長をしているY君とは懇意にしていたので、
「○○というものですが、Y局長さんに会いにきました」
そう言うと、女性は中へ通してくれた。

ちょうどY局長がいてくれてよかった。


しばらくY局長と2人で雑談を交わした。

議会事務局だから、議員も出入りする。

今も年賀状を交わしている女性議員が来たので、
「どうも。お久しぶりです~」と言うと、
「まぁ、悠々自適ですね~」と満面に笑顔。
この人は、とても好感の持てる議員さんなのです。
(…と言うと、好感の持てない議員もいる…
 ということになりますが、それは言えません。がはは)
 
そこへ、また一人の男性議員がやって来た。

僕が退職する時に議長を務めていた人だ。
いろいろと、お世話になった。

僕の顔を見て「いよぉ~、珍しいやないか」
と笑い、僕の隣にドカッと腰掛けた。
「こんちわぁ。いつまでもお元気そうですねぇ」
「あはは~。ワシはずっとこんなんや」

局長を交えて3人でしばらく話したあと、僕はそこを出た。


そして6階にいるマラソン友達のK島君を訪ねて行ったが、
あいにくと「現場に出ています」ということだった。
そう教えてくれたのは、F君で、これも馴染みの顔だ。

では、そろそろ帰ろう…とエレベーターを待っていると、
やってきたエレベーターから、副市長のK君が出てきた。
一応僕の方が年上だから、彼は「へへへっ」と愛想笑いした。

K副市長は、職員たちを怒鳴り散らすということで評判が悪い。
いろいろ話を聞くと、今、はやりの「パワハラ」みたいなものだ。

しかし、僕が議会事務局長をしていた時、彼は財政部長で、
その時、いろいろ、予算配当で配慮を加えてもらった。
気が利いて、テキパキと物事を処理する人物だった。
決してそんな嫌われる人間とは思えないのだが…
う~ん、むずかしいんだなぁ、人間関係は。

さて、エレベーターから降りたら先輩のMさんに会った。
同じく、火災保険の支払いに来たという。

立ち話をしていると、酒好きのN君がやって来た。
これも、火災保険の用件でやって来たのだ。

2月末で火災保険の申し込みが締め切りなので、
この時期は、大勢の役所のOBが役所にやって来るのだ。

N君に「元気?」と聞いたら、ドンと胸をたたき、
「元気でっせぇ。元気すぎて困っとるぐらいですわ」

「相変わらず、飲んでる?」と聞くと、
「当たり前ですがな。あ、そうや、これから行きまひょ」
「行くって、どこへ?」
「決まってますがな。酒を飲みに、ですがな」
「まだ昼前やで。あかん、あかん」
「久しぶりにのんさんの顔を見たのに、行かんわけには、いかん」
「何言うてるねん。ほんなら帰るで。さいなら~」

と、その場を逃げるように離れたら、
入り口から、先ほど訪ねて不在だったK島君が戻ってきた。
ちなみにK島君は定年後、再任用で今も役所で働いている。

「あぁ、さっき寄ったんやで。現場に行ってたんやね」
「そうですねん。で、一杯飲みのお誘いですかいな?」
と、K島君もまたそんなことを言う。

「いや、そうではなく、ちょっと顔を見たかったから」
どうも、僕の顔を見ると、すぐに酒の話が出るので困る。

彼ともしばらく立ち話をしたあと、帰ろうと思ったが、
議会事務局の後輩で仲の良かったO君のことを思い出し、
彼のいる職場に顔を出して、少し話をした。

最後は「また誘ってくださいね」とこれまた飲む話。

その時、通りがかったのが女子職員のSさん。
今年もらった年賀状に、
「のんさんのように、楽しんで仕事せなあきませんね~」
と書き加えてあったおもしろい人である。
「あらまぁ、お久しぶりですぅ。お元気そうですね~」
と言いながら、彼女は書類を持ってそそくさと立ち去った。

さあ、今度こそ帰ろう…と出口に向かうと、
敬愛するコバヤシ君とバッタリ顔を合わせた。
このブログにも、時々コメントをくれている。

コバヤシ君とまた立ち話が始まる。
新しいブログを見てくれていて、
「いろんなとこへ、行ってはりますねんねぇ」
またしばらく、立ち話。

そこへやって来たのが…

40年来の付き合いがあったK田君であった。

これまた、びっくりするような偶然だった。


…とここまで書きましたが、もう午前5時半を回りました。
今日はウダウダ会で兵庫県たつの市の室津へ行きます。

そろそろ準備をしなければならないので、続きはまた明日。


では皆様、良い日曜日を…

…と言いたいところですが、外は雨です。

ウダウダ会のハイキングも、ほとんど歩かず、
いきなり宴会ということにならないか心配です。

…というか、楽しみです。あはは。

 

 

 

 

