僕は38年間、大阪府下の市役所で勤務してきましたが、そのうち通算26年間、市議会事務局で仕事をさせてもらいました。ですから、こと市議会議員に関連したニュースを見ると、今でもやはり、胸がざわざわするんですよね。
最近では、こんなニュースがありました。
先月行われた大分市議会議員選挙で、44歳の覆面レスラーが当選しました。
この人が、覆面をつけたまま本会議や委員会に出る意向を示したところ、同議会の代表者会議で「それはダメ。議会の品位を損なうし、会議規則違反になる恐れもある」との決定が下されました。覆面レスラーご本人は、「他の自治体(岩手県と大阪府和泉市)では覆面のまま議場に入っているのに、覆面を取れというのはおかしい」と反発しているとのことです。
もっともらしい理屈ですけど、思うに、年齢的に体力が衰えるのを察知して、トレードマークの覆面を、今度は体力勝負のリングではなく、タラタラとしゃべっているだけでも食べていける(と思っている?)市議会のほうでアピールしてやろうという算段なのかも知れません。
僕は議会事務局での26年間、ピンからキリまで実にさまざまな市議会議員を見てきましたが、さすがに覆面をした議員はいませんでした(“鉄面皮”な議員は大勢いましたけどね…。うふふ~)。
まあ、覆面をする議員なんて、まさか月光仮面や仮面ライダーやキティちゃんの面をかぶって立候補する人はいないでしょうから、今のところ覆面プロレスラーくらいしかいませんよね。
僕はこの記事を見て、自分がここの議会事務局長であれば、何はともあれ、議会で問題にされる前に覆面を取るよう忠告しただろうと思います(むろん聞き入れてもらえないでしょうけど)。議会事務局としては、「議会本来の仕事」と関係のないところで、議員同士がモメるのが一番困るのです。
会議規則では、議場等に入る者は帽子、コート、マフラーの類を着用してはならない、と規定されています。それがダメなのに覆面ならいい、とは解釈しにくいですよね。岩手県や和泉市で覆面を認めたというのは、議会側が世間の顔色をうかがって、やむを得ず決めたものだろうと僕は思っています。しかしそんな調子で、日本全国どこでも覆面や仮装をする議員がまかり通るようになると「議会の品位」どころではなくなってきますよね。
たとえばタレントの小島よしおが市議会議員になったら、例によって水泳パンツ一丁の姿で議場に出て、議席から「そんなの関係ねぇ!」とヤジを飛ばしたりするのでしょうか…?
なんだかねぇ。
それと、言うまでもないことですが、議員の良し悪しは中身で決まります。
見かけやイメージだけで市民に役立つ市議会議員になれるかどうか、甚だ疑わしいです。まあ、どうせ市議会議員のようなものはムダな存在なんだから…と決めつければ、覆面をしようがしまいが「どうぞお好きなように!」ということにもなりますけどね~。しかし議員はボランティアでなく高い報酬をもらっているのですから、そうも言ってられませんよね。
いずれにしても、マトはずれな自己主張よりも、もっと大切なことが市議会議員には求められているということをきちんと認識すべきだ…と言っておきます。
ちょっとエラそうな言い方で恐縮ですが…
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