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「号泣議員」と議会事務局

2014年07月12日 | 議会&役所

昨日、ブエノスアイレスに住むヒロユキからメールが届いた。W杯でアルゼンチンがオランダを破り決勝進出を果たしたということで…


「こちらはサッカー一色です。道路も閉鎖されて、人だかりで、お祭り騒ぎでした。優勝すると国の中で暴動的なお祭り騒ぎになりそうです。(中略)。アルゼンチンは幸運でここまで来ていますので、最後も幸運で勝ちます。メッシの活躍で勝ちます。日本時間ではとても見づらい時間帯(注:午前4時から)ですが、ぜひそちらでも試合を見てくださいね」


アルゼンチンからこういうメールが来ると、ますます14日のドイツとの決勝戦での応援に、力が入る。いよいよ明後日に迫ってきた。ただ、気になるのは、ドイツがブラジルに勝ったのが9日で、アルゼンチンが勝ったのが翌日の10日。しかも延長とPK戦があったので120分以上戦っている。中4日で休養十分のドイツに比べ、中3日のアルゼンチンの体力が回復しているかどうか。特にオランダに徹底マークされ、終盤はバテ気味だったメッシの回復度が気になるところだ。でもまぁ、そんなことも言ってられないので、これまで全試合を接戦で制してきたアルゼンチンだから、ヒロユキが言うように「幸運」が味方してくれることを祈るばかりである(ここまで来れば、勝敗の分かれ目は運だけ…だもんね)。


  ……………………………………………………………………………………


さて話はコロッと変わるが、世間を「笑いと怒り」の渦に巻き込んだあの「号泣議員」が昨日、議員辞職をした。3年間で使った政務活動費1800万円余りも、全額返還するという。しかし数々の不自然な支出の内容を説明しないまま、議員を辞めたらええんやろ、金は返したらええんやろ…で済まそうとしても、そうはいきまへんで~


そもそもこの議員は、地元の神戸新聞で政務活動費の不明瞭さが指摘されたことで、ムキになったのか、自分からマスコミを集めて記者会見を開いたのである。そこであの前代未聞の号泣会見がテレビで全国津々浦々にまで流れ、この議員を知らない人はいないほどの“有名人”になった。無用のことを言わなければ禍いを招かないですむという「キジも鳴かずば打たれまいに」のたとえがピッタリ当てはまる話である。彼は「鳴きすぎたキジ」なんだよね。


しかし、彼個人のことはこの辺でさておき、次の段階に入らなければならない。


兵庫県議会は彼を刑事告発した。そして議会としての調査は打ち切ることを表明した。結局、野々村氏の支出については、本人は何も語らないし、なんだかウヤムヤのままである。政務活動費というのはどの地方議員にもあるもので、その実態を、これを機にはっきりさせる絶好のチャンスなのだから、この政務活動費はどういう趣旨のもので、全国の議員たちはどんなことにこれを使っているのかをつまびらかにしなければ、問題の本質は閉ざされたままである。


今回の場合、領収証がない、あっても何のために使ったのかわからない、ということだった。僕の経験から言えば、これは議会事務局がまず議員に対して、きちんとした“指導”をする必要があると思う。僕はかつて新人議員から「政務調査費でテレビを買ってもええんですか?」と尋ねられたとき、「何言うてはりますねん。あかんのに決まってますがな。そんなことしたら、新聞に出て、議員をクビになりまっせ~」と言ったことがある。こういう「脅し」も事務局としては時には必要である。いくら市民から選ばれた議員だと言っても、ダメなことはダメ、とはっきり言ってあげるのがその議員の身のためでもある。


野々村氏の報告書は、当選1年目はそこそこ明瞭さもあったようだが、2年目にはかなり不明瞭になり、3年目の昨年度は報じられているようにメチャメチャな報告書となっていた。議員生活に慣れてくるにつれ、どんどん悪質になってきたわけだ。議会事務局は歯止めをかけられなかったのだろうか? 事務局も指摘はしたというが、聞いてもらえなかったようだ。相手は議員だから言いにくいかも知れないが、やはり議員に違反行為があれば改めさせるのが議会事務局の役割だと思う。


僕のところの議会事務局では、議員から「これは政務調査費で支出できるのかなぁ?」という質問を受けることが多かった。そういう雰囲気を作ることが大事なのだ。そうでないと、議会事務局の職員は、単に議員の僕(しもべ)になってしまう。それじゃぁねぇ、いくらなんでも仕事の意義が失われてしまう。


兵庫県議会事務局は、あの会見以来、4千件以上の抗議が殺到し、電話対応に忙殺されてきたという。これはこれで気の毒な話ではあるが、事務局にも少なからぬ責任はある。まぁ、それにしても、こんなとんでもない議員が当選してきたことが不幸の始まりだった。野々村氏は川西市の職員だったそうだが、職員から議員になると、それまで抑えてきた傲慢さが一気に吹き出したのかも知れない。


会見の時、「川西市の職員として平々凡々な毎日を過ごし…」と市職員当時の不満を漏らしていたが、平々凡々がイヤになって立候補してやっと議員になり、今回、これだけ超有名人になって、平々凡々から脱し、「念願」だったはずの波乱万丈の人生を味わえたのだから、まあ彼としては本望じゃないの?


…で、市役所の職員としての毎日がたとえ平々凡々だったとしても、38年間市役所に勤めた僕は「平々凡々のどこが悪いの?」と訊き返したいところです。

 

 

 

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県会議員の“号泣”記者会見

2014年07月03日 | 議会&役所

 

   

 

いやまあ、ホントに、こんな記者会見は見たことがない。不正疑惑が持ち上がった県会議員の釈明会見ということだったが、とんでもない会見だった。テレビでご覧になった皆さんも、あの会見には、あきれ果てたことだろう。


兵庫県議の野々村竜太郎という47歳の男が、昨年度の「政務活動費」から約300万円の交通費を支出した。年195回の日帰り出張をしたから…ということだが、その報告書には領収書が全く添付されていなかった。日帰り出張の内訳は、東京都11回、福岡県16回、兵庫県(城崎温泉)に105回、同県作用町へ63回ということだが、名目は「要請陳情等活動費」と書かれていただけで、何の目的で、誰に会うためにそこへ行ったのかは何も書かれておらず、「それを書けば相手に迷惑がかかる」などと言っている。さらに野々村議員は、初当選した2011年度と12年度の分の報告書でも、領収証のない他府県への出張が約600万円分あったそうである。


地元の神戸新聞が取り上げたことにより、この情報は全国に一気に広がり、野々村議員自身が記者会見を開くことを決めた…とテレビでは報じていた。


この「政務活動費」というのは、僕が議会事務局に勤務していた時は「政務調査費」という名称だったが、2年前に地方自治法の一部改正で「政務活動費」に変わった。「調査費」より「活動費」のほうが、より使い道が幅広くなるというのが変更理由だそうだ。ま、幅広く…といっても、もちろん何に使ってもいいということではない。


その「政務活動費」は兵庫県では1人の議員に年600万円が支給されているそうだ。むろん日本の各自治体の議員にも、金額はそれぞれ違うが支給されている。これまでもその使途の不明さが何度も新聞等で報道されてきた。かつて「図書購入費」として綾小路きみまろの本を政務調査費で買った滋賀県議会議員の報道には、笑いましたけどね。


しかしねぇ…。今回のこの議員の会見は本当に凄まじかった。ほとんどの方がテレビで見られたと思いますが、何度見てもすごいので動画を掲げておきます。


 http://www.youtube.com/watch?v=Gviufzt7dgk

 
とてもじゃありませんが、悲しくて泣いたようには見えませんよね。
「泣く」というよりも、意味不明のことを「わめく」みたいな感じでした。
人並み以上の良識を備えるべき議員が、こんな奇人・変人では困りますね。 


僕はこの議員の号泣シーンを見て、漫才コンビ、ザ・ぼんちの「おさむちゃん」を思い出しましたよ。急に「ああぁぁぁ!」と泣き崩れるあのギャグを。(ひょっとしてこの野々村議員の会見もギャグ? …そんなアホな)。


ところで、今朝のワイドショーでこの件を詳しく報じていたが、会見の冒頭、野々村議員は記者たちに「最近、野次や暴言などでマスコミが感情的な報道をしているので、皆さん、感情的にならず平常心で質問をしてください。でなければ会見はその場で打ち切ります」という意味のことを言った。それから「皆さんの名刺をいただきます」と記者たちから名刺を受けとって机に並べ、それを見ながら「いまの〇〇記者の質問ですが」と、いちいち記者名を挙げていた。これは、この人物が最初から身構えて挑戦的であったことを示しているように見えた。どうもプライドが高過ぎるのと、自己顕示欲が強すぎるのと、激昂しやすいのが、この人物の特徴のように思える。


また「議員というものの大きさに比べれば、政務活動費のことなどごくごく小さなこと」という会見中の発言は、この議員の本心が出たものだろう。つまり全く反省していないのである。おまけに記者たちに「平常心で質問してください」とエラそうなことを言っておきながら、自分があのていたらくですからねぇ。なんとも、あいた口がふさがらないとはこのことでしょうか。


それにしても先日は東京都議会議員の「セクハラ野次」、今回は兵庫県会議員の「泣きわめき会見」と、都道府県議会の議員の質の悪さが目立ちますねぇ。


この政務活動費については、今朝の新聞にも、大阪維新の会の府議会議員2人に不適切な支出があった、という記事が載っていた。これは程度の差こそあれ、どこの議会でも起こり得る話である。


ただ、今回の野々村議員の場合、本当に出張したのかどうか、ということが大きな問題になる。1年に195回(中でも城崎温泉には100回余り)も行ったと報告書に書かれている。たとえ行ったとしても、本人が具体的な用件も会った相手も明かさないのが、いかにも怪しい。そうなると「実際にそれだけの回数の出張をしたのか?」という疑惑も生じてくる。行ったという証拠もないし、本人も説明しない(新幹線などは自動券売機で領収書も取れるのに)。


さらに野々村議員は自分のブログで「いまお嫁さん募集中」などと書いているが、195回行ったという(つまり政務の活動で行ったはずの)出張については何も書いておらず、さらに城崎温泉へ行ったと報告書に記されている日に、ブログでは別の場所にいたことを書いていたそうで、これでは疑われても仕方がない。


もし、実際には行かずに交通費を着服したとなれば詐欺罪であり、公金横領でもある。泣きわめいて済む問題ではない。そこを明らかにしなければ、県民は納得しまへんで~


 

 

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都議会の“セクハラ野次”に思うこと

2014年06月23日 | 議会&役所

東京都議会の「セクハラヤジ」の“事件”は、海外メディアにまで波紋を広げ、もう、めちゃくちゃ大変な騒ぎになってしまった。この「セクハラヤジ」って字は「セクハラオヤジ」に見えたりしますよね。


ま、それはともかく「自分が早く結婚したらいいんじゃないか」というヤジの声が、テレビでもはっきり聴こえているのだから、いつかはバレるに決まっていた。それでも「声の主」は知らんぷりを通して、ウヤムヤになるものと思っていたようである。考えが甘い。これだけ大きな問題になると、もう収まるはずがない。世間が許さない。声の主がわかるまで、絶対にウヤムヤにはされないと誰もが思っていたはずだ。そして案の定、今ごろになって、鈴木某という議員が名乗って謝罪をした。「反省しています。初心に戻って頑張りたい」というから、初心に戻るというからには議員を辞めて、次の選挙で出直すのかなと思ったら、自民党の会派は離脱するけれど、議員は辞めないという。なら初心に戻ってないやろ。ほんまにアホやな、この鈴木某は。


この騒ぎが起きた直後から、ネットで調べると、議場に座っている位置から見て、この鈴木某とあと数人が怪しいという噂が広まっていた。昨日、「ウダウダ会」で京都に行く電車の中で、仲間たちに僕が「鈴木某というのが怪しいらしいで」と言うと「えっ、もうわかってるのん?」とみんな驚いていたが、ネットでは、早い段階から、このおっさんがほぼ声の主であろうと取り沙汰されていた。その鈴木某が2日ぐらい前にマスコミにマイクを向けられたとき、「絶対に私ではないですよ」と言っていた。「言った人は議員を辞職すべきだと思いますか?」とのマスコミの質問に、鈴木某ははっきり「そうです」と言った。なのに、自分が言いましたという今日の会見では「辞めません」というのだから、なんだこいつは…と思う。いくら辞めないと言っても、今さら世間は許すわけないだろう。往生際の悪い奴だ。それと「産めないのか」などと言ったほかの数人も今に判明するだろう。そういう議員はみんなまとめてクビである。


今回の都議会議員もそうだけど、僕たちが住んでいる地域の議会議員も、こんなアホな議員が沢山いる。38年間市役所で務め、そのうちの26年間を議会事務局で仕事をしてきた僕としては、数えきれないぐらいの議員をこの目で見てきた。立派な人もむろんいるが、常識を疑う人物も多い。僕は別に自民党自体は嫌いではないけれど、これまでの議会事務局担当職員としての経験で言えば、そのアホ議員は、圧倒的に保守系…つまり、自民党の議員が多かった。議員バッジをつければ特権階級になったように錯覚するオヤジは、たいてい自民党だ。手がつけられないほどのアホもかなりいた。いつか別に“内緒”のブログを立ち上げて、そういう経験談も書くつもりだけれど、今回のニュースを聞いて、真っ先に、犯人は自民党に違いない、と思ったものだ。


まぁ、“被害”に遭った女性議員もいわゆるタレント議員で、「さんまの恋のから騒ぎ」に出ていた頃(当時29歳)の映像を見ると、かなりおふざけキャラで、機関銃のようにおしゃべりをする女性で、ビキニ姿を披露したりもしていた。


そういう経歴を持つ女性と言うことで、今回の男たちのアホなヤジが飛んだのだろう。これが、たとえば共産党あたりの生え抜きの女性議員の質問なら、自民党の男たちもそういうヤジは恐ろしくて飛ばせなかっただろう。そんなことを言ったらたちまち「議長、今のヤジは女性蔑視です。休憩して処分してください」と、女性議員は叫ぶだろう。これは僕の元議会事務局職員としての直感だけれど、おそらくそんな展開になるはずだ。


それを自民党の議員はわかっているので、そういうことは陰で言い合っても、表では言わない。しかし今回は、たまたま初めて質問に立った元タレントで、若くて美人の独身女性で、(たぶん)ふだんは誰にでも愛想も良くて、話しやすい女性だったと思われるので、オッサンらもそんな認識があったから、ナメてかかってああいうヤジを飛ばしたものと思う。だから、よけいに卑劣だと言いたいのだ。そして彼女にとしては「軽く見られている」ということで、それが特に悔しかったのだろうと思う。


きょう、鈴木某が名乗り出て、謝って済むという問題ではない。
それで済む…と思っている鈴木某が、見ていて何とも哀れである。


他の「暴言議員」もシラを切らず、名乗り出るべきだ。
そうして、さっさと都議会議員を辞めるべきであろう。

何千万円もの高い年俸をもらう資格など、カケラもありまへん。

 

 

 

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ブログ「炎上」県会議員が自殺

2013年06月28日 | 議会&役所

ブログで「暴言」を吐いて「炎上」し、一躍「有名人」となった岩手県の小泉光男議員(56)が、25日早朝に自殺したというニュースを見てびっくりした。厳密に言えば「(死因は)自殺か?」という表現だけど、僕は独断と偏見で「自殺した」と解釈して話を進めて行きます。


小泉県議は、6月上旬、岩手県立中央病院で「241番の方」と呼ばれたことに腹を立て、自身のブログに「僕を呼んでいるの?と気付いた瞬間、頭に血が上りました。ここは刑務所か!名前で呼べよ。なんだ241番とは!」などと書き、さらに、その際お金も支払わずに病院を出て、それでもまだ腹の虫が収まらず、公衆電話からまた病院に電話して、事務長を出せと威嚇したりした。そしてそれに続いてこんなことも書いていた。


「会計の計算が出来ましたのでお越しください」と言われたことに対し…


「こちらは15,000円以上を検査料を払う上得意のお客さんだぞ。そっち側から“本日はありがとうございました”と、カウンターの外に出て、長椅子に座っている患者の方に来るべきだろうが」


そして最後に、「このブログをご覧の皆さん、私が間違っていますか。岩手県立中央病院の対応が間違っていると思いますか!」と締めくくられていた。


ご承知のとおり、これがマスコミによって流され、世間から轟々たる非難を浴びることになった。


ある日、わが家で朝8時からのワイドショー「とくダネ」をかけていたら、このことが大きく取り上げられ、レポーターが小泉県議の自宅まで行って、庭で本人に質問を浴びせているのを見た。小泉県議は意外に気の弱そうなオッチャンで、テレビ局の直撃取材に困惑し「あのぉ、また後で…」とショボンとしながら逃げるように家の中に入ってしまった。レポーターは1時間以上も外で待ち、何度もインターホンで中の住人に声をかけていたが、小泉県議は二度と玄関先に現れなかった…。「ホント、特権意識というか、議員はエラいんだぞ、という感覚がこういう人にはあるんでしょうね」と、コメンテーターたちも、口をそろえて小泉県議を非難していた。まあ、誰でもそう思って当然だろう。


ちょうどそのあと、復興庁の水野参事官という人物が、ツイートでこれまた「暴言」を吐いた。「左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に出席。不思議と反発は感じない。感じるのは相手の知性の欠除に対する哀れみのみ」とボヤいたり、福島県のある町のことを「田舎の町議会をじっくり見て、余りのアレ具合に吹き出しそうになりつつも我慢」とバカにしたり、「今日は懸案が一つ解決。正確に言うと白黒つけずに曖昧なままにしておくことに関係者が同意」とうそぶいたり…ということが明るみに出て、小泉岩手県議とセットでワイドショーのおいしいネタにされ、この2人が日本中を敵に回すような事態になったことも、先刻ご承知のとおりである。


水野参事官の場合は、たぶん周囲の人間が彼の「つぶやき」に対して、「俺たちが心の中で思っていても口に出せないことを、よくぞ言ってくれた」と賞賛していたのではないかと想像される。身内におだてられたり、ホメられたりしていい気になり、この「つぶやき」が世界中に発信されていることも忘れ、調子に乗って傲岸不遜なメッセージを連発していたのだろう。不満があるのなら、仲間内で酒でも飲みながら、こっそりグチをこぼすだけにしていたらいいんじゃないか。


小泉県議にも言えることだが、パソコンや携帯のネットに文章を発信すると、それは全国津々浦々まで届く…ということをはっきりと自覚できていなかったのではないか、と思うのだ。半分ぐらいはわかっているが、半分ぐらいは忘れてしまっている。で、感情が高ぶったりしたら、そういう手段でストレスを発散する…という行為に何の問題もないように思って、「どうだ!」とばかりに発信してしまう、ということかも知れない。


いや、それにしても、岩手県の小泉県議が自殺したことには驚きを禁じえない。地元の支援者たちからは厳しく叱責されただろうし、メディアの力によって世間からは猛烈な批判を浴びることになったので、これ以上生きて行くことに耐えられなかったのだろうか。でも、まさか自ら命を絶ってしまうとは。こんな形で56年間の人生に終止符を打たねばならないなんて…今までの人生はいったい、何だったのだ?…と、他人事ながら思ってしまう。


ところで、テレビ各局は、この間まで、小泉県議の「ブログ炎上事件」を大きく取り上げていたのに、この人が自殺したことについては、ニュースで短く報じただけであった。ワイドショーに至っては、僕が見た限りではどこの局も取り上げていなかった。自分たちの報道が本人を死に追いやった…という意識がわずかでもあるのだろうか?…よくわからないけれど、死者に鞭打つこともできないし、「ご冥福をお祈りします」と言うのもわざとらしいし、さすがにワイドショーも取り上げようがなかったのだろう。まぁ、当然のことでしょうけど。


実は僕も、1週間ほど前から、小泉県議のことをブログに書こうと考えていた。僕自身、市役所の議会事務局に長年勤めて、議員という人種を間近で見続けてきた人間である。議員の特権意識というものについても、数多くの経験を通してさまざまな感想を持っている。むろん、議員にもいろいろなタイプがあるのだけれど、そんな自分の実体験を絡めながら、今回の小泉県議の言動について考察してみようという目論見だった。でも亡くなられたのだから、もう書くのはやめた。


何度も繰り返すけれど、なぜ死ななければならなかったのか?
「死んでお詫びを」という潔い行為のようにも見えないし。
やはり、神経が参ってしまったとしか思えない。


現実の生活上でよほど切羽詰ったあげくに自殺する…というのは議員でも時々ある話だけれど、このような神経的なことで死を選ぶというのは、およそ議員らしくない。なぜなら、議員というのは、現実的で、社交的・行動的で、楽天的で、物事に頓着せず、深く考え込まず、ホンネを隠してタテマエを貫き、手を抜くコツを熟知しながらも票を集めるためにはどんな苦労も厭わない…という、つまりそういう「したたかさ」と、「何を起こしても自分は悪くない」という自信というか厚かましさというか、そういうものがなければ議員として適性とはいえない、と長い間、議会事務局で過ごしてきた僕は思うのである。


余談になるが、自民党国会議員の佐田玄一郎氏は、昨日発売の週刊新潮に、

4万円援助交際20回! 女子大生とラブホテル!
衆議院 NO3 佐田玄一郎議運委員長 常習買春の現場報告

…という見出しの記事を書かれ、早々と議運の委員長辞任の意を示した。でもこの人は、他の「不祥事」を起こした多くの政治家同様、決して自殺などしないのである。やったことは小泉県議とは性質がちがうけれど、公人としては「死ぬほど恥ずかしい」ことだけど、もちろん死んだりはしない。


その意味から言えば、小泉県議は、議員には向いていない性格だったのだろう。向いていない人間が、ブログで議員の特権意識をむき出しにした「ホンネ」を吐いたことが、こういう哀れな結末を導くことになった。


ともあれ、今回の県議や参事官の一件は、僕らのようなブログを発信している人間にとって、ネットの恐ろしさを再認識させるとともに、沢山の人に読んでいただくことはもちろん嬉しいのだけれど、逆に言えば、どこで誰が読んでいるかわからないので、その辺は慎重さが必要だ、ということを、万事いい加減で慎重さに欠ける僕は、反省の意も込めながら、しみじみと思ったものである。


ブログで身を滅ぼす…ということだけは、したくありませんものね。

 

 

 

 

 


 

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覆面市議会議員…??

2013年03月08日 | 議会&役所

僕は38年間、大阪府下の市役所で勤務してきましたが、そのうち通算26年間、市議会事務局で仕事をさせてもらいました。ですから、こと市議会議員に関連したニュースを見ると、今でもやはり、胸がざわざわするんですよね。

最近では、こんなニュースがありました。

先月行われた大分市議会議員選挙で、44歳の覆面レスラーが当選しました。
この人が、覆面をつけたまま本会議や委員会に出る意向を示したところ、同議会の代表者会議で「それはダメ。議会の品位を損なうし、会議規則違反になる恐れもある」との決定が下されました。覆面レスラーご本人は、「他の自治体(岩手県と大阪府和泉市)では覆面のまま議場に入っているのに、覆面を取れというのはおかしい」と反発しているとのことです。

もっともらしい理屈ですけど、思うに、年齢的に体力が衰えるのを察知して、トレードマークの覆面を、今度は体力勝負のリングではなく、タラタラとしゃべっているだけでも食べていける(と思っている?)市議会のほうでアピールしてやろうという算段なのかも知れません。

僕は議会事務局での26年間、ピンからキリまで実にさまざまな市議会議員を見てきましたが、さすがに覆面をした議員はいませんでした(“鉄面皮”な議員は大勢いましたけどね…。うふふ~)。

まあ、覆面をする議員なんて、まさか月光仮面や仮面ライダーやキティちゃんの面をかぶって立候補する人はいないでしょうから、今のところ覆面プロレスラーくらいしかいませんよね。

僕はこの記事を見て、自分がここの議会事務局長であれば、何はともあれ、議会で問題にされる前に覆面を取るよう忠告しただろうと思います(むろん聞き入れてもらえないでしょうけど)。議会事務局としては、「議会本来の仕事」と関係のないところで、議員同士がモメるのが一番困るのです。

会議規則では、議場等に入る者は帽子、コート、マフラーの類を着用してはならない、と規定されています。それがダメなのに覆面ならいい、とは解釈しにくいですよね。岩手県や和泉市で覆面を認めたというのは、議会側が世間の顔色をうかがって、やむを得ず決めたものだろうと僕は思っています。しかしそんな調子で、日本全国どこでも覆面や仮装をする議員がまかり通るようになると「議会の品位」どころではなくなってきますよね。

たとえばタレントの小島よしおが市議会議員になったら、例によって水泳パンツ一丁の姿で議場に出て、議席から「そんなの関係ねぇ!」とヤジを飛ばしたりするのでしょうか…? 

なんだかねぇ。

それと、言うまでもないことですが、議員の良し悪しは中身で決まります。

見かけやイメージだけで市民に役立つ市議会議員になれるかどうか、甚だ疑わしいです。まあ、どうせ市議会議員のようなものはムダな存在なんだから…と決めつければ、覆面をしようがしまいが「どうぞお好きなように!」ということにもなりますけどね~。しかし議員はボランティアでなく高い報酬をもらっているのですから、そうも言ってられませんよね。

いずれにしても、マトはずれな自己主張よりも、もっと大切なことが市議会議員には求められているということをきちんと認識すべきだ…と言っておきます。

ちょっとエラそうな言い方で恐縮ですが…

 

 

 

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駆け込み退職

2013年01月25日 | 議会&役所

つい最近、スポーツクラブ・コスパのサウナで、ジョギング仲間だったI君と顔を合わせた。彼はこの街の市役所に勤めており、今は体育館に勤務。普段は夜にトレーニングに来ているが、午後から勤務がある日は午前中に来るので、時々こうしてバッタリ会うことがある。彼はジム、僕はプールが中心ということで、更衣室などで会っても挨拶を交わす程度ですれ違っていたが、この日はたまたまサウナで隣同士に座ったので、久しぶりに話す機会ができた。

I君は、「この3月で…僕も定年退職になります」と、全身からタラタラ汗を流しながら僕に告げた。「へぇ~。そうですか。それはそれは…お疲れさまでした」と僕が言うと、「しかし、市役所もどんどん厳しくなってきましたね」とI君は声を絞り出すようにして、退職金の話をしはじめた。

それによると、来年度に退職する職員は、退職金が今より150万円以上減額されるそうで、その次の年度の退職者はさらに150万円以上減額され、合計400万近く減らされる勘定になる…というのである。

「僕はこの3月に退職するので影響は受けませんけど、来年以降に退職する者はそんなふうになります。これからは職員もいよいよ大変ですわ」ということだった。そして汗びっしょになった体を起こし、「では、お先に…」と会釈してサウナから出て行った。

僕は市役所を退職してもう4年目だから、そういう話にはとんとウトくなっていて、来年度とその次の年度の退職者に、段階的に400万近い退職金の減額が行われるなんてことは、むろん知らなかった。そんなときに今回、「駆け込み退職」のことが、新聞、テレビ等で大きく報じられたのである。

これは、国のほうで国家公務員の退職金を今年1月から段階的に引き下げる法律が昨年11月に改正されたことに伴い、地方自治体も国からの要請を受けて、あちらこちらで減額の条例が施行されることになったのだが、その地方自治体で「駆け込み退職(早期退職)」が急増しているということであった。

つまり、この3月末で退職すると退職金が約150万円減額されるわけだから、その条例が施行される直前に退職をする…という現象が全国各地で起きているようなのである。とくに、早期退職する警察官や教員が、何となく非難されているかの印象を受けるような報道ぶりだった。

3月末に退職する職員は、退職金減額の条例が3月から施行される自治体では2月末に辞め、2月から施行される自治体では1月末に辞め…という具合である。退職までの残り1、2ヵ月を働くことによって、もらう給料の倍ほどの退職金が減る…というのは、いくら「公僕」の立場にあると言っても、現実問題としてはきつい話であることに違いない。

ある新聞には、「自分の懐より、公務員として公共に奉仕する精神を最後まで全うしてもらいたい」と某大学院教授のカッコイイ談話が載っていたが、むろんおっしゃることに間違いはないのだけれど、それでもねぇ、ちょっと理想論に走り過ぎているのではないか?…な~んてことも思う。

警察官や教員をはじめ公務員も人の子である。家族もあり、退職後の生活設計もあるだろう。「教育や治安に影響が出ないか」と文科省や警察庁がなどが調査を始めた言われているけれど、たとえ世間からとやかく責められたにしても、やはり自分と家族の生活が大切であることに変わりはない。

まあ、長年市役所に勤めていた僕の見たところ、公務員には資産家や地主というのがわりに多く、「こいつ、別に仕事せんかって食うていけるやないか」という人間が周囲にチラホラといた。そういう余裕のある人たちは早期退職をしないかも知れない。でも、ほとんどの職員はそんな楽な生活をしていない。僕には、早期退職する職員の気持ちが、よくわかる。

それより、なぜこれらの自治体が、こういう早期退職者が出るに決まっているような時期に、これを実施したのか。なぜ4月からにしなかったのか、と疑問に思うのだ。そうすれば、冒頭のI君の話ではないが、とりあえず今年3月に退職する職員には影響は出ない。次年度からの減額だと、それなりに職員も受け入れる覚悟ができるだろう。しかしこの3月とか2月あるいは1月に実施されると、退職を目前にした人たちは、いきなりそんなことを突きつけられたら、多額の退職金をみすみす削られる痛みに耐えられず、直前に早期退職に走ることになっても不思議ではないだろう。たしかに「駆け込み」は「駆け込み」だけれど、駆け込まざるを得ない理由というものがあるのだ。

全国知事会の会長でもある京都府知事は「4月実施にすれば1年遅れることになる。駆け込むために職務を途中で引き揚げていくのは残念としかいいようがない」と述べたそうだが、知事さんなんてびっくりするほど多額のお給料や退職金をもらっていますしね。下々のことなど、知る由もなし…ではないか。

ちなみに大阪府はかなり以前から退職手当を見直しているので、この減額条例は4月1日からの実施となっている。したがって来年3月末に退職する職員からそれが適用されるので、I君の場合と同様、この3月末に退職する職員は減額されない。だから早期退職者はいない。これが普通だと思うのだが…。

警察官も、教諭も、その他の公務員も、み~んな生活がかかっているのである。公共への奉仕精神はきわめて大事なことであるが、それとこれとはまた話が別じゃないの?…ということを言いたいのだけれど、「のんさん、あんたも公務員やったんで、身びいきしているのと違う?」な~んて言われそうな気もしながら、あえて今日はこの話題を取り上げてみました。

 

 

 

 

 

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入れ墨の公務員

2012年06月07日 | 議会&役所

      
       ご存じ 「入れ墨判官」。 
       この人も昔の公務員…?

 

大阪市の橋下市長が市職員の入れ墨の有無を調べたことがマスコミを賑わした。

入れ墨をしている市の職員がいたなんて、初めて聞いた人も多かったろう。

新聞によると…
先月末の大阪市の発表では、職員約3万4千人のうち、
入れ墨をしていると申告した職員は113人だった。
113人のうち、107人は環境局や交通局の現業職員で、
中には女性も5人入っていたというから、へぇ~~という感じ。
まあ、タトゥーと言われるおしゃれっぽいものかもしれないけど。

また、この調査に対して回答を拒否した職員が15人いたそうだが、
この人たちは入れ墨をしているから拒否したのか?
あるいは、人権モンダイだとか何とか言って拒否しているのか?

少なくとも公務員である限り、入れ墨調査と人権は無関係だろ。

余談ですが…
入れ墨といえば、誰でも遠山の金さんを思い出す。

ご存知、入れ墨判官・遠山金四郎。
「神妙にしろいっ」
啖呵を切って片肌を脱ぎ、桜吹雪の入れ墨を見せつける。

金さんは江戸町奉行だから、これも、まあ昔の公務員である。
この時代は公務員がおおっぴらに入れ墨を見せびらかしても、
上役から注意されたり、町民から批判を浴びることはなかったんでしょうね。

しかし今は平成の世である。
入れ墨は、どうしてもヤクザやチンピラを連想させる。

入れ墨をしているから素行が悪い…とはむろん限らないけれど…

10年少し前、妻とオーストリアに旅行したとき、
国境を越えてお隣のハンガリーへ行った。

首都ブダペストで土産物店などが並ぶ繁華街を歩いたが、
ひとつ路地に入ると、目つきの悪い、入れ墨の男たちがたむろしていた。

実に不気味な光景だった。

そのあと、僕たちは国会議事堂を見学するため、
広い道路の歩道を歩いていたら、突然男が寄って来て、
ベラベラベラと何かを勧誘するようなことを話しかけてきた。

うるさいので、あっちへ行けと言うと、いつのまに現れたのか、
警察官のような帽子を被った男たちがバイクで僕たちを取り囲み、
「パスポートを見せろ」 と言ったのだが…みんな入れ墨をしている。

「警察官が入れ墨するか?」 と不審に思いながらも、
僕は単純だからパスポートをポケットから出そうとしたら、
横から妻が「警察と違うわ。行くわよ!」 と僕の腕をひっぱったので、
僕たちは素早く男たちの囲みを突破し、その場から逃げ去った。

とっさに 「ピンときた」 という妻によると、
警察官を装うパスポート泥棒の手口がガイドブックに載っていたそうだ。

それにしても、ハンガリーは怖い国だと思った。
なにしろ、入れ墨をしている男たちが多かった。
入れ墨と言えば、真っ先にその出来事を思い出すほどだ。

だから、入れ墨にはロクな印象がない。

ましてわが日本国で、公務員が入れ墨を入れるなんてねぇ。

僕が勤めていた松原市役所にも、目立つ入れ墨をしていた職員がいた。
その職員が公園を清掃したあと、暑いのでシャツを脱いだらしい。
入れ墨がモロに見えた。

近くの住民がそれを見て恐れをなし、市役所に通報した。
「今、公園に入れ墨をした不審な男がいます」 と。
市役所から職員がすぐに現場へ行ってみたら…
その 「不審な入れ墨男」 は、市の清掃担当職員だった。
…という、笑えない話も実際にあった。
住民もあきれたでしょうね~

ついでだけど、ある市議会議員は、昔、腕に入れ墨をしていた。
その人は議員になるとき、腕を焼いて入れ墨を消した。
その腕の 「焼け跡」 を見せてもらったことがある。

今、公務員の身分で入れ墨をしているものは、
これくらいの根性を見せて、消してしまえばどうか。

さて、話は大阪市のことに戻るけれど…

市は今後、人目につく部分に入れ墨をしている職員については、
市民と接しない部署へ配置転換し、回答拒否職員に対しては、
懲戒処分にする方針で、処分内容を検討しているということだ。

こんなのは、遠慮せず、どんどん重い処分にすればいいと思う。

公務員としての自覚が足りなさ過ぎるぜぃ、
と杉ちゃんも言ってます。

 

 

 


 

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